国は2015年度から産後ケア事業費の半分を補助し、2017年には「産後ケア事業ガイドライン」を公表しました。

今、求められている「産後ケア」とはどういうものなのでしょうか。
これからの課題について考えます。

産後ケア事業とは?

国が公表したガイドラインを見ると、産後ケア事業の対象になるのは「家族等から十分な育児等の援助が受けられない産婦及びその子で、心身の不調又は育児不安がある者、その他支援が必要と認められる者」とあります。目安は出産直後から4ヶ月頃までの時期です。

核家族化により祖父母や親族の援助が望めなかったり、何らかの事情で孤立して助けが必要な母親を支援することが目的です。

事業実施担当者は助産師、保健師、看護婦などで、その他、保育士や管理栄養士、研修を受講した子育て経験者なども参加する予定です。実施場所は病院や助産所、保健センターなどで、自宅訪問の形でサービスを受けることもできます。

主な産後ケアの内容は以下の通りです。

  1. 母親の身体的ケア及び保健指導、栄養指導
  2. 母親の心理的ケア
  3. 適切な授乳が実施できるためのケア(乳房ケア含む。)
  4. 育児の手技についての具体的な指導及び相談
  5. 生活の相談、支援

どんな「産後ケア」が行われている?

では実際に、現在行われている産後ケア事業の例を見てみましょう。

  1. ショートステイ 合計7日以内 母子の利用で1泊2日4,000円
  2. デイケア    3回まで   3時間1,200円
  3. 訪問ケア    2回まで   2時間1,000円

ショートステイとデイケアは産婦人科医院で行われます。利用料の他に食事代やオムツ代、交通費などは実費負担となっています。内容は赤ちゃんの育児相談や沐浴・授乳などの育児指導、赤ちゃんの健康チェック、母親の心と体のケア、乳房マッサージ、産後の生活へのアドバイスなどです。

特に初めての出産では分からないことばかりで、出産後大きな不安や悩みを抱え込む産婦がたくさんいます。中でも母乳に関する悩みが多く、母乳がなかなか出ない、乳房が痛くて熱が出たと思ったら乳腺炎だったなど、トラブルが多発します。乳房の定期的なマッサージや食事指導などで母乳育児がスムーズにいくようになると、心に余裕が生まれます。

また、慣れない育児やストレス、体調不良で産後うつになる人がたくさんいるといわれます。そんな産婦には、育児から解放される時間が必要です。母子で宿泊し、夜は助産師や看護婦が赤ちゃんを預かってくれるショートステイがおすすめです。産婦は赤ちゃんの夜泣きに悩まされることなく、ゆっくり体を休めてリフレッシュすることができます。

これからの課題

産後うつや虐待を防ぐためにも、「産後ケア」は重要です。しかし現在、産後ケア事業を実施している市区町村は全国で26%(2018年1月)にとどまっています。利用しようと思っても、実施施設が少ないのが課題です。

民間の助産院などで独自に産後ケアを行う施設は少しずつ増えていますが、産後ケア事業を実施していない自治体では利用料への助成がなく、料金が高くなってしまいます。例えば乳房管理と在室3時間で5,000円、食事付き産後ケア日帰り1万2000円、1泊2万5,000円などです。経済的に余裕がなければ、気軽に利用できる料金ではありません。

それでも、自治体によっては「産後ケア」の費用を半額助成したり、4分の3助成するなど、新しい制度ができる動きがあります。今後、「産後ケア」の必要性を理解し、支援する自治体がますます増えることが望まれます。

参考文献
※熊本日日新聞2015年年6月11日 「産後ケア」で悩み軽く
※熊本日日新聞2018年8月5日「産後ケア 実施は26%」
産前・産後サポート事業ガイドライン 産後ケア事業ガイドライン
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