照明選びに関してはさまざまな点を考慮しなければなりません。
つい健常者の立場で考えてしまいがちですが、高齢者の視力低下に配慮した選び方をすることが大切です。
照明器具を選ぶ基準と工夫
照明器具は、掃除や電球の交換などのメンテナンスが安全かつ簡単にできるものを選びます。長寿命のものや、カバーを外さずに電球を交換できるものを選んだり、器具の位置を取り替えやすい高さに設置したりと、工夫の余地はたくさんあります。
必要な照度
照度はできる限りJIS照度基準の中間地の2倍程度の照度を確保できるようにします。
非居室
玄関:200lx
廊下:100lx
階段:100lx
収納:70lx
居室
寝室:40lx(読書時は1000lx)
居間:100lx
食堂:150lx(食卓は700lx)
水廻り
台所:150lx(調理台・流し台は700lx)
洗面・脱衣室:200lx(化粧・髭剃り時は700lx)
洗濯:450lx
便所:150lx
浴室:200lx
外部専用部
バルコニー:100lx
便利な照明装置
最近では、明るさ調節と省エネ対策に便利な装置もたくさんあります。
調光機能付きスイッチ
照明器具の明るさを無断階に調整できるスイッチ。
人感スイッチ
人の気配でセンサーが感知し、点灯・消灯を自動的に行うスイッチ。
明るさ感知式スイッチ
周囲の明るさに反応し自動的に点灯・消灯を行う照明装置。
シェード付き照明器具
直接目に光が入らないように、発光部を隠すためのカバーがついた照明。
足元灯・ダウンライト
足元が暗くならないように設置する補助的な照明装置。
スイッチの設置条件
なお、スイッチは通常床仕上げ面から900〜1,200mm(中心)の位置に設置しますが、高齢者の場合は、
- 使いやすい高さに合わせる
- 形状はなるべく大型にする
- 明かり付きスイッチにする
- 1箇所に4個以上設置しない
の4点を条件に設置しましょう。