乗り換えはお得という風潮
インターネットのプロバイダや携帯電話が顕著ですが、現在利用している会社から他社へ乗り換えると、キャッシュバックとタブレット端末のプレゼントを行っているというキャンペーンがあります。ちょっと面倒ですが、一年以上利用することを考えると、乗り換えた方が断然お得という答えに行き着いたりします。
これと同じように、自動車保険も「最大でこんなにお安く!まずはお見積もりください!」といった広告を目にし、ちょっと保険会社を乗り換えようか検討することがあります。しかし、自動車保険の乗り換えは少々注意が必要です。もしかすると、逆に損をすることがあるからです。
乗り換えるなら満期にあわせて
自動車保険には等級制度があります。1〜20等級まであり、全くの新規であれば6等級からスタートします。この等級の仕組みは全保険会社共通で、A社で15等級であれば、B社に乗り換えても同じく15等級で契約を継続することができます。ここだけ考えると「じゃあ、保険会社変えよう」と思ってしまいますが、等級は12ヶ月ではなく満期毎に一等級上がることを忘れないでください。
長期契約もありますが、一般向けの自動車保険は基本的に一年満期です。例えば、15等級で、A社の満期一ヶ月前にB社に乗り換えたとします。すると、A社であと一ヶ月継続していれば等級が16等級に上がっていたのに、B社では15等級で契約がスタートすることになり、16等級に上がるのはA社よりも十一ヶ月先になるのです。なんだか損をした気分ですよね?ですから、特段問題が無ければ、満期まで乗り換えは待ちましょう。
補償内容の違いをよくチェックすること
一時期は各保険会社ごとに個性的だった自動車保険も、良く言えば分かりやすくなりました。とはいえ、ちょっとした補償内容が保険会社によって異なる場合があります。特にケガに関する補償に顕著で、人身傷害保険の特約が保険会社によって異なることが多い傾向にあります。
人身傷害保険の特約で歩行中の事故も補償しますというものがあります。しかし、「交通事故全般も補償する」とする保険会社と、「相手が自動車だった場合の事故を補償する」とする保険会社があります。また、どちらか選べるという保険会社もあります。
自動車保険の特約で交通傷害保険をカバーしてる人は、別途、交通傷害保険を契約しなくてはなりません。ちょっとした違いかも知れませんが、人それぞれによって「知ってれば乗り換えなかった」という場合もあり得ますから、事前に補償内容を確認したり相談をしておきたいものです。
もしも乗り換える場合は早めの相談を
先述の通り、デメリットなく保険会社を乗り換える場合は満期に合わせるべきです。しかし、特に事故に遭った場合に多いのですが、「保険会社の対応にガッカリ」、「代理店が頼りなかった」という理由から、契約期間中に他社へ乗り換えるという人も少なくありません。
もし、そういった局面を迎えたら、感情的にならず、一度乗り換えを検討する保険会社へ相談するようにしましょう。というのも、保険会社によっては、「直近で事故に遭った人の契約は引き受けない」とする場合もあるからです。これでは梯子を外されたようなものです。
必ず、契約を引き受け可能か早めに確認し、併せて補償内容の相談も行うようにしましょう。
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<ライター:森村仁>