年齢を重ねてくると多くなるのが高血圧症を発症してしまう人です。
高血圧の定義は最大血圧が140mmHg以上または最小血圧が90mmHg以上です。
最大血圧か最小血圧のどちらかが上記に該当すれば高血圧と判断します。
一般的に高血圧症にはこれといった特徴的な症状がありません。
知らないうちに高血圧症になっていて、動脈硬化などの合併症をおこしていて最悪の場合、心筋梗塞や脳梗塞など命に係わる発作を起こすこともあります。
そのために欧米では高血圧症のことをサイレント・キラーと呼びます。
高血圧の人が特に気を付けなければならないのが急な気温の変化です。
熱いお風呂はとても危険です。
また、冬の夜間のトイレも急に寒いところへ行くので脳卒中のリスクが高いのです。
就寝時にニット帽などを被るのは夜間の脳卒中を防ぐのに非常に有効な方法です。
鼻血と頭痛は高血圧のサイン
頭痛やめまい、耳鳴り、動悸、息切れ等は、高血圧で起きる症状ですが、これらの症状は高血圧以外にもごく普通に起きる症状なので、なかなかこれで高血圧と判断はしにくいのです。
また、鼻血も高血圧のサインの一つで、出血量が多くてしかも長い間続く時、特に鼻血と同時に頭痛が起きた時には高血圧を疑うべきです。
自宅で毎日決まった時間に血圧を測ろう
高血圧を早期発見するために最も確実な方法は、自宅で毎日定期的に血圧を測ることです。
血圧は、その時の気温、運動量、気分などで刻一刻と変化します。
そのため、病院で測定した血圧がその人の平常の血圧かどうかは疑わしいのです。
自宅で毎日決まった時間に計測することが血圧管理の基本です。
早朝高血圧
早朝、これから体内の諸器官が活動を開始するという時間帯に血圧が上がるのはごく当然です。
ところが、高血圧症の人にとっては、このごく当然の現象が大きなリスクになります。
高血圧症の人は、血管がもろくなっていたり、脳や心臓に梗塞があったりして早朝の血圧上昇が発作のきっかけになることがあるのです。
起床後30分以内に毎日血圧測定をして血圧を管理することは、突然死を回避するために非常に重要なことです。
夜間高血圧
通常人間は夜間には血圧は低下します。
体が活動を最小限にとどめて睡眠にふさわしい血圧になるからです。
ところが、睡眠時無呼吸症候群などの病気がある場合には、体が休まっていないために血圧が上昇してしまいます。
夜間血圧が高いまま朝を迎えると、早朝更に血圧が上昇して非常に危険な状態になります。
高血圧の原因
高血圧の原因の一つは遺伝によるものだといわれています。
親族に高血圧症や心筋梗塞、脳梗塞などの症状がある人は特に血圧管理は重要です。
しかし、遺伝的に高血圧の人が少ないからと言って油断するのは禁物です。
高血圧症のもう一つの大きな原因が生活習慣だからです。
高血圧症は文字通り生活習慣病なのです。
長い間の悪い生活習慣が年齢を重ねてきて高血圧症に発展してしまうのです。
塩分の摂りすぎ
塩分をとりすぎると血中の塩分濃度を下げるために水分も多く摂ることになります。
このことが結果的に血管内の血液量を増やしてしまい血圧が高くなります。
脂肪分の摂りすぎ
また脂肪分をとりすぎると血管の内壁にコレステロールがたまり血管が狭くなって血圧が高くなります。
糖質の摂りすぎ
糖質を摂りすぎると、体内に蓄積され肥満につながります。
肥満が血圧を上げる大きな要因であることはよく知られています。
運動不足
また、運動不足になると血流が悪くなって血管に老廃物がたまり血圧が高くなります。
予防と改善
塩分、脂質、糖質を管理すれば高血圧は改善します。
あっさりした味付けで、しかも不飽和脂肪酸が含まれる食品で脂肪分を摂取することが高血圧の予防と改善に大きく効果があります。
また、毎日30分程度の有酸素運動も高血圧を予防改善させます。
ウオーキングや軽いジョギングなど会話ができる程度の運動が有効です。
逆に、話すこともままならないようなウエイトリフティングやランニングは血圧を急上昇させるので高血圧の人には危険な運動です。
睡眠時と起床時で血圧は大きく変動します。
睡眠時間が不規則だと血圧の変動が激しいために高血圧症の人は症状が悪化してしまいます。
血圧を下げる栄養素
血流をスムーズにすると血圧を下げることができるので、血液をサラサラにする栄養素を摂取すればいいのです。
- DHA、EPA等の不飽和脂肪酸は青魚に多く含まれています。
- アルギン酸はコンブ、メカブ等ヌメリのある海藻に多く含まれています。
- ナットウキナーゼは納豆特有の成分です。
- 野菜に多く含まれている食物繊維は腸内の老廃物を吸収しながら排泄されるので血液をきれいにします。
- 水分も十分に摂取する必要があるのですが過剰になると血液量が増えて血圧を高めることになります。
あくまで適度な水分を摂取することが大切です。
薄味でもおいしく食べる方法
濃い味に慣れてしまうと薄味は頼りなくてまずいと感じてしまいます。
薄味でもおいしく食べるには工夫が必要です。
出汁をしっかりとって出汁の味で食べる
かつお、こんぶ、あげ、玉ねぎ、ダイコン、白菜、キャベツなどおいしい出汁が出る食品はたくさんあります。
うまく利用すると、塩や砂糖よりも奥深い旨みを味わうことができます。
酢をうまく使って酢の味で食べる
穀物酢やポン酢、ワインビネガーなどを使い分けると酸味にも変化を出すことができます。
食材そのものの持ち味を活かす
魚や肉はあまり濃い味付けをしなくても、そのものに持ち味があります。
また、野菜にもそれぞれ持ち味が有るのでたくさん使うことで野菜の持ち味を味わうことができます。
特に干すという事で独特の持ち味が出る食材がたくさんあります。
乾燥トマト、乾燥タマネギ、乾燥キノコなどは和食にも洋食にも使える濃厚な持ち味を持つ食材です。
柚子、レモン、カボス
柚子、レモン、カボスなどは食べる直前に使うと風味が増し薄味のものでもおいしく食べることができます。
ネギや青シソなどの薬味
ネギや青シソなどの薬味も味にアクセントをつけるのに役立つばかりではなく、血液をサラサラにするアリシン(ネギ)などを豊富に含んでいます。
補助食品
「血圧が高めの方に適する」として、厚生労働省からトクホ(特定保健用食品)として認められた、日清オイリオのマリンペプチドという粒タイプの食品もあります。
トクホは、特定の保健の目的が期待できることを表示した食品です。
まとめ
食生活の改善と有酸素運動、規則正しい睡眠でサイレントキラーに打ち勝ちましょう。