いまや収納ケースもさまざまな形状のものが多く出回っていますが、実は、引出し型の箱またはケースに対し、フタを上に開けるタイプのものは、収納にはあまり向いていません。
今回は、その理由をご説明したいと思います。
上開け式の「ココがめんどくさい!」
上開け式のものはスペースを贅沢に奪います。
まず、フタを上にあげている間、モノによってはそのフタが落ちてこないように、片手で持ち上げておかなければなりません。そして、仮にバネ仕掛けで自動的にフタが閉まるようになっていても、これも常に片手で押さえ、残る片手で作業をしなければなりません。さらに、その両手が使えないときは、頭でフタをこじ開けていなければなりません。
おまけに、こういう上開け式のフタのものは、持ち運び可能のものならまだしも、整理ダンスやテーブルの上に常設して置く場合、フタの上に何も置くことができなくなってしまいます。
置く位置も限られる!
また、上開け式だと、中身を一覧式に見るためには、それを置く場所も、ちょうど胸より上くらいの高さに限られてしまいます。足元に置いては上部のスペースがムダになるし、目線より上に置けば中身がよく見えないからです。
贈答品に上開け式容器が多い理由とは?
以上が上開け式収納のデメリットなのですが、一方でこれを裏返せば、まことに上品で優雅な収納方法ともいえます。
上質・上品を売りにするクッキー・チョコレート・紅茶・コーヒーなどの贈答品にこの上開け式の容器が多いのは、開けたときの一瞬のパノラマ的な華麗さが相手へのメッセージになるからです。
だからこそ、この上開け式タイプは儀式用には効果的でも、その後の実用的な場面での応用がきかないのです。