「学童保育」は、共働きやひとり親の家庭の児童を放課後や長期休暇中に預かる施設です。小学校入学を機に、「学童保育」を利用する家庭も多いでしょう。
この「学童保育」が、2015年4月から新制度の事業に位置付けられ、変わりつつあります。「学童保育」とはどんなところか。新制度による変化も併せて紹介します。
「学童保育」って何?
「学童保育」とは、親が共働きなどで昼間家にいない小学生が、放課後や夏休みなどに通う場所のことです。保育園と違って小学1年生は帰宅が2〜3時頃と早く、夏休みや冬休みは学校がありません。親が仕事の間一人で長時間留守番させることを心配して、「学童保育」に預けたいと希望する保護者が多くいます。
学童保育の利用場所は子供が通っている小学校が半数近くであり、その他は児童館、保育園、幼稚園、公的施設の利用などです。少ないですが、民家やアパートを利用して行っているところもあります。子供たちはそこで宿題をしたり、友達と遊んだり、おやつを食べたりして過ごします。子供を見守る大人のスタッフもいます。
公営の場合、利用料金は月額4,000円〜7,000円程度が一般的です。対象者は小学3年生までに利用制限している施設が多く、保護者が就労又は病気であるなど、利用する際の条件が決められています。就労証明書などの提出を求められることもありますので、利用する際は確認しましょう。
運営は自治体の他にNPO、民間企業などさまざまで、料金や運営時間も異なります。民間の場合、夜遅くまでの預かりや夕食の提供をするなどサービスが充実しているところもありますが、その分利用料金が高くなります。
「小1の壁」と新制度
学童保育は、保育所に比べて開所時間が短かったり、数が不足していることが問題になっていました。そのため、小学校入学を機に子供の預け先が見つからず、育児と仕事の両立が困難になる「小1の壁」が存在すると言われています。国はこの問題を解決するため、2018年度末までに学童保育の定員を約120万人に拡大し、14年度比で30万人増やす計画を立てています。
2015年4月、国は学童保育の対象年齢を小学1〜3年生から拡大し、6年生までとしました。スタッフの数や場所の広さ、受け入れ人数など、最低ラインの基準も決められ、しっかりした整備が求められるようになりました。
学童保育の対象年齢が広がり、働く女性も増え続けているため、学童保育の希望者は増加しています。定員オーバーなどで学童保育を利用できなかった「待機児童」は2015年5月1日時点で1万6941人に上り、なかなか保護者の希望通りにはいかない現実があります。利用登録者の85%が小学1年生〜3年生であり、4〜6年生の利用数は少ないです。
見学して決めよう
小学校入学前に学校の説明会などに参加すると、学童保育のパンフレットなどを配っていることがあります。利用を考えているなら、是非その施設に足を運びましょう。ネットで地元の学童保育を調べて情報収集したり、ママ友から教えてもらうのも良いでしょう。
子供が通う学校の構内に学童保育の施設がある場合もありますが、学校外の場合は歩いて通わなければなりません。ルートを確認し、安全面も考慮する必要があります。実際に足を運んでみて、気にかかることがないか自分の目で確認しましょう。例えばスタッフの数は十分か、きちんと目が行き届いているか、子供たちが楽しそうに過ごしているかなど、見ておくと安心です。
公設や民間など、いくつかの学童保育から選択する場合は、それぞれの運営方針を比較し、無理なく通えるところを選びましょう。必ずしもサービスが充実しているところを選ぶ必要はありません。子供がその場に馴染めるか、楽しく過ごせるかを重視しましょう。
子供の健やかな成長と仕事の両立のために、子育てのサポートを賢く利用したいものです。
【参考文献】
・学童保育の仕組み、4月から変わる?(働き方・社会貢献)
・学童保育って?どんなところ?
※熊本日日新聞平成27年6月18日 「子育て新制度」 学童保育「小1の壁」の解消目指す
※熊本日日新聞平成28年5月12日「学童保育 定員120万人」