高齢者のいる住居では、手すりひとつとってもその選び方が重要になります。特にリウマチ等で手指の巧緻性が十分でない場合は、通常の円形のものより、握らずに手や肘をのせてすべらせて移動できる平型のほうが適していることもあります。

まずは、手すりの種類からご説明します。

ハンドレール

廊下や階段に取り付ける手すりで、手を滑らせて使用。直径は32〜36mmと太めで安定感がある。

グラブバー

トイレや浴室での上下移動・移乗用に用いる手すりで、しっかりと握って使用するため、日本人の手の大きさから、直径は28〜32mmとやや細め。

横手すり

床面に対して水平に取り付ける手すりで、体が床面を移動するときに使う。その場合、受け金具は下から取り付ける。

縦手すり

床面に対して垂直に取り付ける。トイレや浴室など立ち座りに使用。

手すりの取り付け位置

手すりは、どこに設置するかによって使用するタイプが異なります。基本的にハンドレールは横手すりとなり、主に水平移動に使用しますが、グラブバーは縦手すりとなり、上下移動に使用するため、次の2パターンの取り付け位置を考えます。

横手すりの場合

下地(銅縁)が取り付け位置にない場合は、受材を下地材として取り付ける。特に階段の場合、すぐに手すりを設置しなくても将来取り付ける可能性があるなら、あらかじめ取り付けておくと便利。

縦手すりの場合

在来の木構造において縦手すりを設置する場合は、柱または間柱に設置するか、またはそこだけ構造用合板を入れて下地補強するという方法があるが、35〜52.5mmという間柱に、本来3本の木ネジでとめなければ強度的に効果のない手すり受け金具を2本しかとめられないというケースも多々あるため、設置する範囲に壁下地補強を行うほうがベター。その際は高齢者の身体変化に対応できるよう、広範囲にわたって補強する。

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