「書類ファイルなどでお皿を立てて食器棚に入れると収納力がアップする」とさまざまなメディアで紹介されて久しい昨今ですが、はたして本当にそうなのでしょうか。
使い勝手は…?
このアイデアは、一見なるほどと合点がいき、早速実行したくなる収納術ではありますが、実際にやってみると、使い心地は正直あまりよくありません。1枚ずつしか取り出せないし、少し深めのスープ皿などはスッと出てきません。また、皿どうしがぶつかって、欠けはしないかと気になります。お皿とお皿の間に厚紙でも挟めばいいのでしょうが、これも面倒ですよね。
「立てる収納=省スペース」は思い込み!?
こうしてわざわざ立てるための容器を買うのなら、棚板を1枚増やすのも手間は同じです。
実際、3種類の皿それぞれ12枚ずつを、幅68cm、高さ30cmの同じ食器棚に入れ、「立てて収納」と「棚収納」とでお皿の収納量を比較すると、棚収納のほうには、もう数枚のお皿を重ねられる余裕ができるのだそうです。
つまり、「立てる収納=省スペース」は錯覚だったのです。
棚収納のほうが出し入れの手間も少ない!?
しかも、お皿をボックスファイルに入れている場合は、①扉を開く、②ボックスを引く、の2回の手間がかかりますが、棚なら、①の扉を開く動作だけで必要枚数が取り出せます。
我が家の状況と使用頻度で選ぼう
といっても、もちろんこのアイデアを否定するわけではなく、すべての収納アイデアが必ずしもどの家庭にも適しているわけではないということです。いいアイデアだと思っても鵜呑みにせず、たとえば、「よく使うお皿には不便だけど、あまり使わないお皿なら隅に立てておいてもいいかも」など、使うときをイメージして、使用頻度に合う収納方法を選ぶようにするのが何よりのコツなのです。