新潮社から昭和42年に発行され、平成16年に73刷されているところからも分かるように、長い間多くの人に読まれているロングセラー本です。
女性が満たされて生きるためにはどうすれば良いのか。著者が離島に滞在した期間、女性の幸せについて考えたことが、静かな口調で語られています。
子供や男性、その他生活の諸々のことに追われて忙しく生きる中、自分を見失わないで生きるためにはどうすれば良いのか?
アン・リンドバーグは言います。「一人になること」だと。
一週間のうちに一日だけでも、一日のうちに一時間だけでも、一人でいる時間を意識して作り、自分の内部に注意を向けることが大切だと彼女は言います。
「或る種の力は、我々が一人でいる時だけにしか湧いてこないもの」であって、「女にとっては、自分というものの本質を再び見出すために一人になる必要がある」と。
何十年も昔に書かれた本ですが、現代を生きる女性にこそ、読んでもらいたい本です。
『海からの贈物』アン・モロウ・リンドバーグ、吉田健一訳、新潮社、昭和42年