冬は火災が増える季節です。

そして、火災による死者の60%以上が65歳以上のシニアで、高齢になるほど多くなります。

体の不自由なシニアが逃げ遅れることが多いのですが、シニア自身が火災を起こしてしまうことも多いようです。

暖房火災

冬になると急に増えるのは暖房火災です。

ストーブで洗濯物を乾燥させる時がもっとも危険です。ストーブは炎が上がらないので洗濯物に火がつくところを想像しにくいのですが、ストーブの上は強い熱気が吹き上げています。洗濯物がおちて火がつくことは非常に多い事故です。

また、寝室などでも寝具がストーブに接蝕して火がつくことがあります。ストーブの側に布や紙、プラスチックなど燃えやすい素材を近づけないよう気をつけましょう。そして、ストーブをつけているときには目を放さないようにしましょう。就寝中にストーブをつけるなどはもっての他です。

たばこの火災

タバコによる火災はいつも火災原因の上位にあります。特に多いのは寝たばこによる火災です。

ふとんにたばこの灰がおちても気がつかないことがよくあります。ふとんはすぐに燃え上がらずに、長時間炎をあげずにくすぶっていて突然燃え上がります。その時には、寝入っていて逃げることも出来ないと言う死亡事故は非常に多いのです。

また、吸殻を灰皿以外のところに捨てて発火することもよくある事故です。吸殻は必ず灰皿に捨て、水につけて完全に消化してからゴミ箱にいれましょう。

仏壇火災

仏壇のろうそくが原因になる火災もシニア世代に多い火災です。ろうそくは必ずろうそく立てのサイズにあったものを使いましょう。また、礼拝が終わったら必ず火を消しましょう。そして、仏壇周りに布性のものを置かないようにしましょう。

お供え物は包装紙やのし紙をとった状態で仏壇におきます。礼拝が終わったら仏壇の上のお供え物は引き上げて、きちんと整理しましょう。

線香は長時間置くものですが、その場を離れるときには一旦消しましょう。せっかくのお参りや礼拝がきっかけで火が出たのでは仏様も立つ瀬がありません。

その他、シニアに多い火災事故

着衣着火

着衣着火もシニアに多い事故です。調理中にレンジ台の奥のものを取ろうとして服の袖に炎が移ってしまうものです。

シニアは一般的に若い世代よりも身長が低いことも関連しています。また、着古した衣類は毛玉や毛羽がたっていて火が燃え移りやすいのです。素材としては、綿、キュプラ、レーヨンなどが毛羽立ちやすいので危険です。

もし着火してしまったら

もし着火してしまったら、速やかに水をかけます。水がないときには、すぐ床や調理台に燃えている部分を押し付けます。

着衣着火は、調理中以外にも仏壇のろうそくの火やたばこの火でもおきます。

意外に多いIHクッキングヒーターの事故

火を使わないと言う意味では安全なのですが、使い方を誤ると火災の原因になるのが、IHクッキングヒーターです。

過熱する力が強いため、揚げものの時の油が予想外に熱くなりすぎて発火することがあります。
炒め物をするときにも、フライパンを予熱するときには思いの他早く熱くなることを認識しましょう。熱くなりすぎたフライパンには少量の油をいれるだけでも発火する可能性があります。

また、誤ってスイッチをおしてしまっても、火がつかないので過熱に気がつかず火災の原因になってしまうことがあります。必ず電源をきっておきましょう。

放火被害にあわないために

火災原因でもっとも多いのは悲しいことに放火です。庭や物置などには簡単に浸入出来ないように必ず施錠しましょう。自転車やオートバイもできるだけ施錠できるところに置き、防炎性のカバーをつけましょう。そして、家の回りに暗がりができないように外灯をつけましょう。

ゴミは夜出さずに収集日の朝に出しましょう。前日にゴミを出してもし放火されてしまったら、被害を受けるのはゴミを出した人ではなくて集配所に隣接する家の人です。

最後に

火災は、起きてしまったら家も家財道具も全て無くすだけではなく、命も落としてしまいます。そして、火災をおこしてしまったら、被害にあうのは火を出した本人だけではなく周りの人の命と財産をおびやかすことになります。絶対におきてはならない事故なのです。

万が一火災がおきてもすぐ逃げられるように、出来るだけ出入り口に近い部屋を寝室にしましょう。また、一人で消化しようとせず、すぐに大きな声で人をよびましょう。

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