ユーモアに溢れ、自由な発想の絵本が魅力の五味太郎さん。世界各国にファンを持ち、作品数は450作を超えます。40年以上も絵本作家として活動し続ける五味太郎さんの絵本の中から、皆さんにおすすめの絵本を10冊紹介します。
まどから☆おくりもの(五味太郎 しかけ絵本3、偕成社)
五味太郎さんの絵本の中でも、皆さんに特におすすめしたいのが「しかけ絵本」です。
この絵本は、読者が思いつきもしないような自由な発想と工夫が満載で、あっと驚かされることの連続です。ページをめくると答えが分かる仕組みになっているので、開く前に親子であれこれ考えるのも楽しいですね。
子供が何度でも読みたがる人気の絵本です。
きんぎょがにげた(五味太郎 作、福音館書店)
五味太郎さんの代表作で、有名な絵本です。
カラフルで美しい色彩が見た目にも華やかで、子供たちの目をパッと引きます。見つけるとすぐに手に取りたくなるようで、図書館でも小さなお子さんに人気でした。
いろんなところに隠れたピンク色の金魚を探す絵探しの絵本ですが、内容がシンプルで分かりやすいため、言葉がまだうまく話せない赤ちゃんでも楽しめます。
出産祝いのプレゼントにもおすすめです。
あなたはだあれ?(五味太郎 作、絵本館)
ここに登場するお母さんと子供の関係性が素晴らしいです。愛情に満ちていて、お互い深い信頼関係があるのがよく分かります。こんなふうに子育てできたら楽しいでしょうね。
親子のやり取りがユーモアに満ちていて、自由な発想とのびのびとした感性が魅力です。
読むと親子で笑い転げてしまいます。読後に親子で絵本の遊びを真似してみると、きっと楽しいと思います。
なんとなく(五味太郎 作、絵本館)
「このタイトルは何?」と思いながらページをめくっていくと、え?、え?と戸惑いの連続でした。でも、大人と違って子供たちは、話の展開を丸ごと受け止めて弾けるように笑い出します。
当たり前だと思っていたことが覆されるギャップの面白さ、柔軟な発想に脱帽です。
難しいことを考えず、子供たちと一緒にただただ、笑って楽しんでほしい絵本です。
かずをかぞえる(五味太郎 作、玉川大学出版部)
数を覚え始める2〜3歳頃から、小学校の低学年くらいまでにおすすめの絵本です。
小さい子はよく指を使って「1、2、3……」と数えますね。前半は指で数を示し、それにチョウチョウやクレヨンを同じ数対応するように描いているので、小さいお子さんでも分かりやすいです。後半は小学校1年生で習う内容です。絵を色分けするなど、パッと見て50や100がどのくらいの数なのか感覚として捉えやすくなっているところがいいですね。
色の配色や親しみやすい絵も魅力です。
あっ・ほっ(五味太郎 作、絵本館)
この絵本は、五味太郎さんの絵本の中ではちょっと異色の絵本です。
いい加減で適当で、とにかくお喋りの男の子がしゃべる、しゃべる!息つく暇もないほどです。言葉遣いは大人びているけれど、言っていることは滅茶苦茶で、やっぱり中身は子供なんですね。
滑稽で笑ってしまうけれど、あるがままを肯定されているようで、気持ちが楽になる絵本です。
3〜4歳にはまだ難しいと思うので、小学生以降のお子さんにおすすめです。
だいじょうぶかしら ねずみくん(五味太郎 作、偕成社)
シンプルで繰り返しの多い内容ですが、幼児だけでなく、子供から大人まで楽しめる絵本です。
ユーモア溢れる表情の登場人物たちが魅力です。「ねずみくん」の顔や動きの変化が異様で面白く、笑いを誘います。よく見ていくと変化のパターンが分かりますが、気づく読者は多くないかもしれません。五味太郎さんは人を楽しませるイタズラが大好きな方なのだと思います。
繰り返される言葉のフレーズが耳に心地よく、読後もずっと印象に残る絵本です。
みんな うんち(五味太郎 作、福音館書店)
タイトルを見て読み聞かせを躊躇する方もおられるかもしれませんが、「うんち」は大切なテーマです。それに、幼い子供たちはみんな「うんち」に興味津々で、この言葉を聞いただけで笑い出す子も多いはず。
この絵本にはいろんな動物の「うんち」が登場します。色も形も様々な「うんち」を真剣に見つめる子供もいれば、思わず笑い出す子供もいて、読み聞かせの反応は様々です。
幼児期におすすめの自然科学の絵本です。
そら はだかんぼ!(五味太郎 作、偕成社)
「これぞ五味太郎!」と手を打ちたくなる絵本です。ユーモアに溢れ、意外な展開で読者を驚かせる仕掛けには感心してしまいます。
親子のやり取りから、温かい家庭の雰囲気が伝わってきてほのぼのします。お風呂に入る前にまだまだ遊びたくて仕方がない!そんな男の子の気持ちに共感する子供たちも多いのではないでしょうか。
入浴前にこの絵本を思い出したら、服を脱ぐのが楽しくなりそうですね。
さる・るるる(五味太郎 作、絵本館)
2色刷りでシンプルな絵が分かりやすく、単純な主語と動詞だけが並んでいるので、言葉を覚え始める1歳前後から楽しめます。
余分な表現を一切省いて、分かりやすさを追求した絵本です。「くる」「みる」「ける」などの2文字の動詞を次々と読んでいるうちに、日本語の言葉の響きが楽しくなってきます。他の動詞を自由に追加して、親子で物語をアレンジしてみるのも楽しいです。
初めての言葉遊びの絵本としておすすめの1冊です。
編集後記
いかがでしたか?
ここでは10冊紹介しましたが、他にも紹介したい本がまだまだたくさんあります。五味太郎さんは作品数が多く有名な絵本も多いので、図書館でも気軽に借りられます。小さいお子さんでも笑って大好きになる絵本が多く、人気です。
是非手に取って、読み聞かせの1冊に加えて下さい。