認知症の人にとって、新しい環境への適応はとても難しいことですので、家具の配置や間取りを安易に変えると混乱を招きます。
したがって、一般的な安全対策としてはまず、段差解消、手すりの設置、滑り止め、足元灯の設置などの対処が必要になります。
これらには、同時に転倒による骨折などを防止できるという利点もあります。
注意すべき主な3つの行動とは?
ただし、認知症が進行すると、主に失禁・徘徊・火の扱いという3つの行動が大きな問題になってきます。これらを未然に、または最小限に食い止めるためにも、次のような万全の対策が欠かせません。
失禁対策
臀部や床を簡単に洗えるようにするために、次のような工夫をしましょう。
- トイレ内にシャワーを設置。
- 拭き取りやすくするため、居間などの床をフローリングにする。
- トイレまでの距離を短くする。
- トイレに介助スペースを確保する。
徘徊対策
ちょっと目を離すともういない、そんな介助者の不安を少しでも取り除くためにはどうしたらよいのでしょうか。
- 設置した手すりによって誘導させるようにする。
- 介助者が家事をしながら本人が視野に入るような間取り・構造にする。
- どうしても監視できないときは、出入口に鍵をかける。
- 外出が自由にできるときは、玄関や出口に人感センサーをつけたり、本人に無断外出防止装置の受信機をつけたりする。
火の不始末予防
ガスコンロの火の消し忘れや、アイロンのスイッチの切り忘れなどがよくある失敗例です。
- ガス漏れ警報機を設置。
- 煙感知器を設置。
- 自動消火装置(ホームスプリンクラー)を設置。
新しい道具は使いこなせない
ちなみに、火の出ない電磁調理器に取り替えるほうが安全ではありますが、新しい道具を使いこなすことは困難なのでやめておきましょう。