一戸建てに必要な収納面積は、床面積の15パーセントといわれていますが、ある住宅専門誌が読者に、家における不満をアンケートしたところ、「収納スペースの不足」を挙げた人が大半だったそうです。
日本には押入れという世界でも稀な広い収納スペースがあるのに、なぜまだ不足を感じるのでしょうか?
海外での泊まり客への寝具の提供のしかたとは?
押入れをもってしてもなお収納スペースが足りないと思わせる原因の一つには、客用布団の存在があります。
海外の場合、収納スペースや部屋数の少ない住居では、ゲストルームを持てないことへの対策として、客用の枕や毛布などの寝具は主寝室のある2階に置き、終電に乗り遅れたり酔いつぶれたりした親しい客には、スリーピングバッグで寝てもらうか、毛布と枕を渡してソファで寝てもらうのが一般的なので、基本的には客用のマットレスも敷布団も不要です。親を招く場合も、主寝室に両親を寝かせ、住人はソファや床にスリーピングバッグで寝ます。
はたして客用布団は本当に必要か?
これを考えると、日本でも、収納スペースや部屋数の不足が悩みの種になっている家庭であえて客用布団を持つ必要があるのだろうかという気がしてきませんか?終電の乗り遅れや酔いつぶれでほんの数時間横になっていくだけなら、枕と毛布程度を用意すれば特に問題はないし、家を出た家族が帰省する場合でも、寝具は可能な限り持参してもらい、必要なら自分たちのベッドを客に提供すればいいのです。
まずは意義から考えてみよう
このように、収納の点では、いつ泊まりに来るかも分からないゲストのための客用布団に貴重なスペースを占領させておくのはナンセンスなことなのです。収納スペースがないとお嘆きの方は、まず客用布団を置く意義について考えてみてはいかがでしょうか。