フローリングの保育室を走り回る園児達。笑い声や泣き声。おもちゃのブロックが崩れ落ちる音。保育士が大声で注意する声……。

「元気があっていいね」で済まされることが多かった保育園の騒がしさが、今、問題になっています。

専門家は園児や保育士の健康に悪影響が出かねないと言いますが、一体どうことなのでしょうか?

日本の保育園の音環境

埼玉大の志村洋子名誉教授の調査によると、保育活動中の保育室の音量の平均は80~90デジベルで、これは地下鉄の車内や騒々しい工場の騒音に匹敵するといいます。ときには100デジベルに達することもあるという調査結果は驚くべきものです。100デジベルは、電車が通るガード下の騒音に匹敵します。過度な音の反響も問題です。

保育園では室内がいつも騒がしいので、保育士同士の会話が成り立たないほどです。保育士たちは毎日大声を出さなくてはならないので疲れています。一般的に90デジベルの音量を聞き続けると疲労感やイライラが募ると言われており、保育士や園児の健康が心配です。

園児の聴覚発達や言語発達への悪影響も心配されています。通常、4~5才前後になる頃には、雑多な音の中から自分への声かけなど必要な音を聞き分ける能力が身に付きます。しかし、乳幼児の時期に騒音がひどい環境で育つと、この能力が育たなくなる恐れがあります。また、普通に会話ができないほど騒がしい状況では、言葉の習得にも悪影響が出かねません。

待機児童対策と音環境の悪化

日本では、待機児童対策のために狭いスペースを使った保育施設が増えています。
例えば振動が響く鉄道高架下や、幹線道路沿いにも保育施設が建てられたりしていますが、子供が長時間過ごす場所としては騒音レベルが高く、適していません。

商業ビルのテナント内など、壁がない広いワンルームで全年齢の子供たちが過ごす施設もできていますが、一般的な保育園に比べて10デジベルほど音が大きくなる傾向があります。

欧米諸国では音環境が子供の発達に重要な要素とされ、乳幼児の聴覚発達に適した保育空間作りが工夫されています。施設の音環境に関する規格や基準があり、声の響きを抑える対策が設計段階から行われています。一方、日本は対策が遅れていると言わざるを得ません。

始まった対策の例

近年、日本でも園児や保育士への健康面の影響を考えて、対策を始める保育園が増えてきました。

広いワンルーム型や吹き抜けの保育室は開放的に感じられますが、音が反響してしまう造りです。音が反響すると騒音レベルが上がります。加えて、言葉が聞き取りづらくなり、保育士の指示が園児に伝わりにくくなるのも問題です。新改築後に「音がうるさくなった」と感じ、対策を講じる保育園も増えています。

騒音レベルを下げる対策としては、天井や壁に吸音性の高いガラス繊維「グラスウール」を設置するなど、吸音材を使用して改装する方法があります。

また、フローリングは音が響くので、マットや畳を敷くと音が軽減します。特に、畳の吸音効果は大きいです。その他、音を吸う布製の壁掛けやカーテンを設置したり、間仕切りを設置する方法があります。

音の感じ方は園児一人一人異なります。騒がしいのが平気な子もいれば、静かな場所を好み、うるさい音に耐えられない子もいるものです。特に、発達障害のお子さんの中には音に敏感な子もいて、そういう子は騒がしい環境を辛く感じているでしょう。

園全体の改装は難しくても、一人静かに安心できるスペースを作ってあげる配慮は大切です。日本の音環境に対する対策が、これからどんどん進んでいくことが望まれます。

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