台風による土砂災害、高潮や津波、地震など、あらゆる災害は突然やってきます。乳幼児や、何らかのアレルギー疾患のある子供は、災害によってより大きな影響を受けやすくなります。
災害が来たときに慌てて準備しても間に合いません。子供のために必要な非常用品をチェックして、もしものときにすぐに持ち出せるようにしておきましょう。
乳幼児を守るために
家族の非常用品を準備する際、ミルクや哺乳瓶、オムツを忘れないようにしましょう。
離乳食は避難中は入手が難しくなります。レトルト食品で長く保存できるものを数日分は備蓄しておきましょう。子供が普段食べているお菓子も入れておくと安心です。
子供の成長は早く、衣服のサイズがどんどん大きくなります。避難用リュックに入れる子供の着替えは定期的に見直しましょう。
これまでかかった病気や受けた予防接種が記録されている親子健康手帳(母子手帳)も大切なものです。避難の際には忘れないように持っていきましょう。
アレルギー疾患がある子供の場合
近年、ますますアレルギー疾患のある子供が増えています。日本における0〜3歳の食物アレルギーの三大原因である食べ物は卵、牛乳、小麦です。多くの食品に使われている食材ですが、アレルギー疾患がある場合、非常時でもアレルゲンが含まれるものは食べられません。食べれば命にかかわることもあります。
アレルギー疾患があるお子さんの場合、非常食の備蓄がより重要になります。非常時にはアレルギー対応の食品が手に入りにくくなるからです。アレルゲンの含まれていない非常食を少なくとも数日分は備蓄しておきましょう。可能なら、普段の行動範囲(保育園や学校など)のあちこちに備えておきましょう。災害はいつ、どこで起こるか分かりません。
アレルギー疾患のための飲み薬、塗り薬、エピペン(自己注射薬)、おくすり手帳なども忘れないように準備し、すぐに持ち出せるようにしておきましょう。
小さいお子さんの場合は特に、避難中は誤食の危険が高まります。何に対してアレルギーがあるのか、分かりやすく書いて「たすき」を作り、子供肩に掛けておくのも一つの方法です。周囲の人が一目見て気づくので、間違って食べさせる危険が減ります。
救援の食料も可能な限り先に選ばせてもらうようにしましょう。炊き出しでも食べられない場合がありますから、個別の調理ができる場合は許可してもらいましょう。
平時にチェックしておきたいこと
非常用品をたくさん準備しても、いざというとき重すぎて持って歩けなかったら意味がありません。特に赤ちゃんや小さいお子さんがいる場合、避難の際は子供を抱いて歩くことになります(がれきで道がふさがれたら、車やベビーカーは使えない)。
例えば子供が二人いる場合、赤ちゃんを抱っこひもで前に抱き、避難用リュックを背負って、もう一人の子供の手を引いて避難所まで歩けるか、確認しておくことが大切です。無理なら、重い荷物を減らす必要があります。非常用品は厳選して、その他のものは自宅や車に分けて備蓄しておきましょう。
食料品や飲料水などには賞味期限があります。年に数回は中身を入れ替えて、新しく買い替えてゆきましょう。
【参考文献】
※熊本日日新聞平成25年11月12日総合版「命を救う台所減災」
※熊本日日新聞平成26年4月19日総合版「子どもを守る知恵、冊子に」
※熊本日日新聞平成26年9月21日総合版「これだけは知っておきたい!災害別 防災のマニュアル」