最近耳にする機会が増えつつある「福祉整理」とは、整理収納作業の一つで、家宅内の物品を所有者等に代わって整理・回収・廃棄または家宅内を清掃する作業のことをいい、「生前整理」「福祉住環境整理」と称する場合もあります。
では、この福祉整理には具体的にどんなニーズがあるのでしょうか?
福祉整理の概要
福祉整理は、認知症や入院、体力や気力の老化により自分で整理整頓ができなくなった所有者等に代わって行われるものです。したがって、本人からの依頼は稀で、親族・近隣住民・生活支援相談員・民生委員からの依頼が多いといわれています。
具体的な依頼内容の一例
具体的な依頼内容としては、
- 認知症などによりゴミ屋敷になってしまった部屋の整理をしてほしい。
- 害虫(ネズミ・ゴキブリ等)の駆除をしてほしい。
- 汚物(糞尿等)で汚れた部屋の清掃をしてほしい。
- デイサービスや病院に行っている間など少しの時間で掃除をしてほしい。
- 不用品の整理・撤去をしてほしい。
- ヘルパーさんでは手に負えないゴミの処分をしてほしい。
- 部屋の消臭・消毒をしてほしい。
- 施設入居に伴う引越しと家財道具の撤去をしてほしい。
などが多いようです。
「片付けられない」理由とは?
この「片付けられない」という背景には、
- 認知症でゴミと認識できない。
- 身体能力が低下し、重いものが持てない。
- 複雑なゴミの分別ができない。
など、加齢に伴う症状からくるケースが多く、必ずしも個々の性格によるものとは限りません。
遺品整理とはどう違う?
福祉整理は遺品整理と混同されがちですが、遺品整理が所有者等の死後に行われるのに対し、福祉整理は本人の生前に福祉目的で作業を行うことを目的としているという部分が相違点といえます。