限定されたジャンルによる「隠れた名曲100選」という企画は昔からありまが、巷で聴かれているポップミュージック全体に広げてみるとどうなるのか?
かなり無謀な思いつきですが、独断と偏見も交えながら、洋楽黄金期だった1960〜1990年代の隠れた名曲をチャート形式でピックアップしていきたいと思います。また、何故「懐かしの」と銘打ったかは最後に説明します。
第100位 Gasoline Alley (ロッド・スチュアート)
これは、ロッド・スチュアートの声だから名曲になり得たという感じでしょうか。土臭くてシンプルなんですけど、クセになるという。
第99位 Sexx Laws(ベック)
ごめんなさい、デビューした当時は舐めてました。はい。
彼は最初に聴くアルバムで評価が分かれると思うんですが、未聴ならまず『Midnite Vultures』をオススメします。
第98位 World Without You(トリーネ・レイン)
小林克也さんに「一発屋」と言われてたみたいですが、この曲も含めて3rdアルバム『ファインド・ザ・トゥルース』は佳作だと思います。
第97位 Get Ready(ボン・ジョヴィ)
1980年代後半は良さが分からなかったんですが、今聴くと格好いいですね。デビュー時から大ブレイクして当然だったと言わんばかりの引き出しの多さだと思います。
第96位I Looked Away(デレク・アンド・ザ・ドミノス)
「いとしのレイラ」目当てでアルバムを買い、他の曲を聴かなかった子は手を挙げなさい。先生は怒りません。
...すいません、この曲の良さに気づいたのはCD購入の三年後です。
第95位 Hey Stoopid(アリス・クーパー)
同じエンターテインメント性を前面に出したオジー・オズボーンとのコラボ曲です。大ヒット作『トラッシュ』の陰に隠れがちなのが残念です。
第94位 Taxman(ビートルズ)
ビートルズの曲と言えば、レノン/マッカートニーかそのどちらかが作曲というイメージがありますが、これだけ言わせてください。この曲はジョージ・ハリソンが作曲しました。それを知って欲しかったのです。
第93位 Saving All My Love for You(ホイットニー・ヒューストン)
元々彼女の代表曲でしたが、映画『ボディガード』の主題歌で認識が変わっちゃいましたね。一般層からすると隠れた名曲に該当するでしょう。
第92位 Quicksand Jesus(スキッドロウ)
この曲が収録されたアルバムが全米第1位になったんですが、最初に聴いたときは歌メロを無視する箇所なんかにちょっと驚いた記憶があります。当時のハードロックのバラードは曲も歌も杓子定規的なところがありましたから。
第91位 D'yer Mak'er(レッドツェッペリン)
この曲は面白いですね。レゲエでもレゲエ調でもないという。レッドツェッペリンの醍醐味はこういったジャンルの枠に収まらないバラエティーさにあるんですが、私はこの曲を彼らの名曲五選に入れますね。
第90位 From The Inside(アリス・クーパー)
アルコール依存症で入院した体験を元にした曲ですが、テーマよりも彼の作曲者としての才能がよく分かる一曲だと思っています。
第89位 Sleeping Bag(ZZトップ)
飲食店を一軒通過したら、次の店まで一時間近くかかる北海道の道路をドライブしていて癖になった一曲です。アメリカで、サイクリングやドライブのBGMとして高い人気を誇っているのが理解できましたね。
第88位 Blue Monday (ニューオーダー)
本家も二度セルフカバーしてますが、色んな人がカバーしててオリジナルバージョンは影が薄いような...。
改めて聴くと、こういったサウンドがまた流行りそうな気がします。
第87位 Hang 'em High(ヴァン・ヘイレン)
ヒットした(Oh)Pretty Womanのカバーや、続くJumpやPanamaに挟まれてますけど、ライブ映えする疾走感満点の名曲です。
そういえば1980年代の日本の歌謡曲って。エディ・ヴァン・ヘイレンのギターサウンドを目指した曲が多かったですね。
第86位 Zero The Hero(ブラックサバス)
初めてこの曲を聴いたときは「これは凄い!」とか全然思いませんでした。ただ、何度か繰り返して聴いたあと、イアン・ギランの声が耳にまとわりついて、脳内でサビが延々と聞こえてきたんです。中毒性の高い一曲だと思います。
第85位 Unforgettable (ナット・キング・コール)
色んなミュージシャンがカバーして、どれがオリジナルなのか分からなくなることがあります。この曲もそうで、一般的には娘のナタリー・コールのバージョンが有名でしょうか。私は断然ナッキンの方が好きです。
第84位 Mountain Top(Vow Wow)
逆輸入ですが、当時は「日本のバンドもここまでになったのか!」と感動しました。人見元基さんの歌声とイントネーションが素晴らしく、オリエンタルなこの曲がきっかけで、私は後に民族音楽を先行しました。
第83位 そよ風の誘惑(オリビア・ニュートン・ジョン)
ベタすぎる一曲ですが、今では杏里さんの「オリビアを聴きながら」も、オリビア・ニュートン・ジョンのこの曲も知らない人が多いのです。
私が驚いたのは、この曲を聴いて「電話の保留音に歌詞があったんだ」という感想です。
第82位 Starless(キングクリムゾン)
ベスト盤にも収録されていますし、隠れた名曲ではないように思えますが、実はアルバム以外のバージョンは前半だけしか聴くことが出来ません。後半のハイテンションな演奏にとても驚いた記憶があります。
第81位 In The Ghetto(エルヴィス・プレスリー)
この曲を聴いてエルヴィスに対するイメージが変わりました。貧民街の、生まれては消えていく一組の親子に焦点を当て、持ち前の美声で朗々と歌あげているという。結構涙腺緩みます。
第80位 Rocket Queen(ガンズアンドローゼス)
個人的にガンズアンドローゼスと言えば、Welcome To The Jungleなどよりこの曲かなあ、と。グラムロックやハードロックだけでなく、ファンクやブルーズロックなどのエッセンスがあり、堂に入っていると思います。
第79位 July Morning(ユーライアヒープ)
長尺な名曲の宿命といえば、再評価ブームが去るとあまり聴かれなくなることでしょうか。さくっと聴けませんが、ハモンドオルガンの音色が好きな私は飽きずに聴いています。
第78位 A Lil' Ain't Enough(デイヴ・リー・ロス)
スターとは悲しいもので、ちょっと陰りが見えると「落ちぶれた」、「終わった」と言われます。でも、本当にそうでしょうか?当時は「1990年代を意識した暗いサウンド」といった評価を読んだことがあるのですが、十分脳天気なノリですよ。
第77位 Tell All The People(ドアーズ)
この曲が収録されている『ソフトパレード』は、バンドの状態から駄作扱いされることが多いんですが、実は日本で最も人気が高かったのはこの時期なんですよね。並のバンドならこの曲調と抜けのいいサウンドは不可能だったと思います。
第76位 Play That Funky Music(ワイルドチェリー)
一発屋であることは否定できませんが、元々彼らはロックバンドだった点はユニークですね。ちょっとした、いえ、かなり麻薬性のある曲調がツボでして、たまに聴きたくて仕方がなくなることがあります。
第75位 Freedom(ジミ・ヘンドリクス)
後追い世代だからか、ジミ・ヘンドリクスの凄さというのは、理想のスタジオを手に入れてから、特に遺作にこそ集約されていると思っています。この曲は、ギタリストというよりコンポーザーとしてのジミヘンが堪能できます。
第74位 Diamonds And Rust(ジョーン・バエズ)
「洋楽版中島みゆき」と呼ばれることがありますが、中島みゆきさんも彼女の影響を受けてますから、言い得て妙ですね。
ボブ・ディランとの思い出を歌ったというエピソードよりも、ロック寄りのサウンドが成功している点を評価。
第73位 Given to Fly(パールジャム)
ニルヴァーナと同時期にメジャーデビューしたからか比較され続けてきましたが、そういったものはちょっとナンセンスだと。個人的にパールジャムはデディ・ヴェダーの声質も相成って初期よりもこの頃が味わい深くて好きです。
第72位 Locked In(ジューダスプリースト)
彼らのベスト盤を購入すると、アルバム『ターボ』からタイトルトラックのみ収録されているんですが、この曲の方が良いと思うのです。「ステレオタイプなイメージのメタルバンドがポップな曲を演ったら?」という好例です。
第71位 I'm A Man(スペンサー・デイヴィス・グループ)
スティーヴ・ウィンウッドのハモンドオルガンと歌が最高です。トラフィックやソロもいいんですけど、まずデビュー期ですね。1960年代の多様なニュアンスも伝わってきますし。
第70位 Tattooed Dancer(オジー・オズボーン)
私、よくベルボトムを履きます。別にラブ・アンド・ピースではありません。そもそものきっかけはこの曲を弾くザック・ワイルドの映像を見たからです。肝心の曲も格好いいんですが、とにかくザックが格好よかった。
第69位 Rock & Roll(ヴェルヴェットアンダーグラウンド)
この曲のあとにリリースされたレッドツェッペリンのRock & Rollの方が有名になってしまいましたが、こちらも思い出してあげてください。
ロックというか、現在ならポップミュージックに対する賛歌だと思っています。最近、一生聴き続けられる名曲と出会ったことありますか?
第68位 Shine A Little Love(エレクトリックライトオーケストラ)
ドラマなどで彼らのMr.Blueskyが使われまくったため、他の名曲が隠れた名曲状態になっている気がします。楽しくてポップで曲が綺麗なバンドって最近皆無ですよね。
第67位 Walk In My Shadow(フリー)
「ブルースギターが弾きたい!」と言ったときに薦められた曲の一つです。とにかくポール・コゾフのギターが最高です。当時18歳とは思えない貫禄。そして、それをバックに歌うポール・ロジャースも既にベテランの域ですね。
第66位 I Got Dreams To Remember (オーティス・レディング)
とてもショックなことがあった時、この曲が流れてきたら涙があふれそうになりました。
今回、この記事を書くにあたって聴き返したところ、やはり癒し効果抜群というか、オーティスは稀代のミュージシャンだったと思います。
第65位 You Are The Music... We're Just The Band (トラピーズ)
一応「ブリティッシュハードロックバンド」と紹介されていますが、非常にタイトでファンキーなノリの曲です。曲名からして良いですよね。個人的にはレッドツェッペリンのRock And Rollと同じくらい高く評価しているアンセムなのですが。
第62位 Warrior(ライオット)
この曲を聴いて赤面した人は1970年代生まれかと思われます。本城未沙子さんや五十嵐夕紀さんがこの曲をカバーしていた他、オマージュと思われる歌謡曲がいくつも存在するからです。事実、無駄な要素がないですし、ストレートに耳へ入ってきますから。ジャンル問わず「名曲」の定義はそういった土台にあります。
第63位 今夜はドント・ストップ(マイケル・ジャクソン)
皮肉なもので、この曲やアルバム『オフ・ザ・ウォール』が再評価されたのはマイケル・ジャクソンが亡くなってからのように思えます。R&Bの入門に彼の作品を薦めると「今更?」という顔をされますが、この曲を聴いてからそういった顔をしてくれと。
第62位 華麗なる復活(ブライアン・メイ・アンド・コージー・パウエル)
フレディ・マーキュリーの逝去によって制作が中断していたため、仰々しい邦題がつけられたのでしょうか?
ともあれ、親友コージー・パウエルの全面参加もあり、「クイーンの」という肩書きが無くても熱気が伝わってくる名曲です。
第61位 Savannah Woman(トミー・ボーリン)
彼の最も大きなキャリアが「ディープパープルに在籍していた」ので、ボサノヴァを演奏していたのは意外かも知れませんね。ロックからジャズ、ラテン音楽に聴き進みたい人にオススメの一曲です。
第60位 迷信(スティーヴィー・ワンダー)
この曲もカバーされすぎてオリジナルがあまり聴かれなくなった一曲ですね。最近だとコブクロもカバーしてます。
私も最初はジェフ・ベックなんかのバージョンから聴き始めたんですが、結局本家が一番好きになりました。リズミカルなクラビネットのフレーズもいいんですよ。
第59位 Pistolero(ジュノリアクター)
彼らが大所帯で2006年に来日し、品川ステラボールで演奏していた頃、私は新宿ゴールデン街はメガンテという店で友人と飲んでおりました。「行きたかったね」と。因みにこの流麗なスパニッシュギターを弾いているのはスティーヴ・スティーヴンスです。
第58位 Shinkicker(ロリー・ギャラガー)
典型的なロックンロールですが、「魂のギタリスト」もしくは「庶民のギタリスト」による痛快な一曲。このテイクの弾けっぷりは尋常ではありません。
Charさんによると、彼の圧倒的な説得力はその日の酒量にあるそうです。「飲めば飲むほど強くなる」と言いますが、最近すぐ酔っぱらう私は羨ましいかぎり。
第57位 Hard Luck Woman (キッス)
キッスのファンにとっては絶対外せない名曲ですが、イメージを覆すような、古き良きアメリカンロックのバラードといった感じですね。昔、寺田恵子さんがTVで歌っているのを見て大好きになりました。
第56位 Accidents Will Happen(エルビス・コステロ)
コステロは、デビュー作にも大御所になってからも感動することはありませんでしたが、この曲が収録されているアルバムを聴いてファンになりました。私のように昭和50年前後生まれの方はツボのサウンドじゃないですかね。
第55位 Jerusalem(エマーソン、レイク&パーマー)
彼らの代表曲に挙げられがちなこの曲、イギリスのチャーチミュージックだって知ってました?安心してください。私も13年前まで知りませんでしたから。なので、「隠れた名カバー」としてピックアップです。
仰々しいイントロ、盛り上げ方と、多分、このバージョンがなかったら、私は原曲を聴こうともしなかったでしょう。
第54位 The Gypsy(ディープパープル)
ベスト盤に収録されない一曲ですが、この曲はハードロックと1970年代のR&Bの良い部分が融合された奇跡的な一曲でしょう。フレームにはまったハードロック曲ばかり求められるバンドのネックというか、ちょっと毛色が異なると陰が薄くなるのは悲しいですね。
第53位 The Air-Conditioned Nightmare(ミスターバングル)
この曲には驚きました。単にポップでキャッチーなだけでなく、アメリカ西海岸のサウンドを1950年代から1990年代まで網羅したと言わんばかりの仕掛けに。何でもありに聞こえて、実は秩序があるところが素敵です。
第52位 心のラブソング(ポール・マッカートニー)
よく、「レノン/マッカートニーのどちらが上か?」と議論されますが、私はポール・マッカートニーの方が好きでした。今ではそんなことが馬鹿馬鹿しくなりました。
急病で日本ツアー(2014年のアウト・ゼアー・ツアー。)が中止になったのが残念です。
第51位 Larger Than Life (リタ・フォード)
バラードもヒットし、大人びた方向に行くのかと思いきや、さらにコテコテのメタル姉ちゃんになった頃ですね。
中庸な曲なんですが、ガレージロックやブリットポップがブームになる直前だったので、ある意味潔い隠れた名曲です。
第50位 Sylvia(フォーカス)
なんだかドラッグストアやスーパーで流れていそうなメロディですが、とても上手くまとめていると思います。
彼らの代表曲の一つですが、「インストゥルメンタルは楽器のテクニックをひけらかしているだけ」という先入観を払拭してくれる隠れた名曲です。
第49位 Feeling Hot(カヴァーデイル/ペイジ)
「愛憎表裏一体」と言いますが、発表当時は評論家諸氏から叩かれていた記憶があります。でも、いい曲ですし、アルバムも佳作だと思いますよ。レッド・ツェッペリンとホワイトスネイクのどちらも好きな方、ブルースロックが好きな方は必聴です。
第48位 Baby Get It On(アイク・アンド・ティナ・ターナー)
ティナ・ターナーは1980年代に復活してソロ名義になって以降より好きです。この曲はイントロだけでテンションが上がっちゃいますね。
自伝映画の中では最低な夫のアイク・ターナーですが、音楽面では才能豊かであったことがうかがえます。
第47位 Grow Old With Me(ジョン・レノン)
年を重ねると老いていくだけなのか、それとも熟成されていくのか?そう考えたときに脳内で流れる一曲ですね。
政治的なメッセージを含んだジョンの曲はあまり好きではないのですが、こういったラブソングは大好きです。この曲が教えてくれるのは熟成です。
第46位 Pulsewidth(エイフェックスツイン)
彼が「新世代の天才現る!」と騒がれたのが二十年以上前ですか。私も歳を取るわけです。
デビュー作にして捨て曲が無いと評価されますが、この曲は抜きん出ていいですね。当時は「十年後に聴いても古くさく感じないかも」と思ったものですが、今聴いても陳腐ではありませんね。
第45位 Until It Sleeps(メタリカ)
この曲いいですよ。というか、メタリカって代表曲を熱心に薦めても、当時のジェイムズ・ヘッドフィールドの歌唱法が生理的に受け付けなかったりすると良さがわかりませんもの。
もし、最初にメタリカを聴くならこういった曲がうってつけだと思います。
第44位 Man On The Moon(R.E.M)
高校生の頃ですが、この曲とその後い続くNight Swimmingのどちらが名曲か、友人と他愛のない論争をしたことがあります。
私は断然この曲が好きで、それは今でも変わりません。スライドギターも効果的でアレンジも素晴らしいと思います。
第43位 Take Me With You(ホワイトスネイク)
この曲のライブバージョン大好きですねえ。熱気も伝わってきますし、個人的にベストラインナップだと思ってますから、各メンバーによる熟練の応酬がたまりません。これを聴いてブルースロックバンドだった頃のホワイトスネイクが大好きになりました。
第42位 Solid Gold Easy Action(T.レックス)
CMや映画でよく耳にする曲ですね。ファンにとっては20th Century Boyと同じくらい手垢にまみれているイメージがありますが、最初から最後まで聴いたことがあるという人は少ないようですね。アルバム未収録曲だということもあるのでしょうが。
第41位 Triste(アントニ・カルロス・ジョビン)
「電話の保留音」と言った方がわかりやすいでしょうか。ラテン音楽界の巨人アントニ・カルロス・ジョビンの曲なんです。
曲の後半、フェードアウトするときの転調がちょっと変わっています。どこか遠くに連れて行かれるような、夏休みの昼寝にピッタリな一曲。
第40位 Brighton Rock(クイーン)
フレディ・マーキュリーの超人的な歌ばかりが注目されますが、この曲の主役はギターのブライアン・メイです。私がギターを弾き始めた頃、ディレイの使い方をこの曲のソロから学んだ思い出があります。しかし、ジャケット写真が暑苦しくて中々手が出ませんでしたねえ。
第39位 No Not Now(フランク・ザッパ)
フランク・ザッパが一筋縄でいかないことは確かですが、アヴァンギャルドな曲しかないという認識は間違いです。
とはいえ、ファンである私でさえ最初は「CDの中身が違っているぞ!」と驚きましたが。
第38位 Symphony Of Destruction(メガデス)
個人的な好き嫌いですが、メガデスってちょっと取っつきにくかったんですが、この曲がきっかけで大好きになりました。
マーティー・フリードマンの貢献度に驚きましたが、その後、お茶の間でおなじみのキャラになるとは思いもしませんでした。
第37位 Gling Glo(ビョーク)
「アーティスティック」、「お騒がせ」といったイメージがつきまといますが、ソロデビュー作はジャズ作品だったんですよね。子供から大人まで聴ける、ジャズボーカルの入門作としても聴けますし、バックを務めるアイスランドのジャズマンの名演に聴くのも有りです。
第36位 Hotaka(ジュノリアクター)
2002年に行われた武尊祭のために作られた曲なんですが、PVは今見るとちょっと恥ずかしいものの、鼓童が参加しているパートは普遍的な格好良さがありますね。こういったカタルシスのある曲は大好きです。
第35位 Angel Of Death(シンリジィ)
「売れなかった」、「バンドの統制がとれていなかった」という理由から評価が低いのですが、この曲は日本人の琴線に触れると思いますよ。躍動的なベースと演歌調のメロディも相成り。元々アイルランド民謡をロックアレンジしてブレイクしたバンドですから、こういった曲こそ独壇場だと思いますよ。
第34位 Oh Father(マドンナ)
初めてこの曲を聴いたときは嫌いでしたねえ。1980年代の根拠のない明るさが無くて。でも、改めて聴き返したときに感動しました。「こんなに美しい曲だったんだ」と。歌詞はかなりヘビーですが、ライトなファンにも聴いて欲しい一曲です。
第33位 Sin-Decade(プリティメイズ)
このバンド、特にこの曲は大好きですね。ボーカルのロニー・アトキンスの声質が日本人に近いんで耳に自然と入ってきます。でも、ディープで伸びがあるという。重厚なサウンドが辛くなってきましたが、今でもたまに聴いています。
第32位 Soul Sacrifice(サンタナ)
この曲に関しては「ウッドストックでのライブバージョン」に限定させていただきます。一瞬、内野聖陽さんと見間違う若き日のサンタナも素晴らしいですが、特にパーカッションが凄すぎます。スタジオバージョンでは不完全燃焼な暑苦しさがたまりません。
第31位 Lady Cab Driver(プリンス)
マイケル・ジャクソンにしろ、マドンナにしろ、あんまりにも巨大な存在になってしまいましたが、1980年代というのは玉石混合ながら突出した天才を生み出した時代なのだと思います。プリンスの場合、ベスト盤に収録されないクセのある曲に注目すると「これは凄い!」と感心しますね。
第30位 Thunderstruck(AC/DC)
「当時は低評価だったけど、今聴くと名曲」というピックアップが多い中、この曲は逆みたいですね。
AC/DCとしては異質ですが、イントロから徐々に各パートが加わって盛り上がる展開は「アリーナロックとはかくあるべし!」です。真夏の夜に聴きたい一曲。
第29位 涙あふれて(マリアンヌ・フェイスフル)
これまた、どこかで聴いたことがあるけど誰の曲か意外と知られていない名曲の一つですね。
私は本家ローリング・ストーンズより彼女のバージョンの方が好きです。ルックスや波瀾万丈なエピソードは重要ではなく、流麗な曲に優しくフィットする歌声が素晴らしいんです。
第28位 So Sad About Us(ザ・フー)
ロゴ入りTシャツやグッズは持っているけど曲は聴いたことが無いバンドNo.1じゃないでしょうか?私も十代の頃、ロックのイコンという認識だったんですが、この曲を聴いてイメージが変わりました。ポップでノリがいいラブソングですね。アルバム『四重人格』などの前に聴いておきたい一曲。
第27位 Mellow Yellow (ドノヴァン)
昔、メロウイエローというジュースがありました。それを企画した方が「日本初の柑橘系炭酸飲料を出したかくて提案した」と語ってくれたのですが、ふと、この曲名から商品名を思いついたのかな?と思うことがあります。その方とは、よく音楽談義に花を咲かせたものです。
第26位 Danger Zone(レインボー)
1990年代後半まで、日本でハードロックと言えば絶対避けては通れないバンドだったと記憶しています。でも、この曲は意外と知られていないんですよね。曲順がいけなかったのかも知れませんが。
改めて聴くと当時の日本の歌謡曲に多大な影響を与えていたことがうかがい知れます。
第25位 Red Sky(マイケル・シェンカー・グループ)
マイケル・シェンカーが特に日本で愛された理由がわかる一曲です。哀愁漂うギターソロだけでなく、四七抜き節を思わせるメインテーマが耳にまとわりつくんです。
彼を「神」と最初に呼んだのは音楽評論家の酒井康さんでしたが、本当に神懸かりな名曲が多いミュージシャンですね。
第24位 Muffin Man (フランク・ザッパ&キャプテン・ビーフハート)
フランク・ザッパというと、やはり色んな意味でオーソドックスなことをしていると注目されないのでしょうか。
トリッキーでテクニカルなだけでなく、こういったブルースギターのセンスも抜群なんですよね。キャプテン・ビーフハートの声も絶妙で、彼らのファンだけが聴いているのは勿体ない一曲。
第23位 She's A Rainbow(ローリング・ストーンズ)
病みつきになる曲にはいくつかポイントがあるんですが、この曲はその多くを揃えていますね。すぐ気づくのが「誰でも口ずさめる」、そして、「単純だが飽きない反復」。
初期ストーンズは、Jumping Jack Flashなどのロックチューンだけでなく、こういった美しい曲も生み出していたんですね。
第22位 Moonchild(アイアンメイデン)
私、ギリギリでリアルタイム世代ですが、当時は評価低かったですね。恐らく重厚なサウンドがアイアンメイデンらしくなかったという理由なんでしょうが、現在では重要なオープニングナンバーですね。これぞヘビーメタルといった一曲です。
第21位 Trampled Under Foot(レッドツェッペリン)
十代の頃から聴き続けてきたからか、レッドツェッペリンはポップミュージックの手引き的な存在です。
ロックファンから「ディスコでオススメのアルバムない?」と問われると、「ツェッペリンのこの曲聴いて」と答えるようにしてます。何を演ってもツェッペリンに聞こえて記憶に残る。これは非常に重要なことです。
第20位 Ride Sally Ride(ルー・リード)
過去の高評価から、「ヴェルヴェットアンダーグラウンドで有名なだけ」とか「ギターも歌も下手」と、過大評価であると断言するのが格好いい風潮になりましたが、こんな名曲もあったんですねえ。
ルー・リードは元々作編曲が本業ですから、じっくり聴き込むと名曲が沢山ありますよ。
第19位 Let The Music Do The Talking(エアロスミス)
アルバム全体は、復活作にしては散漫な感じですが、「商業的に失敗したから」という理由で聴かないのは勿体ない。
この曲はギターのジョー・ペリーがソロ作で発表済みでしたが、やはりスティーブン・タイラーの方がしっくりきますね。
第18位 A Question of Honour (サラ・ブライトマン)
曲のイントロなどは非常に有名ですが、誰の曲か意外と知られていません。おそらく、この曲が収録されたアルバムの国内盤がリリースされなかったのが要因だと思いますね。
イントロや曲の一部だけでなく、全編通して聴いて欲しい名曲です。個人的にはTime To Say Goodbyeより好きです。
第17位 Listen, Learn, Read On(ディープパープル)
ハードロックバンドになる前の一曲です。イアン・ペイスのドラムが後の名曲Burnとリンクする曲ですが、Burnほどフレームにはまってもおらず、何故ベスト盤に収録されないのか不思議です。ちょっとサイケデリックな音響効果もあるあたりが意外で面白いですね。
第16位 Arnold Layne(ピンクフロイド)
「シド・バレット=向こう側に逝っちゃった人」というイメージを覆してくれた一曲です。デビュー前にポール・マッカートニーやミック・ジャガーが一目置いていたというのがよく分かります。
割り切って聴けば、この曲に限らず初期ピンクフロイドはとてもポップで親しみやすいです。
第15位 Teo Torriatte(クイーン)
こういった日本語を織り交ぜた曲は「日本市場を意識してではないか?」と勘ぐってしまいますが、そんなことありません。フレディ・マーキュリーはお忍びで何度も来日していたからか、非常に流暢な日本語を歌い上げています。代表作「オペラ座の夜」の次作に収録されているため目立ちませんが、まさに隠れた名曲ですね。
第14位 Let Me Entertain You(ロビー・ウィリアムズ)
「元アイドルグループでしょ?」、「今時こんなの流行らないよ」と、馬鹿にしていた人が多かったように思えます。何故なら、21世紀の尻尾も見えてきた時期に1980年代のド派手なノリだったんですから。
1990年代って、1980年代の反動からか陰鬱なサウンドが流行したんですよね。なので、「俺が君たちを楽しませようじゃないか!」というアプローチと曲調が新鮮でした。
第13位Blood On Blood(ボン・ジョヴィ)
昔、大晦日と元旦をまたぎ、東京ドームで音楽イベントが行われていた時期があります。私はまだ中学生で、北海道の片田舎にいたのですが、深夜、TVでこの曲が流れた時は興奮しました。「日本でも海外のような派手なコンサートが行われている!」と感動したものです。
第12位 Whatever You Want(ステイタスクォー)
ジョン・フォガティのRockin' All Over The Worldなどカバー曲ばかりが代表曲に挙げられる彼らですが、この曲は珠玉の一曲ではないでしょうか?
個人的にはAC/DC、ZZトップと並ぶ世界遺産級の金太郎飴バンドだと思っているのですが、日本ではほぼ無名なのが残念です。
第11位 Think(アレサ・フランクリン)
大好きです。特に映画『ブルース・ブラザーズ』版のアップテンポでコミカルなノリはいいですね。
昔、牧田和男さんとお話した際、「アレサはええね」「はい、いいですよね」「んふふ、君、サバ読んでない?」と、何とも言えぬ空気のやり取りをした思い出があります。
第10位 Down Deep Into The Pain(ヴァイ)
スティーヴ・ヴァイに対する個人的なイメージがガラッと変わった一曲です。PVは編集されてますが、アルバム版はかなり混沌としつつ最後まで破綻していないところが素晴らしいですね。
宗教観、死生観、音楽観が込められた一曲です。曲の根っこはシンプルなロックンロールなんですけれど。
第9位 Truth(デヴィン・タウンゼンド)
Down Deep Into The Painでヴォーカルをつとめていたデヴィンのソロアルバム『インフィニティ』の一曲目です。
この曲はすべての音楽ファンに聴いて欲しい。昔、ギターパートをコピーしたことがありますが、「無駄がない!」の一言でした。音響面も練ってあるので、CDを大音量で聴きたい一曲です。
第8位 Ogre Battle(クイーン)
アダム・ランバートとのサマーソニック出演が大々的に報じられたりと、未だにポップミュージックの大御所ですが、こんなハードな曲もあるんです。
トリッキーで劇的な曲展開だけでなく、ライブでも再現できていたのが恐ろしい。この曲を聴くと、「最後に勝つのは本当にクォリティが高い者なんだ」というフレディ・マーキュリーの名言を思い出します。
第7位 Save The Country(ローラ・ニーロ)
下北沢の、とあるロック喫茶で「雨の日に聴きたくなる」と友人がリクエストしたのがきっかけですね。翌日CDを買いに行った記憶があります。
あらゆるジャンルに色んなシンガーがいるわけですが、「人の声ってこんなに素晴らしいのか?」と感動しました。曲以前に彼女の知名度が非常に低いのが残念です。
第6位 Albatross(フリートウッドマック)
もう、何もかも嫌になって景色を眺めていたいと思うことが年に何度かあります。そんな時に必ず聴きますね。
アホウドリが青空を飛ぶイメージで作られたそうですが、砂浜でカモメを眺めながら聴いても癒されます。就寝前にお香を焚いてリピート設定してから寝るのもオススメです。
第5位 Always Look On the Bright Side Of Life(モンティパイソン)
モンティパイソンというか、映画『ライフ・オブ・ブライアン』のクライマックスで流れる挿入歌ですか。モンティパイソンのファンとしては絶対に外せません。
キャッチーで覚えやすいメロディ、作曲者であるエリック・アイドルのとぼけた歌い方が親しみやすく「CMで聴いたことがある曲」と片付けるのが勿体ない名曲だと思います。「死ぬときの明るい面もちゃんと見ようよ」とは、ポジティブなブラックジョークです。
第4位 1984(デビッド・ボウイ)
彼のファンならともかく、一般的には知名度が低い曲です。G.オーウェルの小説「1984年」をテーマにしたため遺族から色々と注文があったからだとか。
ただね、音楽的にはよく出来てますよ。ベスト盤には収録されませんが、ボウイ自身、度々ライブで演奏してますし。今聴いても全然古くさくないこともあり第4位です。
第3位 Riders On The Storm(ドアーズ)
二十年ほど前のことですが、私はちょっとインテリ気取りでした。まあ、若気の至りということで笑ってあげてください。
その中で非常に大きな影響を受けたのがドアーズで、日本初公演になったサマーソニック03はドアーズだけのためにチケット買ったほど。
映画などの影響もありデビュー作ばかりが注目されてしまいますが、実はこの時期が最も完成されたサウンドを披露しているんです。レイ・マンザレクのオリエンタルで幻想的なエレクトリックピアノも絶妙。
第2位 In My Defence(フレディ・マーキュリー)
代表曲に挙げられないのはフレディ・マーキュリー作ではないからかと。
曲自体は珠玉の名曲です。しかし、もっと素晴らしいのは一発録りだったというフレディ・マーキュリーの絶唱ですね。
まるで目の前で歌われているような錯覚はなんでしょうか?初めて聴いたときは鳥肌が立ちました。懐古ではなく、今だから聴きたい、聴いて欲しい不世出の天才による名演。
第1位 Strawberry Fields Forever (ビートルズ)
作編曲を学んでいた頃、課題曲で出された一曲です。有名曲ですが「ビートルズの中では」隠れた名曲にしておきましょう。
幻想的な曲調は高度な技術に裏打ちされてるいるんですが、実はジョン・レノンって楽譜の読み書きが出来なかったそうなんです。
なので、小難しい理論で分析していた私は、絶対的な敗北感と同時に音楽の素晴らしさを教えられましたね。アレンジもこれ以外考えられません。よって、独断と偏見で文句なしの第1位!
編集後記
「懐かしの」という形容と「隠れた名曲」という形容は矛盾するように思えますが、これはめまぐるしく移り変わる流行に対するアイロニーです。熱心なファンにとっては定番曲でも、ベスト盤でしか触れたことがない人とっては懐かしくもあり隠れた名曲だと思うのです。
因みに、この企画に際し、1000曲以上を聴き直して絞り込んだのですが、ついつい聴き入ってしまったこともしばしば。やはり音楽は素晴らしいですね。