世界保健機関(WHO)は、オンラインゲームやテレビゲームなどのやり過ぎで日常生活に支障をきたす症状を、「ゲーム障害」として新たな疾病と認定しました。

ゲームをする子ども
依存症の一つとして「国際疾病分類」の最新版に加えられる予定です。

今回は、ゲーム障害とはどんな疾病なのか、対策や治療について考えます。

ゲーム障害とは?

ゲーム障害の定義は次のようになっています。

  1. ゲームをしたい衝動が制御できない。
  2. 日常生活よりもゲームを優先してしまう。
  3. 問題が起きてもゲームを続けてしまう。
  4. 家族、社会、勉強、仕事などに重大な支障が出ている。
  5. 上記のような症状が12カ月以上続いている。

つまり、ゲームに依存するあまり生活に様々な問題が起きている状態です。具体的にいうと、夜遅くまでゲームに熱中していて朝起きられない。授業中に居眠りする。不登校になって家でゲームばかりしている。食事中も入浴中もスマホやゲーム機を手放さない。ゲームを禁止すると暴れるなどです。ゲームに熱中しすぎて食事を取らなくなることもあります。

ゲーム障害と子供のネット依存

近年、スマホやタブレットの普及により、「ゲーム障害」の予備軍である「ネット依存」の子供たちは増加傾向です。2013年、厚生労働省の調査で、日本では中高生の51万8千人がインターネットの病的な使用が疑われると報告されました。

内閣府が2017年度に10~17歳を対象にしたインターネット利用状況調査では、3288人の回答者の82%がスマホやタブレットなどでインターネットを利用していることが分かっています。利用内容は主にゲームや動画視聴です。

その調査では、平日1日当たりの平均利用時間は小学生が97分、中学生は148分となっています。2時間以上利用している小学生は3人に1人、中学生は56%です。
ゲームやネットの利用が、小中学生にとって生活の一部になっていることが分かります。

対策と治療

子供をネット依存やゲーム障害にしないためには、子供が際限なくネットやゲームをできる環境を作らないことが大切です。

スマホやゲーム機を子供に買い与える前に、利用時間や利用方法など、親子でしっかり話し合ってルールを決めましょう。例えば、ゲームは宿題や勉強が終わってからする。夜9時から朝6時まではゲームしない、などです。親は、子供の利用時間や利用内容を把握し、問題がある場合には注意しましょう。

大切なのは、子供本人にゲームやネットの利用状況を自覚させ、本当にそれで良いのか考えさせることです。子供は、いずれ自立して家を出ていきます。一人暮らしになったとき、自分で自分を制御できなければ、深刻なゲーム障害になってしまうかもしれません。

どんな学校生活を送りたいのか、将来はどうなりたいのか、そのために今やるべきことは何なのか、自分で考えて自制できる子供に育てていくことが大切です。ゲーム以外に、スポーツや趣味など、別のやりがいを見つけることも有効です。

ゲーム障害になってしまったら

ときに、学校でのいじめや家庭問題、何らかの挫折から逃避するために、ゲームにのめり込む子供たちがいます。その場合は、まず先に各々が抱える問題を解決する必要があります。

重いゲーム障害は、家族だけでは解決が難しい場合もあります。親に対する甘えや反発心が解決を難しくする場合は、第三者の助けも必要です。
家族だけで問題を抱え込まず、医療機関や支援団体に相談しましょう。全国の保健所でも、依存症を診療する医療機関を紹介してくれますので、相談してみましょう。

参考文献
※熊本日日新聞総合版2018年8月4日「ゲーム障害 深刻な依存 世界で問題」
「居場所は取り戻せる ゲーム障害からの回復への道」(NHKハートネット)
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