マイコプラズマ肺炎は学童期の子供に多い病気ですが、大人もかかります。
数年に一度大きな流行を起こすことがあると言われ、長引く咳が特徴です。
今回は、重症化すると怖い病気である「マイコプラズマ肺炎」についてまとめました。
症状
マイコプラズマ肺炎とは、マイコプラズマという微生物が原因の肺炎です。一年を通して感染・発症すると言われています。学童期の子供、特に7〜8歳の頃が最もかかりやすい時期と言われています。
くしゃみや咳によって、人から人へ感染する病気です。
症状は咽頭痛、咳や発熱などの風邪症状から始まり、だんだん症状が重くなります。高熱ではなく微熱のケースが多く、症状も風邪と似ているため早期発見が難しい面があります。一度目の受診で風邪と診断され、その後症状が悪化して再受診し、やっとマイコプラズマ肺炎と診断されるケースが多いです。
風邪症状の後咳が長引く、夜間や早朝、酷く咳き込んで目が覚めるなどあれば、必ず小児科や内科(呼吸器内科)を受診しましょう。
乾いた咳が長く続き、症状が悪化すると痰が絡んだ咳が出るようになります。1ヵ月以上咳が続くこともあります。長引く咳、しつこい咳が特徴の病気と知っておきましょう。
検査と治療法
マイコプラズマ肺炎は風邪と症状が似ているため、早期発見が難しい病気です。一度風邪と診断されてもなかなか治らない場合は、迷わずもう一度受診して検査を受けましょう。
聴診で喘鳴(ヒューヒュー・ゼイゼイという音)が聞かれることがあります。胸部レントゲンや血液検査も診断に役立ちます。疑わしい場合はマイコプラズマの抗体の陽性反応も調べられます。ただ、検査のタイミングによっては感染していても陽性反応が出ない場合もあり、その後もしっかり経過を見ることが大切です。一度目の検査では陰性でも、二度目の検査で陽性反応が出ることもあります。
症状が重くなると肺に水がたまったり、喘息のように息苦しくなったりします。
治療には抗生物質が処方されます。症状が重い場合は入院になりますが、多くは自宅療養で大丈夫です。ただ、注意したいのは、抗生物質にはいくつか種類があり、人によっては効くものと効かないものがあるということです。処方された抗生物質を飲み続けても症状が改善しないような場合は、医師に相談して別の抗生物質を処方してもらう必要があります。
その他、対症療法として、それぞれの患者の症状に合わせた薬が処方されます。例えば解熱鎮痛薬、咳止め、去痰剤などです。安静にして水分補給に努め、部屋に湿度を保ちましょう。
登校は医師と相談の上、決めます。咳が落ち着いてから登校となることが多いようです。
注意点
マイコプラズマは潜伏期間が2〜3週間と言われています。感染して1週間後くらいから咳・鼻水・くしゃみなどが出始め、発症後1カ月以上感染力がある状態になります。そのため、学校や職場で流行を起こしやすくなります。
ただし、マイコプラズマの感染力はそれほど強くありません。感染するのは、多くの場合感染者と濃厚に接触する友人間や家族間です。
マイコプラズマ肺炎は学童期の子供が多くかかるイメージですが、大人にも感染します。子供が通っている小学校で感染し、自宅でその親や兄弟に感染するパターンが多いです。特に同じ部屋で眠ると感染する確率が高くなります。大人がかかると子供よりも症状が重くなり、長引くことがあるので注意しましょう。
マイコプラズマ肺炎は一度かかっても免疫がつくことはなく、何度でも感染する病気です。家族間で感染を防ぐことは難しいですが、①手洗いを徹底する、②1日5、6回うがいをする、③タオルを共用しない、④マスクをするなどして二次感染をできるだけ防ぎましょう。
最後に、マイコプラズマ肺炎は、重い咳の症状により呼吸困難を起こすことがあると言われています。もともと喘息を持っている人は、感染によって喘息が悪化する危険性が高まります。しっかり感染予防に努め、症状が悪化したらすぐに病院を受診するようにしましょう。