子供は頻繁に熱を出します。しかし、発熱といっても風邪をはじめ、いろんな原因が考えられますので、取るべき対応は一様ではありません。
どんなときが緊急なのか、判断は難しいものです。ただの風邪だと思っていたら、思わぬ病気が隠れていることもあります。
ここでは、子供が熱を出したときの対処法と、注意のポイントについてご紹介します。
受診の目安
少し熱っぽくても機嫌が良くて食欲があるなら、家で様子を見ても良いでしょう。
普段に比べて機嫌が悪く、食欲が落ちたら少し注意が必要です。高熱が一日以上続いていたら、診察時間内に病院を受診しましょう。
子供がぐったりして元気がなく、水分すら受けつけないようなら、夜中でも病院へ連れて行きましょう。
子供の意識がなかったり、ひきつけを起こしたりしているときは救急です。熱が39度以上あり、頻繁に吐いたり、激しい下痢をするような場合は危険な症状です。救急車を呼んですぐに病院へ連れて行きましょう。
病院を受診するときは
発熱以外にも何か症状がないか、注意深く子供を観察しましょう。発疹や口内炎はないか、鼻水やせきが出ていないか、どこか痛がっていないか、分かる範囲で良いので調べておきます。
子供の病気の経過や症状に詳しい人が病院へ連れて行くのが一番ですが、それができないときはメモして、医師に伝えるようにしましょう。自宅でどう過ごしていたか、薬を飲ませたなら、その薬が何か分かるものを持参しましょう。
お子さんの周囲に同じような症状の人がいるなら、それも医師に伝えます。経過観察中の他の病気やアレルギーがあるなら、忘れずにしっかり伝えましょう。
医師が診察しやすいよう、子供には脱がせやすい服を着せて連れて行きましょう。診察直前にミルクをあげると吐いてしまったりすることがあるので、受診直前に食べ物を与えるのは避けます。
合併症に注意
子供が発熱する病気は風邪、インフルエンザ、おたふくかぜ、ヘルパンギーナ、咽頭結膜熱(プール熱)など、たくさんあります。病気を特定して治療を行うことはもちろん大切ですが、特に注意すべきは合併症です。
例えば風邪をこじらせると急性気管支炎、肺炎、急性中耳炎などの合併症を起こすことがあります。インフルエンザで合併症を起こすと、急性脳炎やインフルエンザ脳症になることがありますので、注意が必要です。
急性脳炎は、はしかや水ぼうそうの合併症でも発症します。肺炎球菌や溶連菌、結核菌などが原因で髄膜炎を起こし、脳血栓や脳梗塞を起こしたり、まひや知的障害などの後遺症が残ることもあります。
合併症を見落とさないためには、お子さんがかかっている病気のケアだけでなく、症状が急に悪化したり、変化していないか注意深く観察することが大切です。
高熱が続いて嘔吐を繰り返したり、けいれんしたり、意識が戻らないような場合は急いで病院を受診してください。
命にかかわることもありますので、早い対処が重要です。
参考本