冲方丁が『天地明察』『光圀伝』に次いで執筆した歴史小説です。

主人公は清少納言。言わずと知れた『枕草子』の作者です。「春はあけぼの…」という有名な一文を覚えていらっしゃる方もいるでしょう。日本最初の随筆文学である『枕草子』がどういう経緯で書かれることになったか、それを物語にしてあります。

清少納言が仕えた中宮定子。その華の時代を思い返しながら、その時代を共に過ごせた己の幸福をかみしめる。これは、清少納言の目から見た、中宮定子華の時代の物語とも言えます。

冲方丁氏は歴史小説だけでなく、ファンタジーなども執筆されていますが、そのひとつひとつの作品が独自の個性を持っていて、まるで別の作者が書いているのではないかと驚かされます。この作品も『光圀伝』の荒々しい作風とは一風変わって、女手の柔らかな筆跡が目に浮かぶような、女性らしい雰囲気に満ちています。作品によってここまで作風を変えられる作家を私は知りません。

時代背景を知った上で読むと、より楽しめると思います。

※『はなとゆめ』冲方丁、角川書店、2013年

スポンサーリンク

お読みいただきありがとうございます。もしよろしければ、シェアをお願いいたします。

巣ごもりに栄養を!
ヨシケイのミールキット

栄養士の献立を簡単レシピでお届け!

【選べる4つのミールキット】 1食あたり300円で栄養バランスもお墨付きです。

無駄な食材なし! 危険な買い出しにいく必要なし!

感染防止に、免疫力を強化して乗り切ろう。