意外と多いマイナーチェンジ

保険会社の都合とお客様目線

今世紀に入ってからの自動車保険の変遷です。まず、自由化が起こり、各保険会社が保険料を独自に決められるようになりました。そして、今や当たり前のその人の利用状況などを考慮するリスク細分型保険が主流になり、保険商品自体も各保険会社ごとにユニークなものが多数登場しました。ここまではお客目線かな?と受け取れます。

ところが、この後、結局は保険料の料率は大手損保に倣え、幅広くした補償内容も平均化の方向へ向かいました。補償内容の平均化については、定義が曖昧なケースを差別化する理由があったのですが、保険金不払い問題を教訓とした「もっと分かりやすくする」という色合いも濃いですね。

しかし、中には「これは保険会社の都合だね」と言わざるを得ない補償内容の変更と、「この変更は嬉しいね」と思える補償内容の変更があります。そこで、それぞれ一つずつ、実際にあった変更を紹介したいと思います。

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日数払いから部位症状別払いへ

搭乗者傷害保険には日数払いと部位症状別払いの2タイプがありました。「ありました」というのは、ほとんどの保険会社が現在では日数払いを廃止したからです。これには二つの理由があります。一つは「搭乗者傷害保険って?」でも触れましたが、一言にケガの補償と言っても人身傷害保険と混同しまわれることもあり、お見舞い金としての側面を強く打ち出したいという理由。確かに、ケガをした部位と症状によって定額で支払うと聞くと、どういった保険かイメージしやすいですね。

もう一つは、よく言われるように保険会社にとってデメリットが多いからという理由もあるでしょう。昔のように人身傷害保険を組み込むかどうか選べた頃ならともかく、自動的に組み込まれるようになった現在では、赤字防止のために保険会社は搭乗者傷害保険自体を廃止したいという本音もあるでしょう。

また、実際にどれだけ邪なことを考えて請求している人がいたのか知りませんが、日数払いは「治療のため認められる通院または入院の日数分を補償する」というものです。そこで治療に不要な通院まで「支払え!」という人も少なくありません。そういった困った契約者をシャットアウトしたいという狙いもうかがえます。

この例は丸々保険会社の都合とは断言できませんが、第三者からすると「もっと早く改定すればよかったのでは?」と思いますよね。

落書きといたずらの違い

2014年7月現在、全保険会社の車両保険でいたずらは補償の対象になります。オールリスク型と呼ばれる一般車両、エコノミーワイド車両ともにです。実はその昔、「いたずら」と「落書き」は異なる被害で、「いたずら」と判断された場合はエコノミーワイド車両の支払い対象外でした。

では、「いたずら」と「落書き」の判断基準ですが、いたずらは「自動車を駐車中に傷つけられたり汚損された」場合を定義していました。対して落書きは「自動車を駐車中に意図して車体に文言や絵を描かれていた」場合を定義していました。そんなのこっちは知りませんよ。もしかしたら、いたずらと判断されるひっかき傷でも、実は非常に前衛的な絵だったかも知れません。

また、支払い担当者によって判断が異なってしまうという不安もあります。私がお世話になった上司は「いいか、約款は万能じゃない。判断できないケースは、お客さんに譲歩するように考えてから相談しにこい」とアドバイスしたものですが、そんな人ばかりとは限りません。結果、車両保険お補償内容から「落書き」という定義はなくなり、「いたずら」にふくまれることになりました。

これはお客様目線による変更だったと思います。他にも「この変更はいいね」というものがありましたが、「いたずら」と「落書き」の定義は最も理不尽だと思っていたのでピックアップした次第です。

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<ライター:森村仁

この記事を書いた人

森村 仁
森村 仁 公式HP
Soul Kitchen【活動エリア】北海道
得意分野が作曲編曲、自動車保険、カルトムービーという変わり者。
人生のほとんどを神奈川・東京で過ごしましたが、現在は故郷函館で暮らしております。
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