女性は出産の前と後で体の大きな変化を味わいます。
体重の増加、出産による骨盤の緩みやゆがみによる腰痛に加え、母乳育児を開始すれば乳房の張りや痛み、肩こりや乳腺炎などのトラブルにも見舞われます。女性ホルモンの激減による様々な不調は体だけではなく心にも影響を与えます。
夫や家族はそのことを理解して、産後のお母さんをサポートしてあげましょう。
悪露と生理の再開
悪露とは、出産後に続く生理のような出血です。生理は一般的に数日から一週間ほどで終わりますが、悪露は産後4週間から6週間ほど続き、次第に量は減っていきます。悪露の量が急に増えたり、異臭がしたり、いつまでもだらだらと続いて終わらないようなときは産婦人科を受診しましょう。
女性は妊娠すると生理が止まり、出産後もしばらくは止まったままです。母乳を赤ちゃんに与えている間は、排卵を抑えるホルモンが働くため生理はありません。ただ、母乳の分泌量が減ってくると再開することもあります。
出産後全く母乳を与えず、ミルクで赤ちゃんを育てているお母さんの場合、産後2〜3ヶ月で生理が再開することが多いようです。
母乳で赤ちゃんを育てている場合、卒乳後3ヶ月以上生理がないときは一度産婦人科に相談しましょう。ミルクだけで赤ちゃんを育てている場合は、産後半年以上生理が再開しないときに産婦人科へ相談すると良いでしょう。
骨盤の緩みとゆがみを改善しよう
出産による骨盤の緩みやゆがみを放置すると、将来、腰痛や尿もれなどのトラブルが生じやすくなるので注意が必要です。産後2ヵ月くらいは骨盤ベルトやウエストニッパーなどを使って固定しましょう。骨盤のゆがみを矯正する簡単な体操などもありますので(→参考文献「寝る前10分!骨盤のゆがみリセット術」)、色々試してみると良いでしょう。
産後、尿もれに悩まされる女性はたくさんいます。くしゃみや咳をしたときに尿もれしてしまうようなときは、骨盤を支える筋肉が出産によって緩んでしまったことが原因です。改善するための体操を取り入れましょう(参考文献「産後の尿もれ対策はどうしてる?」)。3ヶ月以上続ければ次第に良くなってきますが、症状が改善しない場合や、尿もれが酷くて困る場合は、産婦人科か泌尿器科を受診してみましょう。
気になる体の変化と不調
産後しばらくして、ドキリとさせられるのは抜け毛です。これは、妊娠中大量に分泌された女性ホルモンが、産後急に減ってしまうことが原因です。個人差はありますが、産後2〜4ヶ月で急に抜け毛が増えることがあります。半年ほどで元に戻ることがほとんどなので、あまり心配しすぎないようにしましょう。
一日中赤ちゃんを抱っこしたり、授乳したり搾乳したりすることで、肩こりや腰痛、腱鞘炎になってしまうお母さんがいます。夜中頻繁に起きる赤ちゃんのお世話で寝不足になり、精神的に参ってしまうお母さんもたくさんいます。睡眠不足が原因の頭痛に悩まされることもあります。
産後はホルモンバランスの崩れや体調不良、寝不足の中、待ったなしで赤ちゃんの世話に明け暮れる日々が始まります。あまりの生活の激変についていけず、精神的に不安定になるお母さんも少なくありません。周囲の家族や夫は、育児や家事に関してできるだけのサポートをして、産後の大変な時期を支えてあげましょう。