あなたは、片付けや整理収納が得意ですか?あるいは苦手ですか?
もしも片付けられない人は、根本的な原因を解決するために、整理・収納の資格を持ち、片付けに関する体系的なノウハウを身につけたアドバイザーに相談してみると良いかもしれません。
片付けや整理・収納関連の資格には、例えば、整理収納アドバイザー,ライフオーガナイザー,住空間収納プランナーなどがあります。
資格に挑戦してみるのもオススメです。
片付けが好きで整理収納が得意な人は、その腕を活かして資格を取得し、片付けの悩みを解決するプロとして活動できるかもしれません!
また、片付けの苦手な人が勉強のために資格講座を受講するのも良いでしょう。
自分の家を片付けて、今後の人生を快適な部屋で過ごすために、資格を取得するという考え方です。片付けられないという汚名を返上しましょう。
そしてもしこのような人がプロになれば、自らの経験を踏まえて、片付けられない人の心に寄り添ったアドバイスができるでしょう。
ところで、片付けの資格と一言でいっても、最近では本当に様々な資格があります。
それぞれの認定資格で、学べる内容や身につくスキル、講座の特徴や必要な料金、片付けに対するアプローチや資格取得後に進むキャリアが違っています。
この記事は、片付けや整理・収納の資格についてまとめたものです。
(2013年11月時点で調べた内容を元に作成しています。)
片付けブームの到来?
日本はいま、片付けブームが起こっています。
近藤真理恵さんの「ときめきの片付け術」や、やましたひでこさんの「断捨離」など、ブームを巻き起こすキーワードも席巻しています。
そして、バラエティー番組などで「片づけられない女」というと、大きな欠点として見られてしまうようです。特に女性で「片付けが苦手・嫌い」というのは、できれば隠しておきたい事となっています。
ではなぜ、これほどまでに「片付け」が注目されるようになったのでしょうか?
片付けられない理由
「片付け」が注目されるようになった背景には、「片付けたい」と思っているけれど「片付けられない」人が増加してきているという点にあります。
片付けが苦手な人は、下記のような状況を経験したことがあると思います。
- モノがグチャグチャで、どう片付けていいのか分からない
- 片付けてもすぐにリバウンドしてしまう
- 収納スペースがないせいで、ものが溢れてしまう
- 探し物がどこにあるのか分からない
どうして片付けられないのでしょうか?
世の中にモノが増えすぎた
まず根本的な理由として、モノが増えすぎたからだと考えられます。
モノ不足の時代は遠い昔の思い出となり、いまやモノで溢れています。 100円ショップに行けば、ほとんどの生活用品が入手できます。
使い捨てのモノも増え、ゴミ問題は世界各国の悩みの種です。
昔に比べると、お店が増え、郊外には巨大ショッピングモールがあり、田舎でもインターネットでモノが簡単に手に入るようになりました。
モノが増えることで、便利で豊かな生活にはなりましたが、それを片付けて整理整頓しなければ、部屋はムダなモノであふれかえってしまいます。便利なモノでも、使わなければゴミ同然です。
家の中の収納スペースには限界がありますので、それ以上のモノがあれば当然汚部屋にもなることでしょう。
単純な話、モノが少なければ片付けはラクです。
部屋に10個のモノしかなければ簡単に片付けられるでしょう。しかし100個や200個のモノがあると片付けも大変です。片付けの苦手な人が、自分で片付けられる範囲をオーバーしてしまい、片付けられなくなっても仕方ありません。
片付けは面倒くさい
次に考えられるのは、片付けは面倒だからです。
小学生の頃、算数の宿題が全く分からなくて結局、途中で解くのをやめてしまったという経験があると思います。
問題の解き方が分かっていたのならば、少し時間がかかったとしても最後までやり遂げることはできます。しかし、全くやり方が分からないのに問題とにらめっこしていてもやる気がなくなってしまい、途中でやめてしまうのです。
片付けもこれと同じことが言えます。
最初にやり方さえ分かっていれば、部屋をキレイにすることができます。
しかし、その方法が分からなければ、自分が所有しているモノが多過ぎて、見ているだけで面倒になってしまい、結局そのままモノが増え続けるという悪循環が起こってしまうのです。
「片付け」を極めたスペシャリストの誕生
最近では『人生がときめく片づけの魔法』という本がブームになりました。
これはドラマ化もされたぐらいですから、とても関心を集めたのではないでしょうか。
それ以前にも『断捨離』という片付けの本が注目を浴びました。
他にも、「かたづけ士」小松易さんの『たった1分で人生が変わる 片づけの習慣』、古くは辰巳渚さんの『「捨てる!」技術』など、片付け本はベストセラーの常連です。
ですが、「片付け本」以外にも注目を浴びているものがあります。
それは、整理収納アドバイザーやライフオーガナイザー、住空間収納プランナーといった認定資格と、それら資格に合格した片付け・整理・収納のプロ達の存在です。
彼・彼女らは、片付けの理論と実践を基礎から体系的に学び、ノウハウとスキルを習得した、いわば「片付け」を極めたスペシャリストといえます。
これら「片付け」を極めたスペシャリストが数多く生まれた背景には、やはり「片付けの方法が分からない」と悩んでいる人が多いことがあげられるでしょう。
勉強は勉強のスペシャリストである学校の先生や塾の講師・家庭教師に、その勉強法を教えてもらいます。
「片付け」のスペシャリストが誕生したことで、誰でも気軽に簡単な方法を教えてもらえるようになったということです。
なぜ、整理・収納の資格取得者が増えているの?
片付けブームが到来してから、片付けや収納・整理に関する様々な資格が生まれ、それらの資格を取る人が急増しています。
「資格」の多くは、仕事や就職で必要だから取得するというイメージがあります。
しかし、収納・整理・片付けの資格を取る人の場合、以前まで片付けが苦手だった人も多く、「片付けが苦手だから、どうにかして治したい」という思いがきっかけとなって、資格を取得する人が増えているのです。
講座の中で、片付かない原因や問題点を見つけ出し、モノとの関わり方から見直すことで、根本から問題を解決していきます。
知識と実践力を基礎から体系的にしっかりと学び、習得していくのです。
資格を取得するということは、つまり「片付けのプロフェッショナル」になるということです。
自らの問題を克服した片付けのプロフェッショナル達は、次の「片付けられない人の手助けを行っていく」という新しい使命を見出すこともできるのです。
資格の活用方法
片付け・整理・収納の資格は、家庭や職場でそのノウハウを活かすことができます。
家庭で活かす
片付けや整理収納の資格は、特に何かと忙しい主婦の方が多く取得されているようです。
資格を取得すると、自分が一番使いやすいように収納するので、時間が短縮され、生活にも余裕が持てるようになります。
居住空間と生活動線が改善され、暮らしやすい環境にできるからです。
例えば、お子様のいる家庭では、毎日が片付けの連続です。
家事と育児を両立してソツなくこなせるように、片付けや整理・収納のスキルが力を発揮してくれます。
仕事で活かす
また、仕事として活かしていくこともできます。
ベストセラーになった「トヨタの片づけ」や「ディズニーの片づけ」など、ビジネス書の中にも片付けを取り扱った本があります。
整理術や整理手帳も、ビジネスマンに人気です。
片付けや整理が、仕事の中でいかに大事かということの表れでしょう。
高度成長を成し遂げた日本の製造業・サービス業では、5Sというスローガンがあります。「整理・整頓・清掃・清潔・躾」です。
ここで最初に出てくる「整理」はいらないものを捨てること、「整頓」は決められた物を決められた場所に置き、いつでも取り出せる状態にしておくことです。
(ちなみに、「清掃」は常に掃除をして、職場を清潔に保つこと、「清潔」は先の整理・整頓・清掃を維持すること、「躾」は決められたルール・手順を正しく守る習慣をつけることです。)
「仕事を片付ける」という言葉がありますが、物事を整理し、順に作業を進めていき、ToDoを処理して無くしていくことは、まさしく片付け力が必要となるのです。
まずは自分に活かす
よく「資格を取ったけど役に立っていない」という話を耳にします。これは主に、その資格が活用できる仕事に就けなかったことが原因で起こることです。
しかし、片付け・整理・収納の資格に関しては、そのようなことはありません。
家庭で、仕事で、片付け・整理・収納をする場面が非常に多いからです。
まずは自分自身で片付けのスキルとノウハウを使うことで、自分に役立つのです。
次に他人に活かす
資格を取ったら、それを必要としている誰かに対して、役立てたいと考える人は多いでしょう。
そしてそれを仕事にできたら嬉しいと思う人はたくさんいるのではないでしょうか?
片付けで悩んでいる人を助けてあげたいと思っている方は、仕事として考えてみるのもよいでしょう。
あるいは、ライフワークとして、片付けボランティアなどに取り組むのも素敵な活動です。
資格取得者の中には、生まれながらにして片付けや整理収納の才能を持ち、その能力をフルに発揮して片付けの仕事をする人がいます。代表的なのは、こんまりこと近藤真理恵さんや、収納王子コジマジックの小島弘章さんでしょう。任せて安心、生まれながらの片付けプロフェッショナルです。
他方で、もともとは片付けられなかった人が、それを克服するために資格を取得するケースがあります。自ら片付けのノウハウとスキルを身につけて、自分の課題であった「片付けられない」という問題を解決した資格取得者もいるでしょう。このような、いわば努力の片付けプロフェッショナルであれば、自分自身の経験を踏まえて、片付けられない人の心の寄り添いながら、手助けを行っていけるでしょう。
代表的な3つの資格
片付け・収納・整理の資格には様々な種類があり、聞き慣れない資格も数多く増えてきています。
大きな団体が主催しているものから、小さな資格まで、とにかくたくさんあるので、いざ、片付けのプロフェッショナルを目指そうと思っても、何の資格を取得すれば良いか迷ってしまうことでしょう。
今回は、特に代表的な3つの資格を詳しく紹介していきます。
整理収納アドバイザー | ライフオーガナイザー | 住空間収納プランナー | |
---|---|---|---|
特徴 | 片付かない原因や問題点を見つけ出し、モノとのかかわり方から見直すことで根本から問題を解決できる能力を身に付ける | 『もっと楽に、もっと生きやすく』をモットーに、ライフオーガナイズにより、捨てるからはじめない心地いい暮らしづくりを応援する | 片付かない原因を検証して具体的な方法を提案し、快適な生活に導く。最終的には顧客にレクチャーしながら一緒に片付けを進めていく |
認定団体 | ハウスキーピング協会 | JALO(日本ライフオーガナイザー協会) | 一般社団法人 日本収納プランナー協会 |
URL | http://housekeeping.or.jp | http://jalo.jp/ | http://www.nspk.org/ |
資格の種類 | 整理収納アドバイザー1〜3級、整理収納コンサルタント、ハウスキーピングコーディネーター | ライフオーガナイザー1・2級、MLO(マスターライフオーガナイザー)、クローゼットオーガナイザー、CLO(サーティファイドライフオーガナイザー) | ベーシック、エキスパート、マスター |
料金(資格の取得費用) | 20,000〜30,000円 | 20,000〜90,000円 | 50,000〜80,000円 |
難易度 | 1級は6~7割程度の合格率:2009年度実績:71% | ? * | ? * |
普及度 | 【資格取得者数】 38,329名(1級・・・2,865名、2級・・・35,464名)2013年9月末現在 | 【資格取得者数】1級:約600名、2級:約2000名以上 | ? * |
身につくスキル | プロとして顧客に整理収納、掃除のアドバイス/コーディネートができる能力 | 米国のオーガナイザーの手法や考えをベースとして、よりよく暮らすための「オーガナイズ」という概念を広める、またその手法やプロセス | 顧客が新築やリフォームをする時、片付けやすい収納設計計画の提案をすることができる能力 |
学べる知識 | 「整理収納アドバイザー」は整理収納の哲学。「ハウスキーピングコーディンネーター」は実際の掃除の方法 | 空間の整理よりも思考の整理を要視し、「利き脳」を使いながら、整理できる考え方を身に付ける | モノと住まいの関係、ヒアリング手法、収納の進め方、人間工学の知識、建築の知識など |
どんな仕事に使えるか | 「整理収納アドバイザー」だけを本業として仕事をしている人はごく少数。第一線で活躍するには、他の資格(建築士、インテリアコーディネーター、カラーコーディネーター等)に加え、1級取得を経て仕事の幅を広げる場合が多い | ライフオーガナイザーの認知度が低いため、他の収入源を確保しながらライフオーガナイザーの仕事をしている人が多いのが現状。統計上では、小規模ビジネスを軌道に乗せるには平均2年から5年かかると言われている | マスターを取得すると、「収納診断・収納アシスト現場のチーフ」「住空間収納プランナーとして起業」「住空間収納プランナー養成講座講師」「住宅展や各種イベントなどでの収納セミナー」「住宅関連企業での社員教育講師」など、多くの活躍の場がある |
どんな人が活躍しているか | 「人生がときめく片づけの魔法」の著者・近藤麻理恵さん、タレントの藤崎奈々子さんなど | もっと心地いい暮らしを出版された鈴木尚子さんなど | 収納王子・オーケイ小島弘章さんなど |
団体にる仕事斡旋 | 有り | 有り | 有り |
備考 * | * ネットで調べた限りでは不明でした(2013年11月時点) |
整理収納アドバイザー/整理収納コンサルタントの資格
整理収納アドバイザーとは?
「整理収納アドバイザー」は、2003年に立ちあがったハウスキーピング協会というNPOが運営しています。
「人生がときめく片づけの魔法」でおなじみの近藤麻理恵さんが持っている資格なので、聞いたことがあるかもしれません。
資格には、1~3級まであり、3級はオンラインで受講が可能で、2級だと1日のセミナーで取得可能です。
1級になるとアドバイザーとして仕事ができるようになります。
そのため1級はハードルが高く、2013年11月現在、1級取得者はまだ2,500人ほどと言われています。
結構難しそうですが、「整理収納アドバイザー1級」が取得できれば、業界では一目置かれる存在になるでしょう。
1級を取得するには、先に2級を取得しなければなりません。
通信教育なら2級を在宅で取得できるので、忙しい方でもチャレンジしやすくなっています。
「整理収納アドバイザー」の資格は人気があり、受験者も年々増加傾向にあります。
仕事でもプライベートでも役に立つ資格なので、合格者の属性は多種多様です。
整理収納が苦手だという方や、家庭や職場環境をもっと快適にしたいという人にもオススメですし、あるいはすでに整理収納について自分なりのワザを持っていて、そのレベルを試したいという人にもオススメの資格です。
さらに極めた「整理収納コンサルタント」
「整理収納アドバイザー」の認定資格の中には、「整理収納コンサルタント」という資格も存在します。
整理収納に関しては、「整理収納アドバイザー1級」までの講座でしっかりと学ぶことができます。
しかし実際にアドバイザーとして現場に赴いた時に、「お客様とのやり取り」をどうしたら良いか分からないということもあるでしょう。
特に個人で独立した場合は、仕事のやり方を先輩が手取り足取り教えてくれるわけではないからです。
駆け出しのアドバイザーならば、最初は誰しも経験不足で、自信がないのも当然でしょう。
そこで、クライアントへのヒアリング方法やコミュニケーション能力、悩み相談をされた時の助言の仕方、気づきを与え解決へ導くコーチング的手法など、コンサルティング能力を高める必要があります。
つまり、現場で業務を即実践できるようになるために、整理収納コンサルタントの資格講座を受講します。
これは「整理収納アドバイザー1級」の上位資格となるため、さらに技術や知識を極めたい人や、すぐに現場で活躍したい人は挑戦してみましょう!
整理収納アドバイザーは何をしてくれるの?
それでは、整理収納アドバイザーは何をしてくれるのでしょうか?
とりあえずどんな方法でも良いから片付けろと言われたら、大抵の人はできます。
極端な話、散らかっているものをすべて押入れに押し込んでしまえば、部屋は片付いたように見えます。
しかしこれでは一時的に片付けられた(ように見える)だけで、気が付くとまた汚部屋に戻ってしまいます。
やはり片付けるからには、その状態を長く維持し、清々しい日々を過ごしたいものです。
整理収納アドバイザーは、「散らかりにくくて、片付けやすい部屋にしたい」というクライアントの願いを叶えてくれます。
「なぜ片付かないのか?」「どうして汚部屋になってしまうのか?」という根本的なところから始めるので、悩みだった“片付けのリバウンド”を防止することができるのです。
整理収納アドバイザーは、整理したい場所や、そこでの生活スタイルを考えたうえで、その場所で必要なモノと要らないモノを分けて整理し、それから収納していくので、便利で使いやすい部屋をつくることができます。
根本的な要因を改善することで、ムダがなくなり快適な生活ができるというわけです。
ライフオーガナイザーの資格
ライフオーガナイザーとは?
日本ではあまり馴染みのない「ライフオーガナイザー」ですが、アメリカでは一般的に普及し、よく認知されている職業です。
別名“オーガナイズ“とも呼ばれています。
“オーガナイズ”を辞書で調べてみると、「組織する,計画準備する」などといった意味が出てきますが、アメリカのプロフェッショナル・オーガナイザーの仕事における意味合いとしては、「住居・生活・仕事・人生などのあらゆるコト、モノを効果的に準備・計画・整理し整えること」という意味で使われます。
時代が進むにつれて、世の中はとても便利になり、今では大体のことが手のひらでできるようになりました。
しかし、豊かになったものの、モノ・情報・空間といったあらゆるものを必要以上に多く所有しすぎてしまい、それらに振り回されてしまうこともあります。その結果、時間や余裕が無くなるなど、かえって豊かな生活から遠ざかってしまうという矛盾がおこります。
- そんなジレンマからもう抜け出したい
- 単なる片付けではなく根本的に暮らしを変えたい
- だけど、自分ではどうしたらいいか分からない
と、このような悩みを持つアメリカ人の需要から誕生し、その悩みを解決に導く専門的な人材がプロフェッショナル・オーガナイザーです。
そしてそれを、日本人向けに思考を変えたのが、「ライフオーガナイザー」なのです。
アメリカのプロのオーガナイザーの概念やノウハウを、日本の社会背景や住宅事情・日本人の特性などを考慮した上で、日本人向けに体系化することで資格認定制度を構築した資格です。
ライフオーガナイザーの仕事
「ライフオーガナイザー」は「暮らし=人生」に特化し、充実した人生を送ることをコンセプトに、クライアント自身で「空間のオーガナイズ」と「思考のオーガナイズ」ができるように支援していく仕事です。
- 空間のオーガナイズ ⇒ 家や仕事場の整理収納を行い、それを維持し続けること
- 思考のオーガナイズ ⇒ 毎日を幸せに暮らすために、なりたい自分を目指して考えや思いを整理すること
このオーガナイズをするために必要なことの1つに、「整理」があります。
思考においても空間においても、「要らないモノはとりのぞく」という行為は必要になってくるのです。
片付けに悩んでいる人の中には、何が必要で何が要らないものなのか判断できず、結局何も片付けられないまま終わってしまい、そんな自分が嫌だと自己嫌悪に陥ってしまうことも多いでしょう。
それに拍車をかけるように「整理=捨てないといけない」という認識があるので、「捨てることができない自分はダメだ」と余計に落ち込んでしまいます。
そんな人たちを「考え方」から助けていくのが、「ライフオーガナイザー」なのです。
ライフオーガナイザーと他の資格の違い
整理・収納に関する資格はいくつか存在しますが、ライフオーガナイザーが他の資格と違うことは、空間の整理よりも思考の整理を重要視することです。
部屋の片づけや整理をする前に、まずは生き方や暮らし全般の見直しをします。
「どんな生活がしたいのか?」「何が一番大切なのか?」「どんな人生にしたいのか?」ということを考えます。
すぐに具体的な答えがでなくても大丈夫です。
片付けや整理の作業を進めていくうちに、答えが見つかることがあるそうです。
利き脳に則した整理法
「ライフオーガナイザー」の特徴的な整理方法に、自分の「利き脳」によるものがあります。
人間の脳にはご存知の通り右脳、左脳があります。
右脳は直感、イメージ記録、創造芸術性。
左脳は分析・論理的思考・言語認識などがオーガナイズではとても大切になってきます。
人それぞれに、利き脳が違うので、それぞれの特性を活かして作業をしていきます。
今まで、片付け本をたくさん読んだけれど何一つ片付かなかったという人は、それがあなたの脳に合っていなかっただけかもしれません。
日本人は戦後のモノが少ない時代を経験しているせいか、“捨てられない”という思いがあるようです。
そして戦後急速に生活が豊かになったので、その思いがそのまま残っていることが多いのです。
「もったいない」という文化はとても素晴らしいものですが、「もったいない=捨てない」ではありません。不要なモノに埋もれて、住みにくい家で生活するほうがよほどもったいないでしょう。
「ライフオーガナイザー」は、このような日本人の特性や文化なども十分理解したうえで、片付けを始めるのです。
「諦める」という感情的手法
ライフオーガナイズの手法は、「減らす」「整理する」「維持する」の3ステップで、「減らす」の中に「選別する」「分類する」「手放す」という行為があり、その先に「捨てる」があります。
つまりオーガナイズは、まず「捨てる」という管理的手法ではなく、「諦める」という感情的手法を重要視しているのが特徴となります。
無理やり捨てるのではなく、モノと向き合うことによって、自分に必要なモノや、今やるべき収納が自然と分かり、スムーズに進められるようになるのです。
また、「ライフオーガナイザー」は、「代わりに片付けますよ」というサービスではありません。
作業をするのは、生活をしている「本人」です。
時には丁寧に、時には厳しく、クライアントと一緒に「住みやすい暮らし=人生」を作り、キープしていくための仕組みづくりをするのです。
これは、片付け作業を代行するよりも、難しくて根気のいる仕事です。
片付けで困っている人を助けたい、人の話を聞くのが好きだ、クライアントと共に成長したい、という方にはオススメの資格と言えるでしょう。
住空間収納プランナーの資格
住空間収納プランナーとは?
今まで紹介してきた整理収納アドバイザーが片付けのプロ、ライフオーガナイザーが整理・思考のプロだとしたら、住空間収納プランナーは収納のお医者様です。
片付けができない最大の理由は、「モノの多さ」であることはすでに述べた通りです。
モノがあることで生活が便利になりましたが、モノが増えれば収納スペースが必要になります。そこで、片付けのために収納スペースを増やしてみたけれども、やっぱりうまくいかないという方はたくさんいるでしょう。
日本収納協会プランナーによると、それは「モノとの付き合い方」と「モノと空間のバランスのとり方」に問題があるからだそうです。
いくら収納を増やして片付けが成功しても、片付けられない原因が解決しない限りリバウンドし続けます。
さらに、人それぞれ性格やライフスタイルが違うため、みんなが同じ方法で片付けても、合わなくて失敗する人も出てきます。
住空間収納プランナーは、こうした問題にトータルに取り組み解決案を提案する、「収納のお医者様」なのです。
片付けられない原因を追究して、その人のモノとの関わり方やライフスタイルの改善も提案してくれます。
その人の収納を提案するだけでなく、リバウンドしない方法も提案してくれます。
そのため、幅広い知識と経験が必要になってきます。
住空間収納プランナーは、住まいや暮らしの基礎知識をもち、さまざまな住空間やライフスタイルに応じた提案ができる資格です。
新築やリフォーム時の収納設計から関わるので、家を建てた後に「どこに片付けようか?」と悩む心配はありません。
ハウスメーカーやインテリア会社のアドバイザーなども住空間収納プランナーの仕事範囲なので、活躍の幅はどんどん広がり続けています。
住空間収納プランナー資格の種類
住空間収納プランナーの認定資格は、3段階に分かれています。
ベーシック
これは住空間収納プランナーがさまざまなフィールドで活動するために欠かせない共通知識を、広く深く問うものです。
住まい・モノ・環境に関する考え方、ヒアリングや分析の方法、基本的なプランニングのノウハウを身につけた人材であることを認定します。
ベーシックを取得すると、収納セラピー、収納診断、収納アシストの3つを仕事としてできるようになります。
エキスパート
より高度なプランニング業務に携わるための深い専門知識を認定します。
人間工学や建築学といった住空間や収納の理解を深める周辺分野、ファイリングや収納計画などの高度な専門知識の理解度や応用力が必要になってきます。
住宅業界やインテリア業界などのビジネス現場で企画・設計・カウンセリング・営業などの業務に携わる方が、自分の実力を確かめ、ビジネスの質をさらに高めるために、あるいは情報を整理するために、最も適した資格と言えるでしょう。
エキスパートを取得すると、ベーシックの3つ以外に収納家具設計、収納設計計画、収納レイアウトが仕事としてできるようになります。
マスター
教育機関やセミナーで講師を務めるなど、後進を育成するための最上位ライセンスです。
現場経験で基づいた高度な知識を有すること、受講者に合わせた講義ポイントを選定できること、インストラクションや添削の能力を有することなど、指導者に求められる知識を持っていることを認定します。
住空間収納プランナーの講座を開講することができ、ベーシック・エキスパートの講師を担当することができます。
マスターを取得すると、ベーシック・エキスパート以外に収納セミナー、収納教育を仕事としてできるようになります。
まだまだある!整理・収納の資格
上述の3つ以外の資格について、いくつか紹介します。
キッチンスペシャリスト
キッチンスペシャリストは、インテリアコーディネーターの資格認定をしている公益社団法人 インテリア産業協会が認定する資格です。
キッチン空間に設置される、設備や器具類に関する幅広い専門知識を持ち、メーカーと住まい手の接点に立って、キッチン空間の設計やコーディネートを提案する専門家のことです。
ライフスタイルの変化やキッチンに設置される機器の進化などを理解したうえで、安全で快適なスペースを造るアドバイザーとして建築・インテリア業界で活躍することができます。
使い勝手がよいキッチンにしたい方や、キッチンの知識には自信があるという方にオススメです。
収納マイスター
収納マイスターは日本デザインプランナー協会が発行する資格です。
「部屋が片付けられない」などの悩みを、整理方法や収納方法によって解決します。建築や建物に関して一定の知識を持った上で、建造物の鑑定や判断を全体的にするという資格です。
資格取得後は自宅やカルチャースクールなどで講師活動ができるようになります。普段から片付けが得意だという方は、取得してみてはいかかでしょうか。
空間デザイナー
空間デザイナーとは、室内・室外を問わず空間をデザインする職業の人を言います。
空間デザイナーになるには、美術・建築・工学系などの大学・短大・専門学校で空間デザインの基礎知識を学ぶ必要があります。卒業後に、デザイン事務所や企業のデザイン部署などに就職して実績を積んでから一人前になれます。
整理・収納にあまり関係がないように思われますが、空間をデザインすることでどこに何を置くか決まるため、空間を活用した収納に力を発揮します。
整理・収納・清掃(3S)コーディネーター
3Sコーディネーターの認定講座では、整理・収納・清掃を基礎から学び、住環境を快適に維持していくための知識を修得します。
女性の社会復帰や自立を支援することを目的に創られたので、合格者は女性が大半を占めています。
3級から1級まで段階的にレベルアップしていくことができ、やる気と実力があれば起業のバックアップも期待できます。
NPO法人日本ハウスクリーニング協会が認定している資格です。
楽家事マスター
家事・片付けのさらなるレベルアップと、プロとして家事代行業や片付け指導ができるようになる資格が、楽家事マスターです。
楽家事マスターの認定講座は、実践と経験を重視したプログラムで、プロとして最低限必要な力が身につきます。
独立開業を目指す方はもちろん、新しい事業として家事代行や片付けサービスの提供を考えている企業にもオススメです。
目的に合わせて「家事コース」「片付けコース」「総合コース」の3つに分かれているので、自分に合ったコースを選ぶと良いでしょう。
一般社団法人 ライフクリエイティブ協会が認定している資格です。
収納カウンセラー
「収納カウンセラー講座」において、整理・収納ブームの元祖と言われている飯田久恵さんから直接、収納の考え方や理論を実習も含めて学び、住まいやオフィスの収納カウンセリングができるプロのことです。
「収納カウンセリング実習」を修了し、飯田久恵さんから収納カウンセラーを認定されればなることができます。
「片付け」のプロフェッショナルに頼んでみよう
ここまで資格を紹介してきましたが、どの資格にも言えることは「根本的なところから見直していく」ということです。
片付けられない原因を考えなければ、片付けが成功したとは言えません。
しかし、整理・収納について何の知識もない人が、突然片付けをしようとしても、どこから始めれば良いか分かりませんよね。
そんな時は思いきって、資格を持っているプロフェッショナルに仕事を依頼してみましょう。
サービス料金の相場はいくら?
整理収納アドバイザーの料金
整理収納アドバイザーの相場は大体1時間5,000円程度のようです。
ですから、1日だと大体30,000円程度になるのではないでしょうか。
それに、出張費用などの経費実費が加算されます。
ライフオーガナイザーの料金
ライフオーガナイザーは大体3段階に分かれています。
初回診断3時間程行い、個々の脳の使い方やライフスタイルから理想の空間を一緒に考えていきます。
ここで16,000円程度の料金がかかります。
次に、初回診断を行っていることを前提に、オーガナイズをしていきます。
大体1時間5,000円程度のようです。
1日の作業時間はオーガナイザーによって違いはありますが、8時間以内が目安です。
その必要作業時間は、初回診断において見積もりを行うようです。
最後に、アフターフォローとして4,000円程度の料金がかかります。
アフターフォローでは、どのようにして維持し続けていくかなどのアドバイスとなります。
全体でみると、16,000円+30,000円(6時間)+4,000円=約50,000円
ということになります。
この値段を高いとみるか安いとみるかは人それぞれですが、足の踏み場もないほどどうしようもなく、片付けてもすぐリバウンドしてしまうという方は損をすることはないのでないでしょうか。
住空間収納プランナーの料金
住空間収納プランナーの提供サービスには、いくつかプランあります。独身女性向けやファミリー向けといったように分かれている場合が多いようです。
収納カウンセリングから始まり、どんなことで悩んでいるのかを聞き、家族の生活状況や動線を考え、どこに何を収納するのが良いか診断していきます。
そして、診断した内容に沿って収納アシストを行っていくのです。
2~3時間の診断で10,000円程度、収納のアシストで1人あたり1時間4,000円程度かかるようです。
ですから、約30,000円弱ぐらいの値段がかかると思います。
このように見ていくと資格によって料金差もありますが、サービス内容やアプローチも違っているので、自分には誰の助けが必要なのかを考えて依頼すると良いでしょう。
依頼する方法
どんな人に頼めばいいの?
正直、部屋の片づけを誰かに頼むというのは、少し恥ずかしい気もします。
また、TVなどで紹介されているような「足の踏み場もないほどのひどい状態の人が依頼するもの」と思っている方もいるでしょう。
ですが、そんなことはありません。
足の踏み場がないほどの汚部屋じゃなくても、片付けに悩んでいるのであれば利用して大丈夫です。
では、実際に依頼したいときは、どのようにすればいいのでしょうか。
個人で活動しているアドバイザーもいれば、企業がサービス提供して資格取得者を派遣する場合もあります。
その中から自分の願いを叶えてくれる片付けプロフェッショナルに依頼するという形になります。
探してみると、たくさんの片付けサービスがあるのでとても迷ってしまいますが、周りに利用したことのある人がいればその人に聞いてみるのもいいでしょう。
ネットなどでも口コミがあると思いますから、参考にしてみるのも手です。
依頼自体は、電話やインターネットで可能なので、簡単に済ますことができます。
それぞれの片付けプロフェッショナルで特徴が違うので、自分の悩みにあった所に依頼するといいでしょう。
- 頭の中では分かっているけれども、自分ではどうしようもできない、やっぱり捨てられないという方はライフオーガナイザーに
- 捨てることはできると思うけど収納の仕方が分からないという方は整理収納アドバイザーに
- 家を新築/リフォームする時に、収納設計について悩んだら住空間収納プランナーに
というふうに、助けを求めてみてはいかがでしょうか。
助けを求める前に・・・
捨てるということ
どの書籍やテレビでも「モノは捨てる」という考え方が主流です。
しかし、日本には「もったいない」という言葉があります。これは、アメリカでも注目された、日本文化のひとつでもあります。
日本では子供の頃から、「モノは大切にしなさい。もったいない。」と教えられてきました。
確かに、モノを大切にすることは素晴らしいことです。しかし「大切にする=捨てない」ではありません。
収納スペースよりもモノの方が多くなってしまっている状況にも関わらず、「もったいない」精神でモノを残しておくことは、汚部屋を作り出す要因になってしまいます。
いつか使う時がくるかもしれないと思って残しておいても、実際に使う時はほとんどありません。
とは言っても、捨てた後になって必要になるモノも出てくるので、すると“やっぱり・・・”と余計に捨てられなくなってしまいます。
その気持ちは誰もが経験をしたことがあり、よく理解できると思います。
ですが、そこはもうきっぱり諦めましょう。
必要になったら、また入手すればいいだけの話です。
何でもかんでも捨てればいいというわけではありませんが、本当に必要だと言いきれるもの以外は捨てましょう。
思い出の品、子供が小さい頃に着ていた服はお母さんにとって大切なモノでしょう。
これらを捨てるべきだとは言いません。これらを残す代わりに、別のモノを手放すのです。
“捨てる”という意味を辞書で調べてみると、さまざまな意味があるのですが、その中の一つに「目的のために損失を顧みずに進んで提供する」という意味があります。
自分が大切にしているモノを残しておきたければ(目的のために)、損失を顧みずに進んで提供する(手放そうか、残しておこうか悩んでいたモノを提供する)ということです。
どことなく“捨てる”という言葉には罪悪感が付いてまわります。
これからは“捨てる”のではなく“提供する・手放す”と思えば、罪悪感も少しは軽減されるのではないでしょうか。
片付けができなくても大丈夫
人には誰にでも得意、不得意があります。
片付けができない人は、ただ単に片付けが不得意だっただけのことです。
中には、「片付けができない、私はダメな奴」と思う方がいますが、そんなことはありません。
片付けができないのは、あなただけではないのです。
現に、片付けで悩む人が増えているから、整理・収納の資格が増えてきているのだと思います。
ですから、片付けができなくても気にすることはありません。
気にすることなく、プロに助けを求めましょう。
資格を取ると得られるメリット
片付けや整理・収納資格は、試験に合格して認定されれば、それで終わりではありません。
就職が有利になるように、スキルが有ることを証明したり、それを履歴書に記載するために取得するような資格ではないからです。
片付けの資格は、実用面で、より役に立つものです。
- 自分の部屋を片付けて、快適な人生を過ごす
- 片付けに悩んでいる人を助けてあげる
- プロのアドバイザーとして活動する
まずは、自分と自分の周りから、身につけたスキルやノウハウを活用してみましょう。
そして次は、片付けのプロとして、活動をしてみてはいかがでしょうか?
まずは自分を整理収納
そもそも整理・収納のメリットは何でしょうか?
片付けは、ただ部屋をキレイにするだけではありません。
健康面
部屋が片付いていると、カビやほこりなどにすぐに気付くことができ、すばやく掃除をすることができます。
清潔な環境が手に入ります。
コミュニケーション面
部屋が片付いていれば、友人や恋人を気兼ねなく呼ぶことができます。
楽しい時間を共有することができ、おもてなしで使うモノをサッと取り出せるし、借りたモノがどこにいってしまったのか分からない!なんてこともなくなります。
時間面
片付いていないと、探し物をする時にとても時間がかかります。
探し物というムダを無くし、その時間を別のことに費やすことで、時間に余裕が生まれます。
経済面
部屋が片付いていると、家になにがあって、なにがないのかが把握することができるので、ムダな買い物をしなくなります。
賞味期限を切らしてしまったり、同じ本を買ってしまったり、ハサミが10個もあったり、という不経済が解消されます。
精神面
片付いた部屋は気分が良いものです。モノが見つからなくてイライラすることもありません。
「片付けなきゃ!」という脅迫観念もなくなります。
片付けをすると自分の心が整理されるので、気持ちの余裕が生まれ、ちょっとしたことでのイライラも減ることでしょう。
部屋の片づけは自分にあったやり方で
メリットの中でも、やはり重要視する点は、〈精神面〉でしょう。
「部屋の状態はココロの表れ」、「部屋の整理=心の整理」と言われるくらいですから、部屋を整理することで心にも何かしらのメリットはあります。
時間に追われ、心に余裕がない方の部屋は汚部屋になっています。しかし、心に余裕がある方は自然と部屋もキレイになっているのです。
もし、心に余裕がない時は10分でもいいので、身の回りだけでも整理整頓してみてはどうでしょうか。
現に片付け・整理に関する書籍では、心の整理との関係性について書かれてることが多いです。
ですが、どんなに書籍を読んでやろうと思っても、それは単なる「解説書」にしかすぎません。
整理・片付け・収納を行うのは自分自身です。自分がやりやすいようにやることが最優先です。
あくまでも、書籍は「解説書」と思って、自分なりに手をつけやすいところから始めましょう。
もちろん、自分ではどうしたらいいのか分からないという場合には、「解説書=マニュアル」という使い方をして、書籍に従うのも手です。
上述のように整理収納には、健康・コミュニケーション・時間・経済・精神という5つのメリットがあります。
片付けは正直めんどうだなと思いますが、最初だけです。
人間には、そこがキレイにされていると、なるべく維持させようという思いが芽生えます。
しかし、一度汚くしてしまうとどうでも良くなって、そのまま汚部屋へ直行となりかねません。
これを回避するためには、資格を取得して自分が整理・収納のプロになってしまえばいいのです。
そうすれば、2度と汚部屋になることはないでしょう。
片付けのプロフェッショナルになるための心構え
では、片付けのプロフェッショナルになるためには、どのような心構えが必要なのでしょうか。
人は初めて会う人には、なるべく好印象を持ってもらいたいと思います。
ですが、自分が思っている第一印象と他人が思う第一印象には違いがあります。
例えば、自分では良かれと思っていたことでも、相手にはただの「ありがた迷惑」という場合もあります。
ですから、本当の「プロ」というのはそれを踏まえたうえでの存在にならなくてはならないのです。
自分がイメージしているものを、より明確にイメージしなければなりません。
自分が目指しているタイプによって、カウンセリングの時から取る行動も変わってきます。
そして、その印象で後の作業の進め方にも影響してくるのです。
基本的に「片付けのプロ」は、人と人が向かい合って行う仕事です。
ビジネスマナーというものも付いてまわります。
これらを分かった上で、片付けのプロフェッショナルを目指しましょう。
資格を取得した後の計画を立てよう
資格は取得したけれども、その後どうすればいいのか分からないという方もいると思います。
なぜ資格を取得したいのか、合格した後はどうするのかを先に考えて、計画を立てておきましょう。
- 片付けられない悩みを克服したいのか
- 自分が持っている片付けノウハウを人に教えたいのか
- 就職に活かしたいのか
それぞれで、目指す資格や 、どこまでの位の資格取得をするのか変わってきます。
もちろん、資格講座を学ぶ中で、もっと上の級に合格し、人の役に立ちたいと思うことも良いことです。
自分が合格した階級がムダにならないように、資格を取得した先のことも考えていきましょう。
資格取得に、お金はいくらかかるの?
資格を取る時に悩むのが、お金の面です。
通信にするにせよ、通うにせよ、お金は必要になってきます。
主な資格である整理収納アドバイザー・ライフオーガナイザー・住空間収納プランナーの取得には、いくらかかるのでしょうか?
整理収納アドバイザーの資格にかかる費用
整理収納アドバイザーは、2級だと1日講座で22,500円程です。講師資格をもつアドバイザーが全国各地で講座を多数開催していて、講義を聞いていればテストに合格できる内容のようです。
1級だと、連続する2日間の講座で31,500円程です。この講座を受講することで1級試験の受験資格が得られます。
通信講座の場合は、1級・2級講座の4ヶ月コースになっていて、4ヶ月の講座が終わると1級試験の受験資格が得られます。
ライフオーガナイザーの資格にかかる費用
ライフオーガナイザー2級は、受講料が20,000円です。他にテキスト代として1,260円が必要です。
受講後に認定試験を受けて合格すると、2級資格が取得できます。
ライフオーガナイザー1級は、2級資格を持った人が対象で、3回の講座があります。
受講料の78,000円に加え、認定料として10,000円が必要になってきます。
住空間収納プランナーの資格にかかる費用
住空間収納プランナーのベーシック講座では、10時間の受講料で42,000円程度、試験受講料として5,000円程が必要になります。
エキスパートだと、18時間の受講料で73,500円程度、試験受講料として15,000円が必要になります。
マスターになると、10時間の受講料で63,000円程度、試験受講料として20,000円が必要になってきます。
その他、注意点
3つの資格ともに、上記の値段以外にもテキスト代など別途費用が発生する場合があるので、少し多めになることを念頭に置くと良いかもしれません。
なお、ここで紹介したものはあくまで相場(目安)なので、実際に申し込む際には、きちんと確認してください。
どの資格にも言えることは、階級を上げていくと値段が高くなっていくということです。
やみくもに上を目指すよりも、自分に必要な階級を受けるようにした方が、お金のムダは減るでしょう。
身銭を切って学ぶのですから、資格講座で得たことをしっかり役立てて、なるべくムダにならないようにしたいですね。
まとめ 〜 これからの時代
これから先も、モノは確実にどんどん増え続けていくでしょう。
そして、いつの時代にも「片付けられない」という人はいて、それもまた増え続けていくことでしょう。
便利なモノが増えることはとてもありがたいことですが、それと同じくらいに整理・収納に悩む人が増えていては本末転倒です。
片付けられない人が増えれば、整理・収納の資格取得者と、そのニーズも増えていくことでしょう。
10年後、20年後に、もしかしたら、整理・収納の仕事が急増しているかもしれません。
今のうちに資格を取得しておいた方が、これからの時代有利になる可能性もあります。
「整理収納アドバイザー」「ライフオーガナイザー」「住空間収納プランナー」の3つの資格には、それぞれに特徴があり様々な利点があります。
今の自分には誰の助けが必要なのか、どの資格が役に立つのかを考えて、片付けのプロの仲間入りを果たしてみると良いと思います。
まずは家庭でも職場でも、効率が良く快適で過ごしやすい生活環境を、自分が手に入れましょう。
そして次は、片付けに悩んでいる誰かを助けてあげることができれば、資格が更に役立ちます。
片付けは難しいものではありません。
整理・収納の資格をとって、苦手意識を取り払うことができますよ。