作者の須賀敦子さん(1929〜1998年)は随筆家、イタリア文学者として知られています。

この方のエッセイは上質で美しく、知的で気品にあふれています。この『トリエステの坂道』もそんなエッセイのひとつです。

『トリエステの坂道』は、亡き夫が「連れていく」と約束しながら果たせなかった思い出の地を夫の没後二十年を経てひとり訪ねるところから始まります。

イタリア人の夫を早くに亡くされて、その後長い間ひとりの孤独と向き合い、磨き上げられた心の強さが、須賀敦子さんにはあります。

人を見る洞察力の鋭さ、細やかな心の機微を表現する文章力は素晴らしいです。

決して感情的ではなく、淡々と書かれた文章なのですが、行間に水晶のような孤独が透けて見えるときがあって、はっとします。大切な人を亡くしたことがある人なら、共感できる部分も多いでしょう。

エッセイを通して、須賀敦子さんの人間性に触れて下さい。

※『トリエステの坂道』須賀敦子、白水社、2001年

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