高齢者の言動を見ていて、「どうしてこんな簡単なことができなくなってしまうんだろう?」と思うことはありませんか?
実は、誰しも高齢になるにつれ、身体的にも心理的にも、若いときにはないさまざまな変化が起こってくるのです。
あらゆる機能の衰え
身体的には、加齢により、心機能・血管機能・腎臓の排泄機能・呼吸機能・消化機能・神経機能・筋機能・視覚機能・聴覚機能・運動機能・性機能などに低下が見られます。これにより、病気や怪我をする確率が高くなります。
高齢者がかかりやすい特定疾病
高齢者がかかりやすい疾患としては、次の15の特定疾病が挙げられます。
- 脳血管障害
- パーキンソン病
- 慢性関節リウマチ
- 骨折を伴う骨粗鬆症
- 閉塞性動脈硬化症
- 認知症
- 糖尿病
- 脊髄小脳変性症
- 筋萎縮性側索硬化症
- 脊柱管狭窄症
- 後縦靭帯骨化症
- シャイ・ドレーガー症候群
- 早老症
- 変形性関節症
- 慢性閉塞性肺疾患
孤立感・不安・恐れ
心理面においても次のような変化が表れます。
- 記憶力の低下…遠い過去より最近の記憶のほうが衰える
- 心理的変化…内向的・自己防衛的になるため、抗うつ的になりやすい
- 行動の変化…不眠傾向になることで昼間に眠気が襲い、生活リズムが乱れやすい
このような内面の変化が訪れるのは、仕事を退職したことで自分の果たす役割が急減して孤立感をおぼえたり、病気や死に対する不安や恐れを抱いたりすることが原因といわれています。
こちらが理解するという心がけ
こうした高齢者とのコミュニケーションには、理解を求めるのではなく、こちらが理解するという心がけが大切です。そのためには、本人のペースに合わせる、わかりやすく話す、強く否定しないなど、心を閉ざさせない寄り添い方がポイントといえそうです。