ハウスダストや花粉などで鼻粘膜が刺激されて起こる鼻炎をアレルギー性鼻炎といいます。
最近では、発症の低年齢化も進んで、子供のアレルギー性鼻炎も多く見られるようになりました。今回は、子供のアレルギー性鼻炎について、その対策と治療などについてご紹介します。
症状と原因
子供のアレルギー性鼻炎は、くしゃみ、鼻水、鼻づまりが三大症状です。風邪の初期症状と似ていて紛らわしいですが、他の風邪症状(熱・咳など)がないのに鼻水だけ続くような場合はアレルギー性鼻炎を疑いましょう。特に朝夕に症状が悪化する傾向があります。
子供のアレルギー性鼻炎の原因はハウスダスト・花粉が代表的なものです。ハウスダストとは、ダニの糞や死骸、カビやペットの毛などが含まれた室内のチリやほこりのことです。ハウスダストが原因ですので、ほぼ一年中症状に悩まされることになります。
花粉に対してアレルギー反応を起こすお子さんの場合は、その原因の植物の開花時期にアレルギー性鼻炎(花粉症)になります。花粉症の場合、眼や喉のかゆみ、目の充血や涙目などの症状も伴います。
対策
症状を悪化させないために取るべき対策は、原因となる物質を除去、回避することです。
ハウスダストが原因の場合、なるべく部屋を綺麗にするように心がけましょう。布団や毛布は干した後に掃除機をかけましょう。寝具を防ダニのものにする、ダニを通さないカバーをかけるなどの対策も取れます。床は畳よりフローリングの方がハウスダストを除去しやすいです。ソファなども布製は避け、カーペットも敷かない方が無難です。空気の乾燥も症状を悪化させる原因となりますので、加湿器などを利用しましょう(乾燥対策として、洗濯物を部屋干しするのも効果があります)。
一方、花粉症がアレルゲンの場合は花粉情報に注意し、飛散が多いときは外出をなるべく控える、花粉が室内に入らないように窓を閉めるなどの対策が必要です。布団や衣類も花粉が飛ぶ時期には屋外に干さないようにしましょう。
治療
小さなお子さんの場合、自分の症状をうまく伝えることができず、アレルギー性鼻炎を悪化させてしまうことがあります。乳幼児の場合、鼻が詰まることでミルクが飲めなくなったり、食事が取りにくくなったりするので大変です。
お子さんが鼻水をよく出していたり、鼻づまりが気になって鼻をいじっている様子が見られたら、早めに耳鼻咽喉科の医師に相談しましょう。
病院では問診があり、家族のアレルギー既往歴についても尋ねられます。アレルギー性鼻炎と診断された場合、皮膚反応検査や血液検査を行い、何に対してアレルギー反応を起こしているのか調べることになります。
子供のアレルギー性鼻炎に対して最もよく行われる治療法は薬物療法です。市販薬の多くは成人用のため、病院で子供に適した薬を処方してもらいましょう。点鼻薬が苦手なお子さんもいますので、徐々に慣れる練習をしましょう。
気を付けたいこと
鼻がつまって夜よく眠れない、鼻水が気になって授業に集中できないというのはつらい症状です。アレルギー性鼻炎は完治が難しい病気ですが、アレルゲンの除去に努め、継続的に治療していくことで症状の緩和はできます。
お子さんにはバランスの良い食事を与え、十分な睡眠が取れるように気を配りましょう。適度な運動も自律神経の働きを高め、症状を改善させます。
タバコの煙は症状の悪化につながります。周囲の大人はできるだけ禁煙に努めましょう。