脳血管障害にかかると、主症状の片麻痺以外に、視野狭窄、言語障害、認知・行動障害、糖尿病、高血圧症、心疾患、痴呆症などの合併症を持つことが多々ありますが、脳血管障害による機能的変化の予測は比較的容易なため、住環境整備の方針が立てやすい疾患といえます。
住環境はレベル別に次のように考えていきましょう。
屋外歩行レベル
玄関
- 健側に手すりを設置。
- 上り框が高い場合は式台を設置。
トイレ
便器の両側に手すりを設置。高さは床から700〜750mm程度が最適。
浴室
- 段差があればすのこなどを敷く。
- 浴槽の脇に腰掛台もしくは上にバスボードを渡し、腰掛けて出入りできるようにする。
階段
両側に手すりを設置。片方にしか設置できない場合は、下りのときに健側になるように設置。
屋内歩行レベル
出入口
ドアは引き戸がベター。
トイレ
- ドアは引き戸がベターだが、困難な場合はアコーディオンカーテン、あるいはドアが開く方向がアプローチする方向と逆の場合は反対側に付け替える。
- 便器の高さは380mmより少し高めに。
浴室
- 浴槽の縁の高さは400〜450mmに。
- 座位で入れるように洗い台を設置。
- 浴槽の周囲に手すりを設置。
- 和洋折衷式浴槽がベター。
車いすレベル
出入口
車いす用にスロープまたは段差解消機を設置。
トイレ
移乗や衣服の着脱に介助が必要な場合は、便器の前方に介助スペースを作る。
浴室
シャワー用車いすを使用の際は段差の解消を。
階段
立位が取れる場合は階段昇降機を利用。
寝室
ギャッチベッドが便利。
寝たきりレベル
出入口
デイサービスセンターで入浴サービスを受けるときや緊急入院の場合などを考慮し、段差解消機やスロープを準備。
浴室
車いすレベルに準じる。