予防接種は年々制度が新しくなり、子供が受けるワクチンの種類も変わっていきます。

時には重い副作用の報告があることもあり、小さなお子さんがいる親御さんは常に最新情報に気を配っておく必要があります。

水ぼうそうが10月から定期接種に

幼児期にほとんどの人がかかる水ぼうそう。それを予防する水痘ワクチンはこれまで任意接種だったため、1回数千円〜無料(例えば8,000円など。自治体によっては助成がある)でした。それが2014年10月から定期接種になり、原則無料になります。

水ぼうそうは毎年100万人以上が感染していて、かゆみを伴う発疹が全身に現れます。患者のほとんどは9歳以下です。大半が軽症で10日ほどで治りますが、完全に治るまでは学校や保育園を休む必要があります。空気感染し、他の児童にうつるためです。

かかって免疫をつければ良いと考える方もいますが、水痘はかかると400人に一人は重症化し、重い合併症が起きることがあり、また年間で20人程度が死亡する病気です。

特に白血病などの持病のある子供には水痘は命取りとなります。本人は免疫不全でワクチンを接種できないため、周囲の子供がワクチンを接種して流行を防ぐしかありません。流行の阻止には9割程度の接種率が必要だとされていますが、これまで任意接種で有料だったため、3〜4割の接種率にとどまっていました。

ワクチンは1〜2歳までに2回接種します。これまでワクチンを受けていなかった子供への経過措置として、今年の10月から来年(平成27年)の3月まで、3歳〜5歳未満のお子さんが無料で予防接種を受けられることになしました。是非、この機会に受けていない方は水痘ワクチンの予防接種を受けましょう。なお、すでに水痘にかかったことがあるお子さんは対象外になります。

最新情報に注意を

子供の定期予防接種に用いられている小児用肺炎球菌ワクチンが、2013年11月1日から予防効果を高めた改良型に切り替えられました。従来のワクチンは90以上ある肺炎球菌のタイプ(血清型)のうち7種類に予防効果を発揮しましたが、改良型は13種類に対応しています。

このように子供が受けるワクチンが改良されたり、生ワクチンが不活化ワクチンに変更されたり、予防接種の種類はどんどん変わっていきます。どのように改良されたのか、変更点を理解して受けましょう。複数回接種する予防接種の途中で制度が新しくなり、ワクチンの種類が変わると混乱が起きやすくなります。その場合は医師にしっかりと相談して、誤接種が起きないように十分注意しましょう。

今回水痘ワクチンが定期接種となりましたが、厚労省は引き続きおたふくかぜ、B型肝炎、ロタウイルスの三ワクチン(現在は任意接種となっている)の扱いについても検討を進めています。今後の情報に気を配りましょう。

流行シーズンに注意

毎年10月1日から12月末頃までが、インフルエンザ予防接種の接種期間になります。1歳以上13歳未満は2回接種です。自治体によって自己負担額が異なりますので確認しましょう。

インフルエンザの流行のピークは1月から2月頃です。予防接種を受けると、インフルエンザにかかる可能性を減らし、発症しても重い症状になるのを防ぎます。ただし、ワクチンが十分な効果を維持する期間は接種後約2週間後から約5か月間とされています。流行シーズン前の12月中旬までには接種しておきたいものです。

また、おたふくかぜは現在任意接種で有料ですが、かかると合併症が出て重症化することがあります。かかりやすいのは主に4歳から小学校中学年くらいまでです。保育園や小学校などの集団生活に入る前にワクチンを接種しておくと良いでしょう。

【参考サイト】
※熊本日日新聞平成25年12月25日総合版「水ぼうそう 定期接種に」
※熊本日日新聞平成26年7月18日総合版「水ぼうそう あまく見ないで」
※熊本日日新聞平成26年6月11日総合版「B型肝炎 母子対策だけでは不十分」

【参考サイト】
「厚生労働省 予防接種情報」

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