子供の花粉症やアレルギー性鼻炎は年々増加傾向にあり、低年齢で発症する子供たちも珍しくはありません。

そのアレルゲンとして代表的なスギ花粉とダニに関して、近年画期的な治療法「舌下免疫療法」がスタートしています。

舌下免疫療法とは?

「舌下免疫療法」では、アレルゲンの成分を含んだ薬剤を1日1回、、長期間(3年間が目安)服用します。そうすることで大量のアレルゲンが体内に取り込まれ、免疫の働きに変化が起きます。免疫システムがアレルゲンに慣れることでアレルゲンに対する攻撃をやめ、徐々にアレルギー反応が起こりにくくなる効果が期待できるのです。

日本では2014年にスギ花粉用の薬剤が、2015年にダニ用の薬剤が保健薬として認可されました。まだ日本では新しい治療法で、現在薬剤の種類はスギ花粉とダニのみです。

開始当時は対象年齢が12歳以上でしたが、現在では5歳以上であれば治療を受けられます。ただし、実施医療機関は限られていますので、舌下免疫療法専門サイトなどで自宅近くの医療機関がどこにあるか調べてみましょう。

これまでは「皮下免疫療法」という注射で薬剤を注入する方法が行われていましたが、痛みや通院の負担から現在この治療法は減少傾向にあります。「舌下免疫療法」は注射に比べて副作用が少なく、痛みなく自宅で行えるため、今後この治療法を選択する人が増えていくでしょう。

治療開始前と治療中に注意すべきこと

治療開始前に、まずは治療を受けられるか、継続できるか確認しましょう。

お子さんが重い喘息であったり、小児がんや自己免疫疾患などの病気がある場合は治療は受けられません。また、治療期間は3年が目安とされ、その間2週間~1ヵ月に1回定期的な通院が必要になります。近々引越しの予定がある場合は転居してから医療機関を探したほうが良いでしょう。

薬の服用を開始したばかりの頃に軽いアレルギー症状が出ることがあります。例えば口の中の腫れやかゆみ、口内炎、喉や耳のかゆみなどです。症状は1ヶ月を過ぎるとだいたい落ち着きます。

薬の服用は、万一重いアレルギー症状が出た場合のことを考えて、医療機関にかかりやすい午前中に服用しましょう。

正しく服用することで副作用を小さくできます。飲み忘れても2日分飲んだり、決められた量を超えて服用しないようにしましょう。

血液の循環が高まるとアレルギー反応が出やすくなるため、服用後2時間は激しい運動や入浴は避けます。

医師との信頼関係が大切。長く通院できることが条件

ダニが原因の通年性のアレルギー性鼻炎では、治療開始から2~3ヵ月ほどでアレルギー症状の軽減が実感できることが多いようです。しかし、スギ花粉の薬剤の効果は、花粉シーズンの時期や花粉の飛散量によっても症状の出方が変わるため、効果を実感しにくいこともあるようです。

そこで大切なのが医師との信頼関係です。疑問があれば医師に相談しながら、途中であきらめることなく治療を続けていけるかが鍵になります。

何年も治療を続けていくのですから、その間にはインフルエンザなどの体調不良で一時免疫療法の薬剤を中断することもあるでしょう。その他、様々な事情で薬剤の服用を中断した場合は、医師に相談して薬剤の用量を調整してもらう必要があります。

定期的に通院しながら、疑問や不安はどんどん質問して、医師と良い関係を作っていきましょう。

参考文献
※『子どもの花粉症・アレルギー性鼻炎を治す本』永倉仁史 監修、講談社、2016年
鳥居薬品のアレルゲン免疫療法専門サイト(お医者さんに相談しよう)
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