シニアになれば誰しも、長年の生活スタイルの中でなにがしかの筋肉痛があるものです。少しだるいと感じる程度から頭痛に発展してしまうような肩こりもあります。腰がだるい程度で済む場合もあれば、寝込むほどの筋肉痛が起きる場合もあります。これらの多くは筋肉のコリが原因です。コリは痛む部分を温めたり、もみほぐしたりしながら血行を改善することによってほぐれます。
ところが、だるさや痛みを感じていても放置していると、脳が常に痛みのサインを筋肉に送り続け、いつの間にか筋肉の中に頑固なシコリができてしまいます。このシコリがトリガーポイントです。トリガーポイントの特徴は、その場所以外にも痛むところが出てくるということです。トリガーポイントを押さえるとトリガーポイントから少し離れた場所に痛みを感じるのです。これを関連痛といいます。歯痛などが起きることもあります。
頑固な痛みが取れずに医師の診断を受けてみても異常がないといわるような場合にトリガーポイントの関連痛を疑ってみましょう。トリガーポイントはレントゲンなどには映りません。ただし、エコーには映るものもあります。
トリガーポイントとその関連痛がおきる場所は、はっきり確定することはできないといわれていますが、同時に東洋医学のツボの概念が非常に近いことも知られています。したがって治療法は西洋医学でも東洋医学の鍼灸やあん摩などの方法でも実践されています。
治療
注射
トリガーポイントの治療でもっともよくおこなわれている治療方法がいわゆる神経ブロックといわれる注射です。トリガーポイントに直接麻酔薬を注射して痛みを取る方法です。ペインクリニックや整形外科などで行われています。関節の疾患が原因で慢性的な痛みを抱えている場合にも、トリガーポイントができている場合が多いのでブロック注射をして痛みを止めてから関節の治療やリハビリテーション並行する方法をとられています。
鍼治療
トリガーポイントに鍼治療をすることも効果を認められています。近年は大学病院などでも鍼治療を導入しているところがあります。
マッサージ
トリガーポイントを20秒程度圧迫しては解放する方法を繰り返して血流を改善します。自分でやると、トリガーポイントを押さえる姿勢で新たなコリを作ります。テニスボールなどを床に置いてその上に寝る方法ではあまり無理な姿勢をとることがありません。ただし、気持ちがいい程度の圧迫をするべきで痛むほどの圧迫を与えてしまうと逆効果の時もあります。
ストレッチ
トリガーポイントが或る筋肉を穏やかに伸ばすことでトリガーポイントをもみほぐし血流を改善します。この場合は先にトリガーポイントがない方向を伸ばしてからトリガーポイントがある方をストレッチします。ストレッチは必ず、両腕、両肩、両足など平均に動かします。
温熱療法
トリガーポイントを温める方法です。穏やかで湿った温かさが効果的です。温シャワー、入浴、ホットパックなどが有効です。
トリガーポイントの見つけ方
トリガーポイントの大きさは直径数ミリからピンポン玉レベルの大きさまであります。さわると、コリコリする固い塊が筋肉の中にできています。場所的には、確定はできませんが首方周りに痛みがある時には、背筋から肩甲骨のあたり、腰が痛む時には背筋周りやお尻にできることが多いです。
病院にいけばエコーなどの機械的な方法と触診の両方で行われます。鍼灸でも、西洋医学の考え方でトリガーポイントを探す鍼灸院が増えています。
トリガーポイント予防
トリガーポイントができる原因は、長時間同じ姿勢で過ごしたり、毎日決まった筋肉を使う動作をすることです。
たまに、姿勢を変えたり新ためたり、体操したりして筋肉がこわばるのを防止します。
ストレスなどで、常に体が緊張している状態ではトリガーポイントができやすくなります。強いしトレスを受けた時にもストレッチなどをして体を柔軟にします。
栄養バランスのいい食事を取って筋肉や関節の疲労を回復し老化を防止しましょう。特にシニア世代は蛋白質が不足することが多いので、脂肪分が少ない肉や魚を意識して食べましょう。
最後に
トリガーポイントの治療はペインクリニックや整形外科でも受けることができます。鍼灸院でもトリガーポイント治療を受けることができますが整体院と混同される場合がありますが全く別のものです。
あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師及び柔道整復師は国家資格ですが、そのほかの整体技術は民間の資格です。民間資格の中には、実技試験もない通信教育などもあります。利用するときには、良く調べてから利用しましょう。