大人向け絵本の紹介5冊目です。
世界的名作絵本なので、ご存じの方も多いと思います。原作のタイトルは『The Giving Tree』、日本では『おおきな木』というタイトルで広く知られている絵本です。
りんごの木の男の子に対する無償の愛がテーマです。りんごの木は純粋に与えるだけで、見返りを一切求めていません。世の中にはいろんな愛の形が存在しますが、私は子供の頃初めてこの絵本を読んだとき、こんな愛の形が本当にあり得るのかと疑問を持ちました。それでも、ずっと印象に残っていた絵本です。
母親になった今では、この愛の形は存在すると理解できます。理解できるという人、できないという人、いろんな意見があっていいと思います。読者に疑問を投げかけ、考えさせる力を持った素晴らしい絵本です。
翻訳によって微妙にニュアンスが異なります。村上春樹さんの翻訳もありますので、興味のある方はご覧下さい。原作をそのまま読んでみるのも楽しいと思います。
※『おおきな木』シェル・シルヴァスタイン(作・絵)、ほんだ きんいちろう(翻訳)、篠崎書林、1976年
※村上春樹の翻訳はこちら