赤ちゃんは本当によく吐きます。初めてのお子さんを育てる際、赤ちゃんの嘔吐にびっくりして心配するお母さんも多いでしょう。

だいたいは問題ない嘔吐(溢乳)ですが、中には病気が隠れていることもあります。心配な嘔吐はどんな症状か、判断できるようになりましょう。

赤ちゃんはもともと吐きやすい

赤ちゃんは健康なときでも授乳後によく吐きます。赤ちゃんの胃は大人と違ってまっすぐで、入口がしっかり締まっていないため、ちょっとした刺激でもすぐに吐いてしまうのです。
例えばちょっと咳き込んだとき、ミルクを飲みすぎたとき、大泣きしたときなどに吐きます。ゲップした勢いで吐いたり、授乳後に抱っこしてお腹が圧迫されただけでも吐いてしまうことがあります。
このような嘔吐は生理的なものなので心配ありません。多少吐いても赤ちゃんの機嫌が良く、1日30グラムほど体重が増えていれば問題ありません。生後3ヶ月まではこのような嘔吐が頻繁にありますが、成長とともにだんだん落ち着いてきます。
対処法としては、クッションや畳んだタオルなどを使って、赤ちゃんの上体を起こし気味に寝かせると良いでしょう。授乳後はすぐに寝かせず、しばらく縦抱きにして様子を見ると落ち着きます。また、バウンサーなどを使うと、上体が斜めに起きるので吐きにくくなります。

こんなときは病院へ

吐く様子がいつもと違うときは、何か病気が隠れているかもしれません。
例えば繰り返し吐いてぐったりしているとき、噴水のように大量に吐いたとき、嘔吐だけでなく熱や下痢などの症状があるときなど、何かおかしいと感じたら病院へ連れて行きましょう。頭や体を強く打った後に急に吐いたりしたら至急病院です。
嘔吐で考えられる病気には、風邪、急性胃腸炎、食中毒、髄膜炎、気管支炎や百日咳などが考えられます。
この他、胃に入ったものが逆流する病気(先天性肥厚性幽門狭窄症や噴門弛緩症)もあります。体重が増えないほどミルクを吐き出す場合は、早めに小児科に相談しましょう。

自宅でできる嘔吐のケア

赤ちゃんの嘔吐が続くような場合は、赤ちゃんを仰向けに寝かせることはやめ、顔を横向きに寝かせて下さい。吐いた物をのどに詰まらせない姿勢にすることが大切です。棒状に丸めたバスタオルを赤ちゃんの背中の後ろに当てると、横向きの姿勢をキープできます。
嘔吐が続くときは脱ぎ着しやすい服を着せ、嘔吐したら汚れたものはすぐに取り替えます。布団の上にバスタオルを敷いたり、おねしょシーツなどを敷いておくと交換が楽です。
吐瀉物の匂いが残っていると、また吐き気がぶり返します。口はうがいさせたり、それができない場合は濡らしたガーゼなどで拭いてあげましょう。

吐くと、体の水分が失われます。こまめな水分補給に努めましょう。急にたくさん飲ませると吐きやすいので、吐き気が落ち着いたのを見計らって何回にも分けて少しずつ飲ませるようにします。
脱水症状のときは塩分も不足していますので、経口補水液(オーエスワン)がおすすめです。吐き気がひどくないなら、スポーツドリンクやイオン飲料でも大丈夫でしょう。牛乳やジュースは吐き気を誘うことがあるのでやめましょう。
脱水症状が心配なときは、赤ちゃんのおむつをチェックして、オシッコの回数や量を確認しましょう。午後になって朝から一回もオシッコをしていない場合は要注意です。
何度も吐いて水分も飲めないときは、夜中でも病院へ連れて行きましょう。

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