この絵本は、フランス映画「赤い風船」のラモリス監督の原作をもとに、岸田衿子さんが文を書いています。この映画を是非絵本にしてみたいという、いわさきちひろさんの熱意によって、この絵本『あかい ふうせん』が作られたといいます。
パリに住む少年パスカルは、人間の言葉が分かる不思議な赤い風船を見つけます。赤い風船はどんなときもパスカルの後ろからずっとついて来ます。
「——そうか。きみはぼくのともだちなんだな。」
いわさきちひろさんの描くパリの情景に、赤い風船が鮮やかに映えます。
子供って、本当に風船が大好きですよね。物語を読み進めるうちに、子供の心に戻っていくようです。
難しいことを考えずに、子供の心に返って、ただストーリーを楽しんでみましょう。
※『あかい ふうせん』ラモリス・作、岸田衿子・文、いわさき ちひろ・絵、偕成社、1968年