年齢を重ねるとさまざまな老化現象がおきます。睡眠の問題がでるのも老化現象の特徴です。
寝付くのに何時間もかかる、夜何度も目が覚める、夜十分寝ていないので日中眠くてしょうがない、というような悩みはシニアのほとんどが経験します。
このような悩みから解放されるにはどのような方法があるのでしょうか?
いちばん先に出来ること 睡眠不足という暗示から抜けよう
睡眠の悩みを持つシニアは声をそろえて、「夕べあまり寝ていないから今日は一日中眠くてしょうがない。」といわれます。実はシニアの「夕べ眠れなかった。」という実感は単なる錯覚の場合も多いのです。
年齢を重ねると必要な睡眠時間が減ります。若いころには7時間か8時間睡眠がよいとされていますが、年齢を重ねると6時間程度で良いといわれています。12時頃から6時ごろまで眠れれば充分なのです。もし、11時に床に就いてなかなか眠れずに12時ごろやっと眠って朝5時半ごろには目が覚めてしまったとしたら、そんなに睡眠不足でもありません。
入眠に一時間もかかっているので、眠れなかったという印象が強いのです。
いちばん先にできることは、睡眠時間は短くても大丈夫と知ることです。日中眠い原因の一つは、あまり寝ていないから日中眠いはずだという自己暗示にかかっている可能性もあるのです。
自分に適した就寝時間を知ろう
毎日11時に床に就いて一時間ぐらいしてやっと眠れるのなら、12時前に床に就けば1時間近く他のことができます。眠くなってから床に就くようにすれば入眠前の悶々とした時間から解放されます。一週間程度、自分が何時ごろ入眠して何時ごろ目覚めるか記録をしてみましょう。もし、実際の睡眠時間が継続して5時間しかないのであれば、一度覚悟を決めて5時間睡眠で暮らしてみるのもいいのです。
朝6時に起きたければ午前1時前までは床に就かずに過ごすのです。もし、朝6時に起きられなければ、30分程度早く寝ます。その時間があなたにふさわしい就寝時間かもしれません。起きる時間を固定して、毎晩眠くてしょうがなくなってから床に就きましょう。普通は時間が一定してきます。
長時間眠る必要はありません。
年齢を重ねると眠りが浅くなっていきます。床にいてもうとうとしているだけなら、少しの事で目が覚めてしまいいます。本当に眠い時間だけ眠りましょう。
濃いめのコーヒーやお茶を飲んで昼寝をしましょう。
昼食後、濃い目のお茶やコーヒーを飲んで昼寝をすると30分もしないうちにカフェインの効果が表れて目が覚めます。午後2時までに15分程度の昼寝をすると夜の入眠が良くなります。うとうとするだけでも効果があります。ソファや椅子に腰かけて眠るのがコツです。横になると、だらだら寝てしまって夜寝られなくなります。
日中は運動をしましょう。
日中、ほんの少しでも外出をして歩きましょう。スーパーや習い事など歩いて行ける場所へ出かけると生活にメリハリがついて睡眠の質が良くなります。
睡眠薬は避けましょう。
何か、理由があって眠れない時以外は睡眠薬を使わないようにしましょう。睡眠薬の眠りは浅い睡眠が多くなりがちです。常用すると睡眠の質が落ちてしまいます。ただし、辛いこと、悲しいこと、病気などの症状が苦しい時には医師の指導を受けて正しく使用しましょう。
寝室からトイレまでは一晩中暗めの照明をつけておきましょう。
夜中にトイでめざめた時に、明るい照明をつけてしまうと、そのあと眠れなくなります。暗めの照明をつけたままにしておけば目が慣れているので安全です。また、トイレそばの部屋を寝室にすると安全で、なおかつ、そのあと眠りやすくなります。
もし、トイレから戻ったあと眠れない時には
リラックス用の音楽を聴くのがおすすめです。癒しの音楽、睡眠用の音楽などCDがたくさん販売されています。
また、オルゴールもおすすめです。ただしスイッチポンで聞けるように音量なども調節して用意しておくことが大切です。それを聞いて寝ようと思うのではなく音自体を楽しむと眠れないなら眠れないなりにリラックス効果を味わうことができます。ヘッドホンやイヤホンで聞くのではなく小さな音で曲をかけましょう。実際に脳波に影響します。
アロマオイルを楽しみましょう
ラベンダーやイランイラン、サンダルウッド、カモミールなど癒し効果のあるアロマオイルを枕などに染み込ませてほのかに香るようにしておきます。寝よう寝ようと思わずにふくいくとした香りを楽しみましょう。アロマオイルの癒し効果は気分的なものではなく鼻から脳に直接届いて視床下部まで届きます。
眠るのを最も妨げているのは自分の気持ちです。「寝なければ寝なければ」は「眠れないかも知れない、眠れないかもしれない」の裏返しです。眠れないなら眠れないなりにヒーリングミュージックやアロマオイルを楽しみましょう。これらの楽しみは、ゆ〜っくりした、無駄〜な時間にこそ本当に楽しめるのですから、眠れない夜こそがチャンスなのです。