現在、日本では子供の貧困率が年々上昇し、問題になっています。政府は、貧しい家庭の子供の教育や生活を支援するために、子供の貧困対策を進める方針です。今回は、2016年度に新しく追加される支援や制度などについてご紹介します。

子供の貧困率

子供の貧困率とは、平均的な所得の半分を下回る世帯で暮らす18歳未満の子供の割合のことです。1985年には10.9%だった子供の貧困率は、2012年には16.3%にまで上昇しました。子供の6人に1人が貧困状態にあることになります。

特に、ひとり親世帯の貧困率は、父子家庭を含めても54.6%と、非常に高くなっています。母子家庭で働いている母親の4割以上が非正規就業であり、仕事を掛け持ちしている人も少なくありません。

母子世帯は2010年から2012年にかけて約11万人増え、それに伴って子供の貧困率も上昇しました。シングルマザーは子育てをしながら求職する困難をかかえ、勤務時間の制約が厳しい側面があります。

児童手当・児童扶養手当

所得制限はありますが、子供が生まれると中学校卒業まで「児童手当」が受給できます。0〜3歳未満は月額1万5千円、3歳〜中学生までは月額1万円です(ただし、第3子以降は12歳まで月額1万5千円、中学生は1万円)。

ひとり親世帯には「児童扶養手当」があり、こちらは18歳到達年度の3月末まで受給できます。今回、ひとり親支援として、「児童扶養手当」で子供が2人以上いる場合の加算額が2倍に引き上げられることになりました(2016年8月から)。第2子は現行の5千円から最大1万円に、第3子以降は3千円から最大6千円になります。

幼児教育の無償化拡大

子育て支援策として、低所得世帯の保育料の引き下げ・無償化が拡大されます。

2016年度から、幼稚園・保育園ともに年収360万円未満の世帯の、2人目の子供の保育料が半額、3人目以降が無料になります。これまでは1人目の子供と2人目の子供の年齢が離れていると、2人目が半額にならないことがありましたが、今回の制度変更で1人目の年齢制限がなくなりました。兄弟姉妹の年齢が離れていても、一律で2人目の保育料は半額、3人目は無料になります。

ひとり親世帯では年収270万円未満の場合、子供の1人目と2人目の幼稚園保育料が無料になります。また、ひとり親世帯で年収360万円未満なら、1人目の幼稚園保育料が半額、2人目が無料となります。保育園の場合でも、ひとり親世帯で年収360万円未満なら1人目を半額、2人目を無料とする方針です。

現在、幼稚園や保育園では「子ども・子育て支援新制度」が始まり、保育料がこれまでと大きく変わるところがあります。公立幼稚園では定額だったものが所得に応じて保育料を支払う形に変わったり、変化も激しく、正直分かりにくい面もあります。新制度と無償化拡大によって自分たちの保育料がどう変わるのか確認が必要です。

今後の政策に注目

政府はひとり親支援として、看護師などの資格取得を目指すひとり親が70万円まで借りられる制度をスタートさせます(5年間働けば返済免除)。その他、無利子の奨学金制度や、低所得世帯の高校生向け奨学給付金制度を充実させる方針です。また、困窮世帯の子供を対象に学習支援事業を実施していくとしています。

まだまだ子育て支援の政策は十分ではありませんが、子供の貧困は大きな問題です。今後の政策に注目していきましょう。

【参考文献】
※熊本日日新聞平成26年8月総合版「子供の貧困 学校拠点に支援体制」
※熊本日日新聞平成27年12月22日総合版「第3子無料 年齢制限撤廃」
※熊本日日新聞平成27年12月25日総合版「育児、介護と仕事両立支援と言うけれど…」
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