就寝後、排尿で起きなければならない状態を夜間頻尿といいます。
60歳代だと男性の約80%、女性の約40%が夜間の尿意に悩まされているという報告があります。

夜間頻尿で大きな問題は慢性的な睡眠不足です。
昼間、眠いだけではなく仕事や家事に支障が出ることもあります。特に車を運転する人には睡眠不足は大敵です。

夜のトイレで多いのが転倒事故です。
トイレ内での転倒は骨折率が高く、悪くすると寝たきり生活の原因になることもあるのです。
また、冬の夜のトイレは寝室との温度差が激しいため心筋梗塞発作や脳卒中の原因になることも多いのです。

夜間頻尿の原因になる病気

過活動膀胱や間質性膀胱炎などの膀胱自体に病気がある場合、前立せん肥大、腎臓病など膀胱に接する臓器の病気にかかると夜間頻尿のリスクが高まります。
意外な事ですが、胃下垂も重症になると膀胱を圧迫して夜間頻尿の原因になることがあります。やせ形で夜間頻尿が有る方は胃下垂も疑ってみた方がいいのです。

睡眠障害は夜間頻尿の原因でもあり、また、夜間頻尿が睡眠障害の原因になることもあります。
睡眠障害の原因としては睡眠時無呼吸症候群やうつ病、むずむず脚症候群などの病気が原因になります。

糖尿病や高血圧、心臓病なども夜間頻尿の原因になります。

夜間頻尿の症状が現れたらまずは医師の診断を受け、原因になる病気が無いかどうか確認しましょう。

病気以外の夜間頻尿の原因

加齢のために、心臓の機能が衰えてくると日中充分にポンプが働かずに、臓器の大部分の活動が少なくなる夜間にポンプ機能が働き夜間頻尿の原因になります。
また、睡眠が浅いために抗利尿ホルモンが十分に働かずに夜間多尿になります。

血液をサラサラにする為に就寝前に水分をとる習慣も、当然夜間多尿の原因になります。
就寝直前の水分補給よりは、むしろ、入浴後や運動後などにきちんと水分補給をすることが大切です。

食後2,3時間以内に就寝すると、就寝中にも消化が進み夜間多尿の原因になります。

塩分を多く摂ると、水分摂取が多くなるので夜間頻尿に結びついてしまいます。
晩酌は、多すぎるとアルコールが睡眠障害を引き起こ夜間頻尿のリスクが高まります。酒の肴はとかく塩辛かったり香辛料が効いていたりして飲みすぎの要因にもなります。

また、夜お茶やコーヒーを飲むとカフェインによる利尿作用が働いて夜間の排尿が増えてしまいます。

夜間頻尿で気をつける食生活

基本的には少しでも加齢を食い止めるような食生活、特に成人病にかかりにくい食生活をしましょう。
タンパク質、ビタミン、ミネラルをバランスよく摂取することが大切です。

一般的に、夕食に重点を置きがちな日本人ですができれば朝食や昼食に重点を置き、夜は軽い食事にした方が体への負担は軽くて済みます。
ただし、夜食が欲しいようなら逆効果ですが。

朝食でガッツリ食べられればいいのですが、従来の食習慣で朝食が進まないという人は多いはず。
そんな時には、食事としてボリュームが大きいたんぱく質などをサプリメントで補ってもいいのではないでしょうか?

気を付けたい夕食メニュー

夜間頻尿の場合、夕食の摂り方が大きく影響します。

利尿作用がある食品を食べると夜間多尿の原因になります。

メロン、バナナ、キウイフルーツ、小豆、グリンピース、アサリ、海藻類など。
また、コーヒー、紅茶、緑茶、ウーロン茶、カフェイン入りの栄養ドリンクには利尿作用が強いカフェインが含まれています。
夕食の時のお茶はカフェインを含まないものにした方がいいのです。

夕食に体を冷やす食品を食べると夜間頻尿の原因になります。

うなぎ、うに、かに、しじみ、はまぐり、はも、柿,キウイ、スイカ、梨、バナナ、、みかん、メロン、ゆず、レモン、、パインなど果物は基本的に体を冷やします。

覚醒するような食品をたべると、一旦寝付いても目が覚めてしまうことが有ります。

コーヒー、紅茶、緑茶、ウーロン茶、などの他にもアルコール類も目が覚めてしまう要因です。

塩分を多い食品を食べると知らず知らずに水分を摂ってしまい夜間多尿の原因になります。

うめ干し、佃煮、塩辛、めんたいこなど、一般的に御飯が進むといわれる食品や酒の肴は塩分が多いのです。

最後に

年齢を重ねるにつれて、様々な体調不良が起きるのはある程度しょうがないことではありますが、その不調の進行を遅らせて気持ちよく安全に生活するために従来の生活習慣を大きく見直す必要があるのです。

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