皆さんは、「貧血」についてどの程度ご存じでしょうか?よく聞く言葉ですが、症状が重くなると辛い症状があり、軽く見るべきではありません。

女性に多い貧血ですが、子供でも貧血になることがあると聞きます。成長や発達にも悪影響が考えられる子供の貧血について、原因と治療法をまとめました。

貧血とはどんな状態?

貧血とは、血液の成分である赤血球に含まれるヘモグロビンの量が減った状態です。ヘモグロビンは鉄を含むタンパク質です。ヘモグロビンは体中に酸素を運ぶ機能がありますが、体内に鉄が足りないとヘモグロビンの量が不足し、十分な酸素を運べなくなってしまいます。そのために体の様々な組織が酸素欠乏状態に陥っている。これが「貧血」のです。よく勘違いされがちですが、全校集会などでずっと立っていた子が一時的な立ちくらみで倒れるのとは区別して考える必要があります。

貧血の場合、常に体内で酸素が不足している状態が続いています。そのため、酸素を多く必要とする臓器(脳・心筋・骨格筋)に症状が現れます。頭痛、めまい、耳鳴り、疲れやすい、胸痛、こむら返りなどです。酸素不足の症状として、「坂道や階段を上ると息切れや動悸がする」、「休まないと長くは歩けない」などが代表的なものです。

貧血の症状が重くなると、食道が炎症して食物を飲み込みにくくなったり、爪がスプーン上に反り返る匙状爪になることがあります。

考えられる原因

子供の場合、鉄の欠乏が貧血の原因になっていることが多いと考えられます。例えば乳児期の後半、離乳食の開始時期が遅れると鉄の摂取量が減ってしまい、貧血になります。これは、母乳中の鉄の含有量が少ないためです。また、幼児期に牛乳の摂取量が多く、その分食事量が減ってしまうと、やはり鉄が欠乏します。牛乳の鉄含有量が少ないためで、鉄分を多く含む食事量を増やす必要があります。

その他、成長期の子供はより多くの鉄分が必要なため、食事からの鉄分摂取が間に合わず、貧血になりやすくなります。また、女の子は月経が始まり、中学生くらいから鉄欠乏による貧血に陥りやすくなります。無理なダイエットも貧血になるので気を付けましょう。

診断と治療

貧血は血液検査で診断できます。多くは鉄欠乏性貧血のため、食事改善やサプリメントで回復が期待できます。貧血が重い場合は鉄剤を処方されることもあります。

しかし、中には病気が原因で貧血になっている場合もあるので注意が必要です。鉄欠乏性貧血か、そうでないかは病院でより詳しい検査を受けることで診断できます。何らかの病気が原因で貧血になっている場合は、その病気を治療しない限り、鉄剤を飲んでも貧血は良くなりません。

また、注意すべきは鉄剤の内服の仕方です。貧血が重度の場合数ヵ月〜半年ほど鉄剤を飲み続けることになりますが、漫然と飲み続けて鉄過剰になると、今度はそれによって肝機能や心機能の低下を招く可能性があります。鉄剤を飲む際は、きちんと医師の診断を受け、処方を守って飲みましょう。なんとなく飲み続けるのは危険です。

食事改善を

日頃から食事による鉄分摂取を意識しましょう。肉や魚に含まれる鉄は、野菜に含まれる鉄より吸収率が高いです。また、ビタミンCを含む果物や野菜と一緒に摂取すると、鉄の吸収率が高まります。

逆に、鉄の吸収を妨げてしまうのが、コーヒー、紅茶、緑茶、ウーロン茶などのタンニンを含む飲み物です。貧血の場合、これらの飲み物は食事中・食事前後には飲まず、食事の後1時間ぐらい時間をおいてから飲むようにしましょう。

【参考文献】
鉄分の多い食品と鉄分の含有量一覧表
※2015年4月4日くまにちあれんじ「元気の処方箋 女性に多い鉄欠乏性貧血」
※2016年3月5日くまにちあれんじ「貧血」
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