赤ちゃんに授乳するのは素敵な愛情にあふれる時間です。でも、赤ちゃんがおっぱいを噛んですごく痛い思いをしたことはありませんか?乳首が切れて出血したり、傷口がなかなか治らなかったりすると、授乳は苦痛の時間になってしまいます。
ここでは、赤ちゃんがおっぱいを噛む原因と、その対処法についてご紹介します。
赤ちゃんがおっぱいを噛む原因・乳首に傷ができる原因
赤ちゃんがおっぱいを噛んでしまったり、ママの乳首に傷ができてしまう原因はいろいろあります。こうしたトラブルで悩まされるのは、一人目のお子さんのときが圧倒的に多いです。授乳に不慣れで、母乳を作るサイクルが完成されておらず、乳首も授乳に適した状態になっていないことが大きな原因です。
まず、授乳時に安定した抱き方ができていないと、乳首に負担をかけて切れてしまうことがあります。初産で乳首が硬かったり、小さいまま吸わせてしまうと、無理に引っ張って切れてしまうことがあるのです。赤ちゃんが浅く加えて吸うことで傷ついてしまうこともあります。赤ちゃんを産んで数ヵ月はうまく母乳が作り出せなかったり、乳房にしこりができて痛むことがあります。しこりを改善させようと何度も授乳していると、乳首や乳輪に負担がかかってしまうのです。
また、赤ちゃんが意識的に噛むこともあります。原因は母乳の出が悪いとき、母乳の味が変化して美味しくないときなどです。赤ちゃんが抱っこや遊びを要求しているときに授乳しようとすると噛まれることがあります。その他、歯が生え始める時期に歯茎がかゆくて噛んでしまうことや、眠りに入るときに寝ぼけて噛んでしまうこともあります。
対処法
まず、クッションなどを使って、安定した抱き方をして授乳するように工夫します。授乳前にマッサージをして乳首を柔らかくすることも大切です。赤ちゃんに吸わせる時は乳輪まで深くくわえさせると乳首に負担がかかりません。残乳が多くなると母乳の味が変化することがあります。美味しくないと赤ちゃんがおっぱいを噛んで嫌がることがありますので、そういう時は一度搾乳してから与えます。
母親の食事内容で母乳の味は変化します。偏食を続けていると母乳の味が赤ちゃんの好みでないものになってしまうことがあります。なるべくバランスの良い食事を心がけるようにしましょう。赤ちゃんが歯茎がかゆくて何でも噛んでしまう時期は、歯がためを与えてかゆさを解消させてあげましょう。お腹が空いていないときに授乳すると噛まれることがありますので、お腹が空いているときに授乳するようにします。
それでもどうしても噛まれてしまうことがありますから、そういうときは赤ちゃんの口に指を差し込み、パッとこじ開けましょう。
傷ができてしまったら
乳首に傷ができてどうしても授乳が辛いときは、無理をせずに授乳を1〜2日休みましょう。その間は搾乳して、哺乳瓶で赤ちゃんに飲ませることもできます。傷が酷い時は病院(産婦人科・乳房外来など)で軟膏を処方してもらえます。傷口を清潔に保ち、軟膏を塗ってその上からラップで保護すると、回復が早くなります。痛みが取れたら、無理をせずに短めに授乳を再開して様子を見ましょう。トラブルが続くようなときは、乳房外来を受診して相談してみましょう。
【参考文献】
※『おっぱいの悩みを解決する100の方法』堤尚子、有明書院、2006年