石井桃子さんは『ピーターラビット』『クマのプーさん』『うさこちゃん』シリーズなど、有名な翻訳作品を多数世の中に送り出した方です。絵本や児童文学好きの方なら、必ず目にする代表的な児童文学作家・翻訳家です。
今回は、石井桃子さんの創作絵本に加え、翻訳作品も含めてご紹介します。

いっすんぼうし

いっすんぼうし(いしい ももこ ぶん、あきの ふく 絵、福音館書店、1965年)

美しい日本語と、雅で華やかな絵が、みんなが知っている昔話の魅力を存分に引き出した一冊です。
石井桃子さんの語りは簡潔で分かりやすく、それでいて古き良き日本語の美しさを兼ね備えています。美しい日本語、後世に伝えたい日本語です。
読み聞かせを通して、子供たちが美しい日本語に触れ合う機会を作ってあげましょう。

ちいさなねこ

ちいさなねこ(石井桃子 作、横内襄 絵、福音館書店、1963年)

小さな子猫が、お母さん猫が見ていない間に走り出し、遠くへ行ってしまいます。道路に飛び出して車にひかれそうになったり、大きな犬に追いかけられたり……。その危なっかしさは人間の幼い子供を彷彿とさせます。見ているとハラハラドキドキの連続です。2~3歳の子は自分のことのように共感できるのではないでしょうか。
子供を想う母親の愛情が感じられる素敵な絵本です。

やまのこどもたち

やまのこどもたち(石井桃子 文、深沢紅子 絵、岩波書店、1956年)

今から60年以上前に出版された本で、山の子供たちの暮らしぶりがよく分かる絵本です。温かい家族、村人に囲まれて、のびのびと自由に育つ子供たちが生き生きとしています。
おにいちゃん、おねえちゃんに負けじと奮闘する「たけお」の姿がいじらしく、やんちゃな男の子の姿が目に浮かぶようです。
『やまのたけちゃん』という続編があり、家の手伝いが遊びを兼ねている逞しい子供たちの姿が描かれています。現代の子供たちにも是非読んでほしい絵本です。

くいしんぼうのはなこさん

くいしんぼうのはなこさん(いしい ももこ 文、なかたに ちよこ 絵、福音館書店、1965年)

食いしん坊で欲張りな牛の「はなこ」。そのために自業自得の手痛い罰を受けることになります。「はなこ」のやっていることは強欲でわがままなのに、その話し方と愛嬌のある顔のせいで何だか憎めない気持ちになるから不思議です。山の牧場ものんびりとした雰囲気で、読んでいて心が和みます。
小さな子供たちに「みんなで分け合うことの大切さ」を教えてくれる絵本です。

ありこのおつかい

ありこのおつかい(いしい ももこ 作、なかがわ そうや 絵、福音館書店、1968年)

色彩の柔らかな表紙の絵本ですが、読んでみると思いの他奇抜な話でびっくりします。蟻の「ありこ」が道草をしたことでカマキリに食べられ、そこから食物連鎖のように次々と食べられていくのですが、そのお腹の中の描かれ方が斬新です。
読み聞かせすると、子供たちは怖がったり、笑ったりして、とても面白がってくれます。黙読より、音読がおすすめです。
思いがけないお話の展開を楽しんで下さい。

ことらちゃんの冒険

ことらちゃんの冒険(石井桃子 お話、深沢紅子 画、河出書房新社 2015年)

この絵本は、40年以上前に婦人之友社から刊行された絵本の復刊です。
トラに似ているのが自慢の子猫「ことらちゃん」が巻き起こすどたばたの冒険の数々が描かれています。
なんといっても「ことらちゃん」のキャラクターが魅力的です。やんちゃな男の子のようで、好奇心が強く行動力もすごいです。こんな男の子を育てるのはきっと大変で、心配が尽きないでしょうね。

うさこちゃんとゆうえんち

うさこちゃんとゆうえんち(ディック・ブルーナ ぶん/え、いしいももこ やく、福音館書店、1982年)

『うさこちゃん』シリーズは幼児に人気の定番シリーズです。
うさこちゃんの好奇心いっぱいで素直、そして元気なキャラクターが子供たちに人気です。ほっと心が温まるような家族愛が描かれているところもロングセラーの理由でしょう。
石井桃子さんの親しみやすく、優しい語り口が心地よく耳に響きます。
17㎝×17㎝の小さな絵本は、小さなお子さんでも手に持ちやすいサイズです。

こねこのぴっち

こねこのぴっち(ハンス・フィッシャー 文/絵、石井桃子 訳、岩波書店、1954年)

愛らしい子猫がたくさん出てくる、猫好きにはたまらない絵本です。
自分以外の何かになりたい子猫の「ぴっち」が、たくさんの動物たちに出会いながら自分探しをします。さて、「ぴっち」が最後に出した答えは?読むと、大切なことを教えてくれる絵本です。

ちいさいおうち

ちいさいおうち(ばーじにあ・りー・ばーとん ぶんとえ、いしいももこ やく、岩波書店、1965年)

出版後50年以上愛されているロングセラー本です。
四季の移り変わり、自然が美しく、それとは対照的に都市化した街並みは灰色に描かれています。描かれている場所は同じですが、とても同じ場所とは思えないほどの著しい変化
に、読む人は皆びっくりしてしまいます。環境問題や、自然の中で四季とともに生きる喜びについてなど、考えさせられる内容です。

こすずめのぼうけん

こすずめのぼうけん(ルース・エインズワース 作、石井桃子 訳、堀内誠一 画、福音館書店、1977年)

好奇心の強い「こすずめ」が、冒険に飛び立ちます。「こすずめ」の冒険を通して、いろんな鳥の生態について知ることができるのもこの絵本の魅力です。絵が細やかに描かれていて、ストーリーもしっかりしています。また、石井桃子さんの訳文が親しみやすく、特に母すずめの愛情が強く伝わってきます。
「ぼく、ちゅん、ちゅん、ちゅんってきり いえないんです」というこすずめの台詞が可愛らしく、印象に残ります。

編集後記

有名な翻訳作品を多数遺している石井桃子さんですが、自ら文章を手掛けた絵本も秀作ぞろいです。後世に伝えたい美しい日本語。ユーモア溢れ、知性の光る言葉の数々は、子供たちに是非読んで聞かせたいものばかりです。
子供たちに対する深い愛情と思いやりを感じさせる、豊かな日本語を、絵本を通して楽しんで下さい。

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