「あいうえお」の本というといろんな種類の本が出版されていますが、この安野光雅さんの描いた平仮名と絵は芸術的でユーモアがあり、また美しいです。
例えば「あ」では「あんぱん」と「蟻」の絵が描かれ、よく見るとその絵の枠にもたくさんの動植物が描かれています。アヒル、アシカ、朝顔……。細かいタッチで描かれた枠の中から「あ」で始まるものをどれだけ探し出せるか。それが面白くて、つい夢中になってしまいます。
難しい名前の植物なども描かれていますので、大人でも苦労するほどです。分からないときは、本の最後に手引きが載っていますので参考にして下さい。
絵が美しいので、何度見ても飽きることがありません。子供と一緒に大人も楽しめる『あいうえおの本』。大切にしたくなる1冊です。
※『あいうえおの本』安野光雅、福音館書店、1976年