その他の季節は問題ないのに、冬になるとお子さんの肌がかさかさになることはありませんか?
それは空気の乾燥によるものです。
その他、年々子供に増えているアトピー性皮膚炎や思春期の悩みの種である「にきび」など、子供の肌トラブルの対策と予防法についてご紹介します。
乾燥肌
冬場は空気が乾燥し、発汗も少なくなります。そのため皮脂量が減少し、皮膚の水分が減少してしてしまいます。特に子供の皮膚は薄くデリケートなので、ケアをしないと皮脂欠乏性湿疹(ドライスキン)となり、肌の状態が悪化してしまいます。
症状は、肌がかさかさしてかゆみを伴います。肌が粉をふいたようになったり、ぶつぶつした湿疹ができることもあります。かゆいので我慢できずにかくと、かきこわしてますます悪化してしまうので注意が必要です。
対策には、汗や汚れを洗い流して皮膚を清潔にすることと、入浴後すぐに保湿剤を塗ってスキンケアを行うことです。保湿剤は手に取り、温めてから伸ばすと効果的です。子供の肌はデリケートなので、刺激の少ないローションや乳液を選びましょう。
また、乾燥肌対策としては部屋の湿度管理も重要です。理想は部屋の湿度を40〜50%に保つこと。加湿器を使ったり、部屋に濡れタオルを干すなどの工夫を凝らしましょう。
肌が乾燥していると服の摩擦も刺激になってかゆみが増します。直接肌に触れる服は、刺激の少ない綿素材など選びましょう。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎とは、強いかゆみを伴う慢性の湿疹のことです。乳児期は目や耳たぶの周囲、手足によく見られます。乳児期以降は手足の関節部、肘や膝の裏側に繰り返し湿疹ができます。幼児期では2ヶ月以上、それ以降では6ヶ月以上続く場合にアトピー性皮膚炎と診断されます。
ずっとスキンケアを注意して行っているのになかなか湿疹がなくならないなど、症状が続く場合は小児科の医師や皮膚科の医師に相談しましょう。
アトピー性皮膚炎は体質と環境の両方が影響すると考えられています。ハウスダストやダニに対するアレルギー、または食物アレルギーなどで湿疹が出ることがありますが、複数の原因が複雑に絡み合っている場合があるので、原因を特定するのは難しいです。食事制限をする場合は医師と相談して決めましょう。アトピー性皮膚炎の子供は肌が特にデリケートなので、汗や汚れなどでも湿疹が悪化します。
治療は医師の処方による外用薬を、医師の指示をしっかり守って使いましょう。同時にスキンケアも続けます。治療を続けることでかゆみを減らし、肌を良い状態に保てるようになります。
思春期のにきび
にきび予防のために重要なのは、正しい洗顔です。洗顔フォームを泡立てて、その泡で肌の汚れを浮かせるようにそっと洗いましょう。ぬめりが残らないようにしっかりとすすぐことも重要です。石鹸の成分が肌に残ったままになると、また肌トラブルの原因になります。
食生活はビタミンを含む野菜を多くとることを心がけ、バランスの良い食事を取りましょう。睡眠不足も予防の敵です。
にきびができてしまったら、髪の毛や衣類の刺激で悪化することがあります。隠さずにヘアピンなどで前髪を上げて、にきびに触れないようにしましょう。
思春期の悩みの種であるにきびですが、悪化したまま放置すると思春期だけで終わらず、肌に痕が残ってしまうこともあります。心配な場合は皮膚科を受診しましょう。
【参考文献】
※熊本日日新聞平成25年12月20日総合版「子どもの乾燥肌」
※熊本日日新聞平成26年11月1日(くまにちあれんじ)「子どもの肌のケア」
※熊本日日新聞平成26年3月7日総合版「にきび」