夏休みは家族で山に出掛ける方も多いと思いますが、キャンプなどをする際、注意が必要なのがハチによる被害です。8月は年間を通して最もハチに刺される被害が多い月です。
ハチは夏から秋にかけて数が増え、巣も大きくなります。この時期は、ハチが巣を守るために最も攻撃的になります。今年は例年以上にハチによる被害が多いと報告されています。ハチに刺されたときの応急手当と予防のポイントについて知っておきましょう。
ハチに刺されたときの応急手当
ハチに刺されたら、すぐに毒を吸い出しましょう。とげが刺さっていたら毛抜きで抜きます。強烈な痛みがありますので、子供は泣くでしょう。傷口をひょうのうなどで冷やすと、蜂毒が回るのを遅らせる効果があり、痛みも和らぎます。ひょうのうがないときは、氷水をビニール袋に入れて冷やしたり、凍らせておいた保冷剤をガーゼなどに包んで当てると良いでしょう。
患部を冷やしながら病院へ行き、皮膚科を受診しましょう。塗り薬や飲み薬を処方してもらえます。ただし、一部の人はハチに刺されたことで重いアレルギー反応を起こすことがあります。その場合は一刻を争いますので、救急車を呼ぶなどして、大至急病院へ行くようにしましょう。
蜂毒アレルギーとアナフィラキシー
厚生労働省の調査によると、日本では蜂刺されによるアナフィラキシーショックで年間約20人が亡くなっています。アナフィラキシーを起こす代表的なハチはスズメバチとアシナガバチです。
蜂毒にアレルギーがあると、刺された人の約10〜20%がじんましん、嘔吐、呼吸困難などのアナフィラキシーを起こすといわれています。亡くなった方の直接の死因として最も多いのは、喉がむくんだことによる窒息死です。アナフィラキシーを疑う場合は応急処置として軌道の確保や人工呼吸が必要な場合があります。
アレルギー症状の多くは、初めてハチに刺されて体内に蜂毒に対する抗体ができた後、再び刺されることで起きやすいと考えられています。蜂毒アレルギー体質の人は、ハチに刺される回数が増える度にアレルギー症状が重くなる傾向がありますので、注意が必要です。しかし、初めてハチに刺されて亡くなるケースもありますので、自己判断せず、必ず病院を受診するようにしましょう。
なお、子供の場合は重いアナフィラキシーに至るのは1%程度と考えられています。
ハチに刺されないために 予防のポイント
ハチは高温になると興奮状態になる習性があり、不用意に縄張りに近づくと大変危険です。特に7〜9月はハチに刺される事故が多い時期です。散歩や山に出掛けた際など、気づかないうちにハチの巣に近づいてしまって攻撃されることがあります。
ハチが飛んできたら、手で振り払ったり、大騒ぎしたりせず、身をかがめてそっとその場を離れましょう。巣から離れれば、攻撃されることはありません。急に動くと刺されることがありますので、不用意にハチを刺激しないようにしましょう。家の中にハチが入ってきたときは追い払うと攻撃されますので、窓や玄関を開け放ち、自然に外に出るのを待ちましょう。
ハチに刺されないためには、服装を白っぽい明るい色のものにし、長袖を着用してなるべく肌を出さないようにすることです。黒色はハチに攻撃されやすいので避けましょう。化粧品や香水にはハチが寄ってくる習性がありますので、野外での活動の際は使用を避けるようにしましょう。
参考サイト
蜂毒アレルギーってなあに?|蜂毒アレルギー|アナフィラキシーってなあに.jp
http://allergy72.jp/bee-allergy/what.html
森林レクリエーションでの スズメバチ刺傷事故を防ぐために 森林総合研究所
http://www.ffpri.affrc.go.jp/pubs/chukiseika/documents/1st-chukiseika-5.pdf
すずめ蜂の被害を防止しましょう
http://www.town.kutchan.hokkaido.jp/town/kankyoutaisaku/tiikieisei/suzumebati.jsp
※ハチ被害の報告に関しては、熊本日日新聞平成25年8月15日朝刊より。