昨年(2012年)7〜9月の熱中症による全国の救急搬送人員は4万3864人で、死亡した人は73人に上ります。その中で、緊急搬送された7歳未満の子供の数は372人です。そして、今年(2013年)も連日猛暑が続き、8月5日〜8月11日の1週間に熱中症で救急搬送された人は全国で9000人を超えています。
大人も子供も熱中症が警戒される中、見落とされがちなのがベビーカーに乗った赤ちゃんや乳幼児の熱中症対策です。実は、ベビーカーに乗った赤ちゃんは、それを押す大人よりずっと高く、熱中症の危険にさらされているのです。
ベビーカーによる熱中症の危険性
炎天下にさらされたアスファルトは高温になっています。ベビーカーの位置は路面から近く、アスファルトの熱を受けやすい位置にあるのです。さらに、路面からの照り返しで高温になりやすい状況になっています。
例えば、「気温30.9度の中、アスファルト上でベビーカーを押している場合、乳幼児の顔位置の温度は36.4度。成人の顔位置の温度よりも3.5度高い」ことになるそうです。
加えて、赤ちゃんや乳幼児は大人に比べて体温の調節機能が未熟です。これらのことを考えると、真夏の炎天下にベビーカーに赤ちゃんを乗せて出かけることがどれだけ危険か分かっていただけると思います。
赤ちゃんをベビーカーに乗せて外出するときは?熱中症予防のポイント
最善策は、炎天下にベビーカーでの外出を控えることです。買い物や散歩はなるべく朝早くか、夕方以降にするようにしましょう。どうしても暑い日差しの中に出なければならないなら、赤ちゃんに日差しが直接当たらないようにベビーカーに日よけフードを取り付けましょう。
通気性の良いクッション素材のものを使い、風通しを良くすることが大切です。赤ちゃんには外出前に水分補給を済ませ、外出中もこまめに水分補給をさせましょう。ずっと炎天下を歩き続けるのではなく、時々日陰で休憩させましょう。スーパーや公共施設の中など、少し寄り道してクーラーの効いているところで休ませるのも良いでしょう。
ベビーカーの赤ちゃんは大人とは違う状況にありますから、大人が大丈夫だからと安心せず、時々赤ちゃんを抱っこしたり、背中に手を当てたりして、汗をかいてないか熱はないか、機嫌は良さそうかなど確認するようにしましょう。
熱中症対策に配慮したベビーカーにしよう
最新のベビーカーはシートの背中部分に通気口を備え、アルミシートで照り返しの熱を反射するなど、熱中症対策にも配慮したものが作られています。シートの位置も通常より高く、アスファルトの熱をなるべく受けないように配慮されたものが販売されています。位置が15㎝高くなるだけで、約1.5度気温が低くなるそうです。
最新式のベビーカーでなくとも、冷蔵庫で冷やす冷却シートや大型フードなどの後付け商品もありますので、熱中症対策に是非役立てましょう。
※子供の熱中症対策に関して、詳しくは『子供を熱中症から守ろう!〜赤ちゃん・乳幼児の熱中症予防と対処法〜』をご覧下さい。
参考サイト
実は大人より危険?”ベビーカー”による熱中症とその対策 - NAVER まとめ
http://matome.naver.jp/odai/2137526475674423501