シニアの悩みで多いのが肥満です。
肥満は、見た目がよくないだけではなく様々な生活習慣病の原因になります。糖尿病や高血圧、動脈硬化、ロコモティブシンドロームなどシニアの健康的な悩みのほとんどが肥満と関連付けることができます。

肥満体でぷよぷよした部分には何があるのかといえば、言わずとしれた体脂肪です。脂肪分を制限している人は多いはずです。ドレッシングはノンオイル、牛乳やヨーグルトは脂肪分ゼロ、肉は赤身、バターやマーガリンは使わないなどの心がけは大切です。

でも、体脂肪がついてしまう根本的な原因は脂肪分の摂取量というよりもむしろ糖質の過剰摂取のほうにあります。というのも、余分な糖質は体内で体脂肪に代わるからです。

糖質は、少し困った存在です。
糖質を摂取すると快楽物質であるドーパミンが分泌され強い快感を味わうことができます。「甘いものは別腹」といわれる所以です。これは、覚せい剤やニコチン、アルコール、カフェインなどと同じ効果です。どれも依存性のあるものばかり、糖質も同じ質の物です。

甘いものを食べると、頭がすっきりする、元気が出るといわれるのはエネルギー変換速度の速さとドーパミン分泌の相乗効果なのです。しかし、甘い物を食べれば急激に消費され糖質の血中濃度、すなわち血糖値が落ちると強い虚脱感が訪れ、もっと甘いものが欲しくなるのです。近年は過剰な糖質はうつ病などの原因の一つだとも考えられています。認知症リスクが高くなるとも考えられています。

さて、このような害のある糖質ですが、なければ生命に危機が及ぶほど重要な栄養素でもあります。糖質制限は、糖質完全カットではなく減らすことです。現在肥満状態にある人は、肥満がある程度解消するまでは大きく制限してもかまいませんが、長期的には少し制限が必要だということです。

糖質を使用しないで肥満を防止する方法

カロリーゼロ製品 : 人工甘味料

夏になると清涼飲料水の糖質摂取が非常に多くなりますが、近年はゼロカロリー飲料が普及しています。
これらに使用される甘味料は人工甘味料で甘みは砂糖の100倍以上もあるにもかかわらずカロリーはゼロです。また、寒天菓子などにも人工甘味料が使われたカロリーゼロの商品が出回っています。

しかし、これらの食品には十分な甘みがあるので糖質依存がエスカレートする可能性が問題視されています。また、人工甘味料には生殖機能に与える影響、神経伝達物質に与える影響、骨格に与える影響などが問題視されていますが、普及してからあまり経過していないために明確な結論が出ていません。継続的に飲み続けるにはリスクが大きいのです。

糖質の使用量を減らしてカロリーをおとす方法

果糖

果糖は白糖の1.2~1.7の甘みがありながら1gあたりのカロリーは白糖と同じ4キロカロリーです。これは、同じ甘さに調理した時、果糖が最も少量で済む、すなわちカロリーが低くて済むということになります。また、果糖は消化吸収が遅いので食後血糖値の急激な上昇をおさえます。糖尿病を予防する砂糖として使用されています。

キシリトール

キシリトールの甘さは砂糖とほぼ同じです。しかし、1gあたりのカロリーは3キロカロリーです。キシリトールは甘さの割にカロリーが低いのです。またほかの甘み成分は虫歯リスクを高めますが、キシリトールは虫歯を予防する甘味料としてガムやキャンディーに使われています。

ただキシリトールは日常の調味料としては価格が高いといえます。とはいえ、キャンディーやガム、チョコレートなどを完全にキシリトール使用のものに切り替えるだけでも摂取カロリーは落ちますし虫歯予防にもなります。

黒糖

黒糖の甘みは白砂糖の80%程度で、1gあたりのカロリーは3.5キロカロリーです。しかしミネラルやビタミンが含まれているので甘みにコクがあり実際よりも強い甘みを感じます。少量でもおいしく感じるため砂糖を黒糖に置き換える使用料が減りカロリーダウンにつながります。

はちみつやメープルシロップ

はちみつのカロリーは2.9キロカロリー/g、メープルシロップは2.6キロカロリー/gですが、甘みの強い果糖を多く含んでいるので少量でも甘く、また独特の風味があるので少量でも十分味がつきます。

甘さを感じる風味で糖質の使用量を抑える方法

バニラエッセンスなど

甘みを感じる香りをつけることで少ない甘味料でもおいしく感じることができます。
最もよく知られているものにバニラエッセンスがありますが、このほかにもキャラメルフレーバーやストロベリー、メロンなど様々なものがあります。シナモンパウダーなども甘みを感じさせるものです。2、3種類用意しておけばコーヒーや紅茶の砂糖を減らすことができます。ただし、あくまでもエッセンスやフレーバーの話です。シロップは砂糖を煮詰めたものなので加えれば糖質が増えます。

糖質の消化吸収の速度を緩めて腹持ちを良くし間食を減らす方法

酢は、糖質の消化速度を緩めて食後血糖値を抑えます。しかし、穀物酢はそれ自体でんぷんを多く含んでいます。また、ポン酢、寿司酢は砂糖を使って調味されているので糖質制限にはなりません。リンゴ酢やワインビネガーは糖質が低いので糖質制限効果があります。食前に水以外何も加えていない薄い酢水を飲む方法がおすすめです。

乳製品

乳製品には糖質の消化速度を緩める作用があります。食前に牛乳やヨーグルト、チーズなどを食べておくと食後の血糖値の上昇が緩やかになり、また腹持ちもよくなるので間食が減ります。また食前に乳製品を食べると、ある程度おなかが膨らむので食事の量が減ります。ただし、脂肪分を減らした乳製品にしたほうが肥満対策としては有効です。

糖質の消化吸収を阻害する方法

レジスタントスターチ

でんぷん質は、ご飯やパン、麺類に含まれる糖質で、暖かいうちは消化吸収がはやく食後血糖値を上げます。しかし、冷めるとでんぷんが難消化性でんぷん(レジスタントスターチ)に変化します。レジスタンススターチは胃や小腸では消化されずに大腸まで届き、食物繊維と同様の働きをします。水溶性、不溶性両方の働きをするので糖質を制限したい人にはありがたい存在です。

いも類

イモ類は炭水化物を多く含む食品としては、食物繊維やビタミン、ミネラルが多い食品です。お好み焼きや、ハンバーグなど小麦粉の代わりにマッシュポテトやつぶしたサトイモなどを利用すると食物繊維も一緒に摂れるので、食後血糖値の上昇を抑えて糖質の吸収を阻害します。

また、主食を白米やうどんなどからイモ類に切り替えたり、クッキーやあられなどの代わりに焼いもにするなどの工夫で消化吸収が緩やかになり、食物繊維が糖質の吸収を阻害します。

全粒穀物

小麦粉は全粒粉を使用、ごはんには玄米や雑穀、豆などを混ぜて食物繊維を増やすことで消化吸収を阻害し食後血糖値を押さえます。パンは全粒粉パンやライ麦パン、そばも全粒の十割そばがおすすめです。

最後に

甘味依存症になると、空腹をお菓子で満たすようになり、中には食事もたまにはお菓子で済ませてしまうようなことも起きてきます。いくら、カロリーゼロの甘味料を使っていても、全粒粉パンを食べたとしても、甘いもの食べ放題でいいということにはなりません。

甘み以外のおいしさをしっかり体験しましょう。また、家に甘いものを置かないなどの工夫をすることも大切です。

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