吃音は全人口の約1%に見られる発話障害のひとつです。

学校で話し方をからかわれたり、挨拶の言葉がうまく出ずに怒られたり、悩みを抱え込むことも多い「吃音」。周囲の無理解が、吃音のある子供を精神的に追い詰めることもあります。

吃音について、正しく理解を深めましょう。

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吃音とは?

吃音とは、話し言葉が滑らかに出ない発話障害のひとつです。
「ぼ、ぼ、ぼくは」などと言葉の一部を繰り返したり、「ぼーくは」と伸ばしたり、言葉に詰まって最初の一語がなかなか出てこないといった症状があります。
その多くは幼児が2語文以上の複雑な発話を開始する時期に起きやすく、2〜5歳頃に発症する場合がほとんどです。発症率は5パーセント程度で、成長の過程で自然に消える場合と、大人になってもそのまま残る場合があります。

幼児期に男女差はあまりありませんが、大人になると4:1くらいで男性に多くなります。
吃音になる原因については不明な点が多く、現在もはっきりした理由は分かっていません。また、治療の方法についても色々言われていますが、残念ながら確立した治療法はまだ見つかっていないのが現状です。

不安や悩みと、周囲の無理解

幼稚園や保育園の頃に吃音を発症しても、3〜4歳くらいの時期は自分の症状に無自覚なことが多いようです。しかし、うまく話せないことが度重なると、そのことで自分自身に不満を持ったり、周囲にからかわれたりする経験も増えてきます。

人から上手く話せないことを注意されたり、笑われたりする経験が増えれば増えるほど、話す前に不安を感じたり、緊張したり恐怖を感じたりするようになります。緊張したり慌てたりすると吃音が出やすくなる傾向があり、悪循環に陥ってしまいます。

小学生になると音読の時間が怖くなったり、うまく話せないことで自信を喪失し、クラスの子とうまくコミュニケーションを取れなくなったり、様々な悩みを抱え込むことが多いようです。

吃音がある子がうまく挨拶の言葉が出ず、先生に叱られたり、クラスメートに話し方をからかわれるなど、周囲の無理解が更に本人を追い詰めることもあるので注意が必要です。

どう対処していくか

吃音には現在、確立した治療法がありません。努力したから治るというものではないことを、本人も周囲の人も認め、正しく理解することが大切です。
幼児期に吃音を発症したのなら、「ゆっくり!」「もう一度ちゃんと話して」などと注意するのは逆効果なのでやめましょう。

子供が安心して話せる環境を作り、親自身がゆっくり話してあげるなどの工夫をすることが大切です。
子供が好きなことを一緒にやり、吃音があっても吃音にはこだわらず、話の内容にしっかり耳を傾けましょう。こうすることで、吃音があっても「話すのが怖い」「怒られたらどうしよう」などと思わずに会話ができる子供に育ちます。

吃音があっても自信を失うことなく、吃音と向き合いながら学校生活を送るためには、周囲の理解とサポートが欠かせません。からかうクラスメイトや無理解な先生がいたら、吃音について理解してもらえるように説明しましょう。保護者が入学前に学校に相談しておくのも良いでしょう。

周囲に理解してもらうことで、本人が気後れすることなく、学校生活が送りやすくなります。
「言葉に詰まっても大丈夫」「言葉に詰まっても言いたいことは言える」。本人が、こう思えるようになることが大切です。吃音のある自分を肯定し、そのままで大丈夫だと自信を持てるように、親や周囲の人間が支えてあげましょう。将来的には、自分の吃音について自分で説明できる力と勇気を持てるようになるのが目標です。

【参考文献】
※熊本日日新聞総合版平成27年3月30日『言葉詰まっても「大丈夫」 周囲も理解を』
日本吃音臨床研究会
吃音について 国立障害者リハビリテーションセンター研究所
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