「PTA活動」と聞くと、子供の入学と同時に半ば強制的に加入させられるなど、マイナスイメージを持つ保護者が多いようです。
以前は専業主婦を中心に活動が行われてきたPTAですが、近年は共働きの増加とともに活動内容の見直しが求められています。
PTA活動とは?
日本でPTAが誕生したのは戦後からです。PTAは保護者達の自立的な組織によって運営される団体とされています。
活動内容は地域や学校によって大きく異なります。例を挙げると次のようなものがあります。
- 学校行事の運営を手伝う(運動会・文化祭など)
- 学校の広報誌の作成
- 登下校の安全パトロール
- ベルマーク収集
- 学級長
- 執行部(会長・副会長・会計・書記)
- 地域住民との交流企画
- 美化作業
- バザー企画
ここに挙げたもの以外にも、その地域や学校固有の委員が色々ありますので、他校から転入してくると戸惑うことも多いようです。
今後の課題
本来PTAは「任意参加」のはずですが、実際は子供の入学と同時に強制的に加入させられることが多く、やりたくなくてもやらなくてはいけないことが問題となっています。
実際、PTA活動を希望する人より、「できればやりたくない」と考えている保護者が多いのが現状であり、役員決めが推薦でも決まらず、くじ引きになることも珍しくありません。
学校によっては免除申請ができるところもあります。例えば「3歳以下の子供がいる」、「保護者が闘病中である」、「家族を看護中である」、「シングルペアレントである」などの理由があればPTA役員を免除される学校もあるようです。
しかし、上記のような事情がなくても、近年は共働きの増加とともに、昔のように主婦を前提とした平日の活動は難しくなっています。いまだに女性に偏った参加が続いている学校も多く、改善が求められています。
地域によっては役員以外の協力が乏しく、保護者同士で不公平感が増して人間関係がギクシャクすることもあるようです。
PTA活動と「おやじの会」
問題が山積のPTA活動ですが、PTA活動とは別に、2000年代から各地で「おやじの会」という団体が増えています。地域の児童の父親が集まり、学校行事を手伝ったりイベントを企画したりするもので、PTAと違って「やりたい人がやる」自主的な活動です。
2003年には「全国おやじサミット」が始まり、現在では各地に「おやじの会」が4000団体以上あるそうです。
例えば東京都の小金井第三小学校では2008年にPTA傘下のボランティア団体「おやじの会」がスタートしました。活動内容は主に週末、学校でのお泊り会やチャンバラ、水鉄砲合戦など、父親たちと子供たちが楽しむ企画を考えています。
参加した父親からは「地域の子供の名前と顔がよく分かるのが嬉しい」「子供たちに、先生と親以外の大人を知ってほしい」「活動を通して自分が成長できる」など、ポジティブな声が挙がっています。本来、PTA活動もそうあるべきでしょう。
近年、PTA活動も強制参加ではなく、「できるときに、できる人が、できることをやる」形にしてはどうかという意見が出ています。実際、委員制を撤廃して自主参加のボランティア制を取り入れる学校も出てきています。
また、共働き世帯が参加しやすいように、PTA役員が集まるのを週末や夕方以降にしたり、可能なものは自宅作業を認めるなど、皆が参加しやすい方法へ変えようという動きも見られるようになりました。
今後も、保護者と学校で話し合いながら、その地域、その学校に適したPTAの在り方を模索していかなければなりません。